前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(828)(人気記事再録)『明治維新150年』★『3・11直後に書いた日本復活は可能か、日本をチェンジせよー明治維新の志士は20歳の若者たちを見習え、を再録』★『今こそ、「ゲームチェンジャー」(時代を変える若者) こそ出でよ、『日本老害社会をぶち壊せ』●『2025年問題」をご存知ですか? 「人口減少」「プア・ジャパニーズ急増」…』★『2025年問題が深刻過ぎる件』

      2017/06/25

   2011、6,14に書いた< 日本リーダーパワー史(160)>

『3・11<第3の敗戦>からの復活は可能か?ー
日本をチェンジせよー明治維新の志士は20歳の
若者たち』
今こそ、「ゲームチェンジャー」(時代を変える
若者)が立つとき、『日本老害社会を
ぶち壊せ』ー

                      前坂 俊之(ジャーナリスト)
 
21世紀の地球・自然環境の大異変、22世紀には世界人口100億人には達するという人口爆発、グローバルな国際関係の猛スピードのパワーシフトという大転換の中で、船長不在で漂流を続ける日本丸は船底の亀裂から海水が流れ込み、1000兆円の借金で、転覆寸前の状態である。
しかも、3・11核自爆が船内であり、一層の混迷状態が続いているが、船長以下、乗組員のサボタージュは沈没をよそに、より激しくなっており、亡国から『第3の敗戦』不可避な情勢になっている。
徳川幕府の崩壊(明治維新の誕生)→大東亜戦争の敗戦(高度経済成長による経済大国への出発)→3・11『日本メルトダウン』でえあり、その先にこれまであったような明るい未来→21世紀の日本復活?は可能なのだろうか。
残念ながら、3回目の奇跡の復活は諸条件を考えた場合は非常に難しいと思う。なぜか!
① 少子超高齢化社会で、変革を担うべき若者青年が少なすぎる。
② 人口の4人に1人が65歳以上のお年寄りで、老害を社会全体に与えていること。
③ これからの日本は世代間格差、世代間闘争の時代に入る。金も力ももった老害が日本社会の活性化の阻害になる。老害こそ戦犯である。その面で、各界を停滞させた老人、老害は一斉に責任をとって総退陣すべきであろう。
④ また、今の20代、30代の若者、青年そのものにかつての明治維新を興した志士たちの変革パワーや、1945年の敗戦後に、日本の社会、政治を変革した若者のようなエネルギーが感じられない。中東のフェイスブック革命をおこした青年のエネルギーのようなものがないのが残念である。
⑤ その日本の各界に占める大きな老害、制度崩壊とこれをぶち壊す若者のチェンジエネルギー不足が、日本の沈没の原因でもあり、日本の第3の復活の困難さを示している。
⑥ 今回の日本のメルトダウンの原因の1つが教育制度の失敗であり、原発事故、官僚の腐敗体質も『東大・教育の犯罪、失敗』であることは、識者の以前から指摘していたことだが、ああらゆる分野での総懺悔と見直しこそもとめられる。
太平洋戦争での敗戦のように、日本全土が徹底した破壊、殺戮され、最後には2発の原爆が投下されたように目に見える破壊・原爆死ではなく、この3・11放射能長期被曝下という『静かなる戦争、それによる目に見えないガン死』だけに、敗戦を自覚できないことが、決定的な敗戦、亡国になっていくという恐ろしい現実にわれわれは直面している。
⑦ ここでは、明治維新は誰がおこしたのか、志士たち若者のエネルギーと第3の敗戦からの復興のマンパワーを考えてみたい。
 
230年間続いた徳川幕藩体制を打ち破ったエネルギーは明治維新の若い志士
たしかに、明治維新への起爆剤となったのは日本の辺境からのエネルギー、薩摩藩や長州、土佐からの危機意識のあらわれですし、最も大きいのは吉田松陰とその20歳代以下の若き俊英たちの爆発です。
松陰自身が黒船で脱国しようと国禁を犯して、斬首刑になったのは29歳です。松蔭は25歳の時に、松下村塾を主宰し、この時の教え子たち、20歳以下の俊英たちが倒幕の志士として活躍し、明治維新を起こし、半数は倒れ、残りが明治政府のリーダーとなっていますね。松蔭が松下村塾で教えたのはわずか3年ほどなのに、その感化力、革命のエネルギー注入力は驚くべきですね。
いずれも20歳前後の若い志士たちで、明治の驚異ですよ。
門下生の筆頭は明治維新政府で実質、初代宰相となった木戸孝允(44歳没)、奇兵隊を作り長州藩を倒幕に押しやった高杉晋作(27歳で没)を初め、松蔭の精神をもっと色濃く引継いでいた久坂玄瑞(蛤御門の変で24歳で討死)、伊藤博文(14歳で松下村塾に入る)、山県有朋(17歳で松下村塾入門)、吉田稔麿(23歳没)、品川弥二郎、山田顕義、前原一誠らの俊英たちが松蔭の精神で火の玉となって倒幕、維新の革命にまい進したのです。
松蔭が火をつけた尊皇攘夷、倒幕の嵐は燎原の火となって全国に飛び、松蔭の非業の最期によって一層燃え上がり、その遺志をついで高杉、久坂、吉田なども革命の途中で斃れたが、次々にバトンタッチされていったのです。
その点では、明治維新は松蔭率いる少年隊の革命なんですね。
世界の革命の歴史を見ても、革命家の年齢は相当若いと思いますよ。まあ、老人による革命なんてありませんしね。ところが、昨今の風潮をみると、時代的には100年逆戻りしてお犬将軍・綱吉のペットブーム、徳川元禄時代の浮世風呂ならぬスーパー銭湯ブームとにており、老いも若きもどっぷり保守化して、一億総保守化ですから、変われば変わるもの、時代の流れでしょうがね。
明治維新のダイナミズムは志士たちの年齢の若さと、黒船来航以来のアジア各国と同じように侵略されて、
植民地にされるという対外危機意識、それを免れるために積極的に技術、制度を導入して近代化
して対抗しようという知的好奇心、猛烈な学習意欲ですね。
 明治維新時〔1868年〕の関係者の年齢をみると、高齢なのは「維新の三傑」といわれた西郷隆盛は40歳、大久保利通38歳、木戸孝允35歳で、明治天皇は若干16歳です。
この三傑に並ぶのが板垣退助、大隈重信、江藤新平、陸奥宗光、榎本武揚、幕府は勝海舟、福沢諭吉ら、
このあとを継いで、明治政府のリーダーとなった伊藤博文(初代総理大臣)27歳、山縣有朋(首相・(陸軍建設者)30歳、黒田 清隆(2代目首相)28歳、松方正義(首相、財政の父)33歳、西郷従道13歳、西園寺 公望(首相)18歳 山本 権兵衛(首相、海軍の父)16歳
桂 太郎(首相、日露戦争当時の指導者)20歳、児玉源太郎(日露戦争参謀総長)16歳、東郷平八郎(日本海海戦当時の連合艦隊司令長官)20歳、高橋 是清(首相、財政の神様)14歳、陸 奥 宗 光24歳です。その後の日本の企業、産業を興した渋沢栄一(日本資本主義の父)28歳、岩崎 弥太郎(三菱財閥創設者)31歳、中上川 彦次郎(三井財閥中興の祖14歳)、近代では最大のジャーナリスト・徳富蘇峰は5歳といった具合にいずれも若い。
明治4年、岩倉具視43歳、木戸孝充、大久保利通、伊藤博文らを中心としたヨーロッパ、アメリカを1年以上回って「 岩倉欧米使節団 」 の平均年齢は 30歳 ほどです。海外に大きく目を開いたこの使節団の意味は大変大きいものがあ。
一国のリーダーがこんなにたくさん長期間にわたって西欧先進国に派遣して、謙虚に学ぼうとして対外異文化コミュニケーションをやった国はない。これが明治の成功の要因になりましたね。今で言うと、大胆に外資を導入、外国人の優秀な頭脳を招聘して、お雇い外国人として、国際感覚を磨き、世界の中での日本の位置を客観的に学んだのです。
一国の革命、旧体制の破壊、建設、プロジェクト、新体制の完成までの過程には超えなければならぬ階段がいくつもあります。役割分担と、活躍する人物はバトンタッチしながらリレーされていくものですよね。
そうですね。明治の革命が成功した理由は破壊と建設との成就者のバトンタッチが上手くいったことです。
徳川幕藩体制を破壊した強力なの革命家の西郷隆盛は、西南戦争(1877年)で敗北し、49歳で自決してしまいます。廃藩置県など西郷の絶対的な権力なくしてできない旧体制の破壊をやり遂げています。
今の道州制の導入は豪腕でないとできませんよ。明治政府の実権を握った両雄の1人り大久保利通も翌10年、48歳で暗殺されます。木戸孝允も同年に43歳で病死している。
つまり、維新からわずか10年で、維新を達成した大立者3人がそろっていなくなるんですね。破壊者の退場です。これで重石が取れて後輩たちは自由にやれるようになり、明治政府、新体制の建設に取り組んだわけです。
建設の第2段階に入り、伊藤、山県らはしゃにむに国家建設に西欧の近代国家作りを学んで、内閣制度の発足(1885年)に取り組んだんですね。
この世代交代、バトンタッチが大変うまくいったのが、明治維新モデルの成功の秘訣です。戦争を指導し、いずれも海外体験をつんでの自らの非力をさとったリーダーたちが、日本の近代化、改革を血のにじむ思いで考え、実行したのです。
こうして、30年、ひたすら「富国強兵」「殖産振興」でやってきて、国運を賭けた、乾坤一滴の大勝負の日露戦争1904年(明治37年)2月 – 1905年9月)では、明治天皇52歳,伊藤65歳、山縣68歳、 山本 権兵衛54歳、桂太郎58歳、(日露戦争当時の首相)児玉52歳、東郷平八郎56歳、戦費を集めるのに国際金融市場で活躍した高橋 是清50歳です。
革命と戦争の体験の中で、極東の小国の悲哀をなめながら、追いつけ、追い越せ出で鍛え、磨き上げられてきたインテリジェンスと判断力を備えたベテランの指導者、リーダーが適材適所で力を発揮したチームプレーによって奇跡的な勝利をえたのです。当時の覇権国・イギリスからの日英同盟というバックアップが、何よりもつよい味方となったのですよ。
これが太平洋戦争の敗戦時にはどうなったのか、開戦に引きずり込まれ、ストップできなかったリーダーの東条英機をはじめ戦争を指導した人間は大体50歳歳代ですよ。
明治のリーダーとくらべても、ごりごりの視野の狭い軍人たちで対中認識、対米知識の不足、国際的な視野や知識が決定的に欠如しています。中国に対する根拠なきおごり、米国に対してもその力の差を認識することなく、大和魂の精神主義1本槍となっていた。経験不足ですね。
現場で暴走したのは下剋上によって若手の陸軍軍人、将校たちです。これを甘やかして暴れ馬にしたのは無能は老害とかした大将たちで、明治の指導者の見識、判断力、若手の暴走を一括するリーダーシップは持ち合わせていなかったのが、自滅につながったのです。軍神となった東郷平八郎、海軍の最長老の東郷の艦隊決戦主義のご判断は、正しく老害となって、日露戦争の日本海海戦の大勝利を帳消しにしたんですね。歴史の因果と、年齢の関係、歴史の不思議をかんじます。
日本人の革新力、イノベ-ションを考える場合に、西欧の市民革命ではなく、日本型の革命である明治維新を達成した志士たちの年齢を見る必要があるよね。

ゲームチェンジャー(時代を変える若者)こそ出でよ、日本老害社会をぶち壊せー

堀江貴文氏のゲームチェンジャー論「世界を変える人に共通点はない。ただダメなケースは決まってる」

http://type.jp/et/feature/239

—————————————————————

2025年問題」をご存知ですか? 「人口減少」「プア・ジャパニーズ急増」…

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48254

 

DSPC – 2025年問題とは?図とグラフで見る高齢者人口・認知症・介護

http://dspc2007.com/2025.html

 

2025年問題が深刻過ぎる件

https://matome.naver.jp/odai/2147446020779398801

間もなく直面する「2025年問題」を考える (1/4)

 http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1702/09/news035.html

 

日本人の大半が気づいてない財政危機の火種

17年度予算の中身と意味を知っていますか

http://toyokeizai.net/articles/-/166068

 

やっぱりマイナス金利は「毒薬」だった

日銀は「敗戦の教訓」から学んでいない

http://toyokeizai.net/articles/-/163630

 

「庶民ほど税に苦しむ」異常な国、日本の現実

富裕層は「抜け穴」で恩恵を受けまくる

http://toyokeizai.net/articles/-/165349

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑪『英ノース・チャイナ・ヘラルド』/『日露開戦半年前ーさし迫る戦争 それを知る者より』●『日本の忍耐が限界に近づいていることは.1度ならず指摘している。満州撤兵の約束をロシアに守らせるというのは,イギリスやアメリカにとっては元のとれる仕事かどうかの問題に過ぎないが,日本にとっては死活問題なのだ。

 『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑪ 1903(明治36)年7 …

no image
『世界サッカー戦国史』①ー『W杯ロシア大会と日露戦争(1904)の戦略を比較する。西野監督は名将か、凡将か➀ 

  『世界サッカー戦国史』① W杯ロシア大会2018と日露戦争(190 …

no image
日本リーダーパワー史(121)日露戦争勝因のロスチャイルド秘話=怪傑・秋山定輔のインテリジェンスはスゴイ

日本リーダーパワー史(121)日露戦争勝因の秘話=怪傑・秋山定輔のインテリジェン …

no image
『オンライン/世界戦争講座①』★ 『なぜ広島に原爆は落とされたのか』★『空爆は戦略爆撃→無差別爆撃→原爆投下→劣化ウラン弾→クラスター爆弾へと発展する』

●『空爆→戦略爆撃→無差別爆撃→原爆投下→劣化ウラン弾、クラスター爆弾へと発展す …

no image
日本リーダーパワー史(836)(人気記事再録)『明治維新150年』★『日露戦争勝利の秘密、ルーズベルト米大統領をいかに説得したかー 金子堅太郎の最強のインテジェンス(intelligence )⑧』★『ル大統領、講和に乗りだすーサハリン(樺太)を取れ』●『外交の極致―ル大統領の私邸に招かれ、親友づきあい ーオイスターベイの私宅は草ぼうぼうの山』 ★『大統領にトイレを案内してもらった初の日本人!』

<日本最強の外交官・金子堅太郎⑧>  ―「坂の上の雲の真実」ー 『外交の極致―ル …

世界が尊敬した日本人◎「日本らしさを伝える<小津スタイル>-世界の映画ベストワン「東京物語」に輝いた小津安二郎監督「なんでもないことは<流行>に従う。重大なことは<道徳>に従う。芸術家は<自分>に従う」­(小津の信条)

  2023年12月12日は、日本映画の巨匠・小津安二郎監督の没後60 …

no image
★5<まとめ記事再録>『歴史の復習/戦争報道の研究』/『世界史の中の日露戦争』-『英タイムズ』,『米ニューヨーク・タイムズ』など海外紙はどう報道したか②(連載21回―34回)』★『緊迫化する米/北朝鮮の軍事的衝突はあるのか、日露戦争勃発直前の英米紙の報道と比較しながら検証する②』

★5<まとめ記事再録>『歴史の復習、 戦争報道の研究問題』/ 『世界史の中の日露 …

日本リーダーパワー史(554)「日露戦争の戦略情報開祖」福島安正中佐④副島種臣外務卿が李鴻章を籠絡し前代未聞の清国皇帝の使臣謁見の儀を成功させたその秘策!

 日本リーダーパワー史(554) 「日露戦争での戦略情報の開祖」福島安正中佐④ …

no image
『各国新聞からみた日中韓150年対立史⑦』●『朝鮮は中国の属国であり、一朝事あると中国が朝鮮を助ける』(『申報』)

 『各国新聞からみた東アジア日中韓150年対立史⑦』   & …

no image
『昭和史キーワード』浜口雄幸内閣のロンドン海軍軍縮条約批准【1930年)に対して、海軍艦隊派が猛反対し統帥権干犯問題を起こし、軍部の政治介入を招き、 政党政治に終止符をうち、軍部専制を許す引き金となった。

『昭和史キーワード』 浜口雄幸内閣のロンドン海軍軍縮条約の批准 に対して、海軍艦 …