前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『 オンライン講座/東京五輪開幕』★『連日、新競技のスケーボー女子で西矢椛(13歳)が日本最年少での金メダル、スケボー男子では堀米雄斗(22歳)も金メダル、柔道の阿部兄妹の金メダルというメダルラッシュに沸いた。』★『2019年の課題」-『平成30年は終わり、老兵は去るのみ、日本の未来は「Z世代」にたくそう、若手スポーツマンの活躍を見ればわかる』

      2021/08/01

 

東京五輪が7月23日に開幕した。

いざフタを開けると開会式が56.4%の高視聴率で、連日、新競技のスケーボー女子で西矢椛(もみじ)(13歳)が日本最年少での金メダル 、スケボー男子では堀米雄斗(22歳)も金メダル、サーフィン男子五十嵐カノア(23)が銀メダル、柔道では阿部一二三(23)、阿部詩(21)の兄妹の五輪史上初の兄妹金メダルというメダルラッシュに日本中が沸いた。

ゴタゴタ続きの陰鬱なムードは一挙に吹き飛び、感動、祝賀の明るいムードに一転した。私は喜寿をすぎた生涯現役を目指す(?)フリーライターだが、物怖じしない『ゼット世代』のアスリートたちの大活躍に感動の涙がとまらなかった。

テレビ放送は五輪一色となり、連日、NHKBSで見ていた大谷翔平の試合中継はストップしてしまった。仕方なくABEMAのMBL中継によって大谷の36号、37号の弾丸ホーマーに歓声を上げ、五輪の各競技の熱戦の両方をウオッチするので、寝るヒマもない。「ゼット世代」から元気、やる気、感動のエネルギーを注入してをもらい歳をとるのも忘れる始末だ。

―――――――――――――

さて、終活中で古い日記を捨てようと思って整理していると、2018年の東京五輪を2年後に控えての若手スポーツマン(Z世代)活躍についての一文が目に留まったので、紹介する。

「2019年の課題」-『平成30年は終わり、老兵は去るのみ、日本の未来はデジタルネイティブにたくそう、若手スポーツマンの活躍を見ればわかる』

  2018年12月30日

デジタルネイティブの若手スポーツマンの活躍ー本来の教育とは親が子供の能力を最大限に発揮させるプログラムを組むもの

前坂 俊之(ジャーナリスト)

2018年の世界はいろいろなニュースで揺れた。トランプ米大統領の暴走で国際政治、経済はガタガタで、暗いニュースが多かった。国際政治、経済は各国の利害対立の複雑系なのでよくわからないことが多いが、スポーツは実力、体力、精神力の一本勝負の世界なので、勝ち負けがはっきりしていて、わかりやすく楽しい。

東京五輪があと1年半後に迫ってきた。

2018年11月28日、東京で開催された各国オリンピック委員会連合総会で、バッハ会長は「2年前の段階で、これほど準備が進んでいた開催都市は記憶にない。運営といい、盛り上がりといい、素晴らしい五輪になる」と太鼓判を押した。日本人の事前準備をしっかりやり、一致協力して、迅速に仕事する性格の表れであろう。

そういえば、今年の暗いニュースが多い中で、私が一番心躍ったのは若手の多くのスポーツ選手の国際的な活躍ぶりだった。

トップはなんといってもメジャーリーグに挑戦したエンジェルスの大谷選手の(24歳)活躍が日本中を元気にした。このほど米国の権威ある野球専門誌「ベースボール・アメリカ」は現在のMBLの選手で 将来的な価値予測して有望株を格付けした結果、大谷は2位(1位と同率だが、けがの結果を差し引いて)にランクインした。

同誌は「大谷はどこを探しても見当たらないような才能で、マウンド上ではエース級で、打席でもエリートなパワーを見せつけた」と称賛。

私もイチロー、松井以来のMBLのテレビ中継にかじりついたが、高額契約金などは眼中になく、ベースボール一筋のその高貴な精神とパワーあふれる二刀流を発揮した。その上にハリウッドスター以上の長身のハンサムぶりは「天から舞い降りたピュアな鶴という感じ」(写真家・篠山紀信)というように、三拍子そろったこれまでにない21世紀のデジタル・グローバル(国際的スケール)日本人の登場を予感させた。

この手の新しい日本人(Z世代)が次々に誕生している。

次に登場したのは女子テニスの大阪なおみ選手で,その圧倒的なパワーで世界4大ツアーの全米テニス決勝戦で異様な雰囲気の中で終始冷静な態度で女王セリーヌを破って、初優勝を飾った。表彰式でまたひと悶着あったが「女王をかばうような日本的な謙譲で上品な立ち振る舞いが「大阪こそ絶対王者だ!」世界から称賛を浴びた。

大相撲の世界でも日本人横綱の誕生を予感させる小結・責景勝(22歳、現在身長175㎝、体重170キロ)が冬場所で初優勝した。体も小さく,食も細かった責景勝は小学3年生で早くも本格的に相撲を始めた。父・佐藤一哉さん(57)つきっきりの二人三脚で猛稽古して横綱を目指した。〝平成版・巨人の星″、イチローの父子鷹に似た相撲道の父子鷹といえよう。

「スポーツ報知」(11月16日)によると、「ぶつかり稽古は30分でも異常な厳しさとか言われるが、小学時代でも毎日2時間、中学では毎日約6時間も稽古して、箸も持てないくらいのクタクタになる毎日。さらに自宅近くの坂道を、後ろ向きに上る、階段を、4足歩行で駆け上がるなどの猛特訓で体を鍛えた。

稽古は365日で休みなしだが、睡眠だけは成長のためにたっぷり10時間とったという。小学3年生の時は体重30㌔だったが、相撲取りになるため毎年20㌔ずつ体重を増やした。

中学生の頃は夕食だけで肉1㌔、牛乳も2㍑分を飲んで食事代は毎月30万円にものぼった。毎日毎日、スーパーで肉を大量に買うので、不審に思った店員さんから「ライオンの子供でも飼ってるの?」とのびっくり発言が飛び出したという。(笑)

この努力で中学生横綱、高校生横綱となり、高校卒業後、2014年に貴乃花部屋に入門、わずか4年で小結までに上りつきめた。

サッカー界ではアジア杯をかけたサッカー日本代表に若手三羽烏が抜擢された。いち早く海外チームにわたり、大活躍している南野拓実(23)、ポストメッシといわれる中島翔哉(24)、浪速のメッシこと堂安律(20)らが、この1月から始まるアジア杯でも大注目だ。

マラソンでは16年ぶりに2時間5分50秒の日本新記録を出した大迫傑選手(27)が注目株だ。大迫は米国などで科学的トレーニングを受けている、という。このほか、卓球、バトミントン、新競技などでの有望選手が目白押しなのだ。

これらの若手選手はいずれも平成生まれのグローバルなITデジタルネイティブたち(Z世代)で、それまでのアナログ日本人とはまるで異質な21世紀の新人類といえる。子供の時から目標を決めて、科学的なトレーニングに励み、世界の舞台で挑戦する若者たちである。

2018年には世界比較の中で日本の教育のレベルダウン、貧困が一挙に表面化した。子供の個性を見つけその能力を伸ばし、適職、プロにするのが教育の目的であり、一律的な偏差値重視、学歴重視で、画一的なサラリーマンを大量に養成する日本の教育システムは完全な機能不全に陥っている。

本来の教育とは親が子供の能力を最大限に発揮させるプログラムを組んでいくものだ。貴景勝の父子鷹を見ているとその思いを強くする。

 - 人物研究, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本リーダーパワー史(134) 空前絶後の名将・川上操六(23)日本のトップリーダー養成はなぜ失敗したか

 日本リーダーパワー史(134) 空前絶後の名将・川上操六(23)日本のトップリ …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(182)記事再録/★『高橋是清の国難突破力(インテリジェンス)②』★『「明治のリーダー・高橋是清(蔵相5回、首相)は「小さな 政治の知恵はないが、国家の大局を考え、絶対にものを恐れない人」 ★『政治家はすべて私心を捨てよ』(賀屋興宣の評)

    2019/09/25 &nbsp …

『日米プロ野球史の研究』★「大谷は本里打王になるか、野球の神様・川上哲治の『巨人8連覇の常勝の秘訣』とはー』★「窮して変じ、変じて通ず」★『スランプは<しめた>と思え』★『むだ打ちをなくせ』★『ダメのダメ、さらにダメを押せ』

2011/05/20  日本リーダーパワー史(154) 「国 …

no image
百歳学入門(180)★『人類が初めて遭遇する「寝たきり100歳社会」の悪夢〈医学の勝利が国家を亡ぼす』●『富士通 経営者フォーラム 「100歳社会への挑戦~リンダ・グラットン教授を迎えて』★『「平均寿命100歳を超える社会」にどう備えるか』

百歳学入門(180) 富士通 経営者フォーラム 「100歳社会への挑戦~リンダ・ …

no image
<まとめ>勝海舟ー日本史上最大の巨人・西郷隆盛と並び徳川幕府の最期を見事に幕引きした勝海舟はスゴイ!

<まとめ>勝海舟について   日本史上最大の巨人・西郷隆盛と並び徳川幕 …

『リーダーシップの日本近現代史』(332)記事再録★-勝海舟(76歳)の国難突破力―『政治家の秘訣は正心誠意、何事でもすべて知行合一』★『すべて金が土台じゃ、借金をするな、こしらえるな』★『1千兆円(2012の時点)を越える債務をふくらませた政治を一喝、直ぐ取り組めと厳命)

2012/12/04 /日本リーダーパワー史(350)記事再録 ◎明治維新から1 …

no image
『オンライン/最後の海軍大将・井上成美が語る山本五十六のリーダーシップ論』★『2021年は真珠湾攻撃から80年目、米中日本の対立は火を噴くのか!』

    2019/08/04 &nbsp …

no image
速報(24)『日本のメルトダウン』37日目ー『EU,日本からの入港する船舶に放射線量検査を実施へ』

速報(24)『日本のメルトダウン』37日目 ◎『EU、日本から入港する船舶に放射 …

no image
速報(407)『日本のメルトダウン』◎『MAD』な世界の限界を試す北朝鮮』◎『ユーロ圏:深まる南北間の亀裂』

   速報(407)『日本のメルトダウン』   ◎ …

no image
日本リーダーパワー史(123)<辛亥革命百年(25)>犬養木堂と孫文の友情ー国民外交の重要性

日本リーダーパワー史(123) 辛亥革命百年(25)犬養木堂と孫文の友情 <日本 …