前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『オンライン講座・ウクライナ戦争の経過』★『ジェノサイド・ロシアの末路(上)』★『ロシアのウクライナ侵攻から2ヵ月』★『プーチン大統領の「核使用発言」』★『歴史は人類の犯罪と愚行と不幸の記録以外の何物でもない』

   

 

ウクライナ戦争・ジェノサイド・ロシアの末路(上)

前坂俊之(ジャーナリスト)

 

ロシアのウクライナ侵攻から約2ゕ月が経過した。ウクライナの首都キエフ、近郊のマカリウやブチャなどキーウ近郊では市民多数が殺害されており、国連の人権委員会は「ロシアの戦争犯罪」と認定し、国際刑事裁判所が捜査に乗り出した。米欧日などは「ロシアの経済封鎖と同時に、ウクライナへの武器、軍事支援を増強、一方ロシア側は「ジェノサイト」の批判をフェイクニューㇲとして否定、プーチン大統領はさらなる戦線拡大を命令し、戦争は長期化の様相を呈してきた。サリンなどの生物、化学兵器をロシアが使用した疑惑も浮上、追い詰められてきたプーチン大統領は『戦術核』の使用も公言しており、第3次世界大戦のリスクも高まってきた。

(これは4月15日までの情報分析、放談です)

  • 新型コロナ感染者5億人、死亡者620万突破

(A)「それでは恒例の世界各国・地域の新型コロナ感染者数(死者数)から入りましょうか。米ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめでは、4月15日現在の数字は以下の通りです。

世界全体の累計感染者は約5億0192万(死者数約619万人)です。

米国       8051万(99万)
・インド     4304万 (52万)
・ブラジル        3021万 (66万
・フランス    2750万(14万)
・ドイツ     2318万(13万)
・英国      2188万(17万)
・ロシア     1777万(36万)
・韓国      1598万(2万)
・イタリア    1547万(16万)
・トルコ     1498万(9万8千)
・スペイン    1163万(10万)

 

番外 日本は724万(死者2万千人)です。

 

「米ジョンズ・ホプキンズ大の集計では、新型コロナウイルスの世界全体の感染者が4月12日、累計5億人を超えました。死者は618万人超です。世界保健機関(WHO)によると、新規感染者、死者とも減少傾向だが、感染力の強いオミクロン株の変異派生型「BA・2」が増えている。 ワクチン接種が進み、重症化率や死亡率が低くなってきたため、欧米を中心にマスク着用義務などの規制撤廃の動きが進んでいる」

 

「一方、中国の上海では4月9日、2万4943人の感染者確認され、9日連続で過去最多を更新した。上海市当局は大部分の地域で2週間の厳しい外出制限を続けており、食糧の確保に困った住民の反対運動も起きている。日本国内ではオミクロン株「BA・1」から派生型の「BA・2」への置き換わりが進む中、新たな系統「XE」(感染スピードはBA・2の12・6%速い)の感染者が4月11日に国内で初めて確認され、政府は監視体制強化している」。

  • ロシアのウクライナ侵攻から2ヵ月

「では、ウクライナ戦争に移りましょうか。プーチンの「国際法違反」のジェノサイト攻撃がとまらない。CNN(4月15日)などによると、ロシア軍がウクライナ南東部の港湾都市マリウポリを攻撃し、3千人以上が死亡、約43万人の住民の大半が孤立し、住民数千人をロシア領へ強制的に移送されているという。ボイチェンコ市長は、「第2次世界大戦中のナチス・ドイツによる強制連行、無差別攻撃」だと非難した。

ロイター通信(3月23日)によると、この約2ヵ月弱でウクライナ側の推定害総額は死亡者数最低 約4万人、避難民は約 1100万(全人口の4人に1人)にのぼり、損壊した建物数最低 1752棟、物的損害5649億ドル(約71兆円)にのぼる。ウクライナを逃れた子どもは約150万人は人身売買のリスクにさらされている。」

 「3月20日、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの降伏要求に決して屈しない。首都キエフのほか、マリウポリやハリコフなどの都市がロシアに占領されることはないと」と発表した。これに対してプーチン大統領はウクライナ東部で親ロ派の「ドネツク人民共和国」、「ルガンスク人民共和国」の独立を承認し、クリミア半島をウクライナに返還する意図がないと宣言。ゼレンスキー氏も「国際的に認知された国境は変わらない。ロシアには一歩も譲歩しない」と激しく対立は怒りと敵意と憎悪で一層エスカレートするばかりだ」

「対する米国、NATO(北大西洋条約機構)は「核戦争を避けるため軍事的な衝突は極力回避して、さらに徹底した経済金融制裁を加えることで、ロシア経済を崩壊させ体制転換を行う戦略を強化ている。

すでにロシアは「デフォルト」(国家破産)寸前に追い詰められている。共同通信(3月22日)によると、プーチン政権を批判してきた同国の著名な経済学者ウラジスラフ・イノゼムツェフ氏は「ロシアのインフレ率は年30%に近づき、為替相場は1ドル=200ルーブルとさらに低下している。失業者は現在の2倍、貧困層は1・5倍になり、100年前、1917年のロシア革命時に後戻りしてしまう」と絶望的な未来を予測して「次の冬(2023年)までに死に至る」という。あと1年後には兵糧攻めにあってロシアは崩壊するというわけです」

(「当初、3日でキエフを陥落させると豪語していたプ―チンロシア軍は4週間たっても占領できない大失敗となった。その「ロシア軍の死亡者は9861人が死亡、負傷者は1万6153人」とプーチン政権寄りのタブロイド紙(電子版)が3月20日にスッパ抜いた。慌てた政府は即座に削除した。

ロシア軍の正式の死亡者数は3月2日現在で498人が死亡していたが、その400倍だ。ロシアは1980年代のアフガニスタン侵攻10年間で約1万5千人のソ連兵が死亡しので、今回はわずか1ヵ月弱で2万人死傷というケタ違いの多さで、作戦大失敗がわかる」

「ゼレンスキー大統領は3月20日、米CNNテレビに対して、ロプーチン大統領との直接会談したいと語り「この試みが失敗すれば第3次世界大戦となる」と語ったが、プーチン氏は要請を拒否した。国連も事態を重く見、グテーレス事務総長は3月14日の会見で、「かつては考えられなかった核戦争の可能性が大きくなってきた」として、直ちに敵対行為を停止するよう訴えた。ロシアのペスコフ報道官は22日のCNNの取材に「ロシアの存在が脅かされた場合には、核兵器の使用があり得る」と発言。ウクライナ戦争の今後について欧米専門家はロシアが戦略核兵器、小型核兵器を追い詰められた場合に使用する可能性が高まってきたと指摘している。」

  • プーチン大統領の「核使用発言」

 

「米ニューヨーク・タイムズ」(3月21日)は「ロシアが制限的な破壊力を持つ戦術核兵器をウクライナで使用する可能性がある」と警告した。ロシアは、広島原爆などの大規模破壊を招く戦略核兵器、核爆弾よりも、威力の弱い限定小型戦術核兵器を多数開発して2000発を保有。一方、米国が欧州に配備した戦術核は100発ほどしかない。「追い詰められたプーチン氏がこの小型核兵器をカードにして住民のいない郊外などに落として西側を威嚇する武器にする可能性がある。このロシアが警告として投下した戦術核の意図を西側が見誤って瞬時に全面核戦争へと発展する恐れがある」とも書いている」

「それに関しては、すでに2015年3月17日、プーチン大統領はロシア国営放送で、クリミアの状況がロシアに不利に展開した場合は、「核戦争も準備していた」と発言していますよ。この時には鳩山由紀夫元首相がウクライナを訪問し、ウクライナ危機は米国の陰謀だと言わんばかりのロシア寄り発言を繰り返していたのが物議をかもした。

それから7年。今回のプーチンのウクライナ戦争が始まり、世界から総スカンを食って再び「核使用発言」の脅しをかけているわけですね。しかし、プーチンの前任のエリツィン大統領もコソボ紛争(1992年)の時に「核使用発言」をしており、ロシア側の一貫した恫喝外交、ロシアンルーレット外交ですよ」

  • 「歴史は人類の犯罪と愚行と不幸の記録以外の何物でもない」

「これは英国の歴史家・エドワード・ギボン(一七三七~一七九四)の言葉です。プーチン大統領(ツアー)によるウクライナ戦争の残虐行為、ジェノサイトを毎日毎日見続けているとつくづくそう思いますね。

英BBC(4/4)によると、「ウクライナの首都キエフ周辺地域からロシア軍が撤退したことで、ロシア軍による無差別殺人の痕跡が次々と明みに出ている」という。ウクライナ民間人が手足を縛られ、後頭部を撃たれて処刑されていた遺体や、証拠隠滅のため焼かれたかのような遺体も複数見つかった。「410人の市民の遺体が運び出された」(ウクライナの検事総長), 「数百人の市民が殺害された。世界がこれまでに見たことのない悲惨な行為だ」(北東部スムイ州知事)などウクライナ側は「残忍な戦争犯罪の決定的な証拠だ」と強く非難した。)

ブチャ、ナリウポリの虐殺、化学兵器使用疑惑まででてきた」

つづく

 - 健康長寿, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
明治史の復習問題/日本リーダーパワー史(83) 近代日本二百年で最大の英雄・西郷隆盛を理解する方法論とは・(上)」★『西郷隆盛はどこが偉かったのか』(下)<政治リーダーシップは力より徳>』尾崎行雄の名講義

日本リーダーパワー史(83)   近代日本二百年で最大の英雄・西郷隆盛 …

no image
辛亥革命(1911年10月10日)百周年ー『孫文の辛亥革命を日本の新聞はどう報道したのか』①

辛亥革命(1911年10月10日)から百周年   ―逆転した今後の日中 …

『オンライン講座/明治維新は誰が起こしたか』★『高杉晋作の国難突破力②』★『明治維新は吉田松陰の開国思想と、その実行部隊長の「高杉奇兵隊」(伊藤博文、山県有朋も部下)によって、倒幕の第一弾が実現した」★『英外交官パークスに自分のフンドシをプレゼントした高杉晋作の剛胆・機略縦横!、②』

  2012/10/29  リーダーパワー史(33 …

no image
2014年世界経済トレンド・ウオッチ②』「エリートの失敗が未来を脅かす」(英FT紙)「2014年市場は「退屈への反乱」に警戒せよ

  2014年ー世界経済トレンド・ウオッチ②』   …

[『オンライン講座/平櫛田中(107歳)、鈴木大拙(96歳)の教え」★「六十、七十 はなたれ小僧、はなたれ娘、人間盛りは百から、百から」 平櫛田中』★『人間は過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。老人は過去から、未来に生きるスイッチに切り換えなさい」(鈴木大拙)』

      2017/11/28&nbs …

no image
 日本リーダーパワー史(826)『明治裏面史』 ★『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、 インテリジェンス㊵』★『ナポレオンも負けた強国ロシアに勝った日本とはいったい何者か、と世界各国の人種が集まるパリで最高にモテた日本人』★『レストランで「あの強い日本人か」「記念にワイフにキスしください」と金髪の美女を客席まで連れてきて、キスを求めたかと思うと、そのうち店内の全女性が総立ちで、次々にキスの総攻撃にあい、最後には胴上げされて、「ビーブ・ル・ジャポン」(日本バンザイ)の大合唱となった』これ本当の話ですよ。

   日本リーダーパワー史(826)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露 …

『Z世代のための<日本政治がなぜダメになったのか、真の民主主義国家になれないのか>の講義③<日本議会政治の父・尾崎咢堂が政治家を叱るー『明治、大正、昭和史での敗戦の理由』は① 政治の貧困、立憲政治の運用失敗 ② 日清・日露戦争に勝って、急に世界の1等国の仲間入り果たしたとおごり昂った。 ③ 日本人の心の底にある封建思想と奴隷根性」 

2010/08/06  日本リーダーパワー史(82)記事再録 &nbs …

『Z世代のための日本政治家業講座①』★『笑う門には福来る、ジョークを飛ばせば長生きするよ』★『昭和の大宰相・吉田茂のジョーク集』 ★『吉田首相は五次にわたる内閣で、実数79人、延べ114人の大臣を『粗製乱造』した。その『吉田ワンマン学校」で、「果たしてステーツマン(真の政治家、国士)を何人つくったのか?」

「逗子なぎさ橋珈琲テラス通信」2024年7月27日am800 2016/02/1 …

no image
人気記事再録/『世界が尊敬した日本人⑧『地球を彫ったイサムノグチ』(2008年5月)★『世界から尊敬された日本人ではなく、日本主義と戦い、それを乗り越えることでコスモポ リタンとなった。』

2009/02/10 /『世界が尊敬した日本人⑧』   前坂 俊之 ( …

『Z世代のための日本リーダーパワー史(380)」★『児玉源太郎伝(3)『 ●『日露戦争でドイツ・ロシアの陰謀の<黄禍論>に対して国際正義で反論した明治トップリーダーの外交戦,メディア戦略に学ぶ』★『<英国タイムズ紙、1904(明治37)年6月6日付記事>』

              前坂 俊之(ジャーナリスト) 『日本は膨張または征服 …