日本リーダーパワー史 ⑮ 日本のケネディー王朝・鳩山家4代のルーツ・鳩山和夫の研究②
当時の日本の政治は薩長藩閥官僚政治で凝り固まっており、鳩山のような岡山県の勝山藩出身、東京育ちの人間は大臣にもなれなかったが、「米国でみた2大政党の政権交代がぜひ日本でも必要だ」との信念から、大隈重信らと行動を共にしていた。当時では野党的立場であり、今の民主党とその立場は重なってくる。
(昭和11年6月「東京日日新聞」より)
文部省が認めたのか、藩で偽って届けたのかは不明であるが、ただ一人の少年として入学し、法律科に進んだ。海外留学の議がまとまり十九歳の時、第一期文部省留学生の一人として、法学では小村寿太郎、菊池武夫、斎藤修一郎の諸氏と共に米国に留学し、コロンビァ、エール大学に学んだ。
留学生選抜の試験の時に、あまり熱心に勉強し七晩も不眠不休の努力を続けた結果、完全な歯は一枚もないぐらいに浮いてしまい、留学中の日記にも、何日続けて本を読んだとか、また頭痛に悩まされたとかということが記されている。
日く、人将に勉強せんとする必ず目的とするところ無かるべからず、拠って思ふに今世に生れて為すところあらんとするには須く法律を学ぶを要す、即ち開成学校法科を専門として明治八年六月本科第三級を終りたり。
一に法学といふ時は未だ茫乎として分明ならざる如し。余が研究せんとするものは万国公法にて当時交際の盛なるに嘗て最も必要なるものなり。然るにわが国未だこの最要の学に捗りたるもの少きが故に、洋人を傭うて顧問に備へざるべからず、鳴呼、日本人のはじたるべき事実に非ずや、
故にこの行に際して、余は決然万国公法の薙奥を極むるにあらざれば、また、再び故国に帰らざるの意を固む」と、目的を述べ彼地では国際法を学び帰朝後も大学で国際法を講じたのであった。
法学の知識の外に語学は頗る錬達で、私の大学生時代にも、英語の不可解な場合には屡々父に教えを乞い訳解してもらったのであるが、この両者を実際に生かした例は外交官時代にこれを見るのである。
当時治外法権により外国領事は勝手に犯人を逮捕して本国に送還していたのであるが、直ぐ米国から条約締結承諾の返電が到着したので、父は送られた人相書によって犯人を捕え米国領事に引渡した。その後間もなく犯人引渡し条約が締結されたのであった。
日本の法律に従えば問題はないが外国の法律を日本が遵奉する義務は何もないではないか」という正論を吐いたのでその後かかる抗議は跡を絶つに至った。
また父は出掛けて行って「こういう文書を受けようとは予想もしなかった。私が米国におった時、英国の本が沢山米国で翻刻出版されているので私も多く読んだが、米国で行われているものを日本が真似したからといって、版権侵害になるのは不都合ではないか、この抗議書はそちらにお返ししょう」と弁駁した。
その結果、米国の本を日本で出版しても版権云々の文句をきくことなく、ナショナル・リーダーはずっと使用されることになったのである。
関連記事
-
『リーダーシップの日本近現代史]』(27)-記事再録/野球の神様・川上哲治の『V9常勝の秘訣』とはー「窮して変じ、変じて通ず」(野球の神様・川上哲治の『常勝の秘訣』とは) ①「窮して変じ、変じて通ず」 ②スランプはしめたと思え ③「むだ打ちをなくせ」 ④ダメのダメ、さらにダメを押せ
2011/05/20/ 日本リーダーパワー史( …
-
『5年前の記事を再録して、時代のスピード変化と分析ミスをチェックする』-『2018年「日本の死」を避ける道はあるのかー 日本興亡150年史』(3)<『2050年の世界」で日本は衰退国ワーストワン になるのか!>
★『2018年「日本の死」を避ける道はあるのか ー―日本興亡150年史』③― < …
-
歴代首相NO1は明治維新の立役者・伊藤博文で『歴代宰相では最高の情報発信力があったと英『タイムズ』の追悼文で歴史に残る政治家と絶賛>
2010/11/26 日本リー …
-
日本リーダーパワー史(868)『明治150年記念ー伊藤博文の思い出話(下)ーロンドンに密航して、ロンドン大学教授の家に下宿した。その教授から英国が長州を攻撃する新聞ニュースを教えられ『日本が亡びる』と急きょ、帰国して止めに入った決断と勇気が明治維新を起こした』★『ア―ネスト・サトウと共に奔走する』
イギリスの公使に泣きつく 井上はなんという名だったか …
-
『リーダーシップの日本近現代史』(134)/記事再録★『山県有朋から廃藩置県の相談された西郷隆盛は 一言で了承し、即実行したその日本史上最強のリーダーシップ②』( 下中弥三郎『大西郷正伝第2巻』(平凡社、昭和15年))★『行財政改革を毎回唱えながら、中央省庁再編、道州制、都道府県市町村再合併、財政削減はなぜ進まないか、リーダーシップ不在が続く』
2012/03/26 /日本リーダーパワー史(248) …
-
[『オンライン講座/平櫛田中(107歳)、鈴木大拙(96歳)の教え」★「六十、七十 はなたれ小僧、はなたれ娘、人間盛りは百から、百から」 平櫛田中』★『人間は過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。老人は過去から、未来に生きるスイッチに切り換えなさい」(鈴木大拙)』
2017/11/28&nbs …
-
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ㉝ 』“田中投手神話は終わっている、松坂、ダルビッシュを上回る事はない」(NTYが論評)
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ㉝ 』 ●「 …
-
★『鎌倉釣りバカ人生30年/回想動画記』⑥『こんなに釣れて、困っちゃうわの巻―魚を殺生するな、外道め、大喝!』
2012/05/01   …
-
日本リーダーパワー史(698)日中韓150年史の真実(4)「アジア・日本開国の父」ー福沢諭吉の「日中韓提携」はなぜ「脱亜論」に一転したか」③<日中韓のパーセプションギャップが日清戦争 へとトリガーとなる>
日本リーダーパワー史(698) 日中韓150年史の真実(4)「アジア・日本開国 …