『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ㉘』レッドソックスの神業マネージメント!昨年の大不祥の後遺症を猛スピードで解決した
<レッドソックスの神業マネージメント!エキサイティング>
◎「オルティーズと上原、田沢の活躍ばかりが目立つが、バレンタイン
前監督の昨年の大不祥の後遺症を猛スピードで解決した神業マネジ
メントこそ奇跡の優勝の原動力」
●『2013/10/31』<ニューヨーク・タイムズ>by TYLER KEPNER
“ Farrell Brought Consistency to a Franchise in Chaos
『ファレルは、混乱の極みにあった地元チームに一貫性のある調和を
もたらした』
「F氏からのメール」
上原の大活躍で終わりましたレッドソックス優勝、新人監督のファレルとGMのチェリントンの大車輪の活躍がテーマです。オルティーズと上原、田沢の活躍ばかりが目立ちま
すが、バレンタイン前監督の昨年の大不祥事を考慮しますと、選手個々の野球人意識を早期に正常化させ、チームをハイレベルな戦闘集団に変貌させたこと、など後遺症を猛スピードで解決したマネジメントサイドの神業は脱帽です。
私はボストンは10回くらい出張していますが、どういう訳か、晩秋、初冬が多く、フェンウエイパークは実戦を見ておりません。ボストン美術館と、小沢のボストン交響楽団が休日、アフターファイブの楽しみでした。
昼日中、気温が簡単にマイナス20〜30度Cになり、慌ててエスキモーの様な装束を買った覚えがあります。
全米有数の学園都市、インテリ集団のボストンに、荒くれ男の集団、レッドソックスがあることが不釣り合いで、それが何とも言えない魅力と感じています。
「 F氏のコメント 」
1) 今年のMLB、ワールドシリーズでボストン・レッドソックスが優勝することを事前に予想出来た者は果たして何人いたであろうか?筆者は、この優勝は奇跡としか言いようがないと考えている。奇跡を起こした原動力は、新任のジョン・ファレル監督とベン・チェリントン・ゼネラルマネジャーのコンビである。
2)2011/12、ボビー・バレンタインがテリー・フランコーナの後任となっ
て以後、ユーキリスとの確執を始めとして監督と選手達との一年に及ぶ信
じられないバトル、そしてチームワークの崩壊は、周知の様に世界の野球
ファンを震撼させた。デービッド・オルティーズは「バレンタインは精神的に
問題があるか、薬か何かが必要な人間だ」と発言する始末であった。
当然、2012 年のチーム成績は、20年振りの地区最下位、
球団47年振りの(69勝)92敗と、目を覆う様な惨状で終
わった。(因に、発足初年度の日本の楽天球団は38勝97敗で
あった)
2012/10/4のバレンタインの解任報道の後、2012
/10/20にファレルの新監督就任が決まった。
3)本件、NYTの報道は、バレンタイン監督の残した途轍もない負
の遺産―選手達の監督、GM、球団経営陣への根深い不信感、
ユーキリス、ベケット等のアンチ・バレンタインの大物スタ—選
手達の大量トレード、選手達が本職の野球に専念しなくなって
しまった事など ― をファレル監督が正面から引き受け、こ
れの解決に当たった様子を、詳細に語っている。
4)レッドソックスの歴史に参画した経験があり、主力現役選手と
の信頼関係もあるファレルの選任、巨額の大量トレードの後の
大量補強、コーチ陣の総入れ替え等、猛烈なスピードで経営陣、
フロント、コーチ、選手の補強を進め、シーズンに入って、試
合をしながら内外の体制を整備し、チームの勝率を上げて行っ
た、ファレル監督とチェリントンGMの指導力は球史に残る偉
業ではないか? 前年度はアリーグで最下位、今年度はワール
ドシリーズのチャンピオンである。
2013/10/31 NYT by TYLER KEPNER
“ Farrell Brought Consistency to a Franchise in Chaos ”
“ファレルは、混乱の極みにあった地元チームに,一貫性のある
調和をもたらした。”
ボストン ― 一年前、ボストン・レッドソックスはフェンウェイパークの球場をハロウィーンのお祭りに解放した。子供達は、ハロウイーンの衣装で、外野のウォ―ニングトラック(警告帯)に沿ってパレードして回った。顔を顔料で塗りたくったり、魔法使い達や風船使い達がいる。ウィル・ミドルブルックスやリッチ・ゲッドマン、そしてレッドソックスのマスコット、ウォーリー・ザ・グリーンモンスターがファンの皆さんを迎えた。
この10/31、木曜日の早朝、フェンウェイパークは再び開場した。ワールドシリーズのファイナルを終えた表彰式で、暫くの間、低く棚引く靄がフィールドを覆い、それは薄気味悪い、秋の夜中の墓地から流れ出る霧の様であった。それは悪魔払いの儀式にそっくりであった。
“トロフィーの贈呈の際、遥か向こうの方で花火が上がり、球場が煙で充満した時、完全に超現実的であった。”とジョン・ファレル監督は言う。“今、チャンピオンと言うこの地位にあって、一年前の今日を振り返り、我々がどんな状況から戻ってきたかを考えると、この13ヶ月間には、実に沢山の事が起きた。”
おとぎ話の様な今シーズンの中で、レッドソックスは、2011/9月から2012/9を通じての恐ろしい出来事が、実際にはこの10年間,常に優勢な力を保ってきた中では、一時のほんの些細な事に過ぎない事を証明した。二人のマネージャーと一人のGMを手放し、プレイオフにも残れず、アメリカンリーグ東部地区の最後の試合では大破した。ところが、今では彼等、レッドソックスはこの10年、10シーズンの中で、3つ目の優勝を手にしている。
“ 組織には大勢の人達がいる、選手達が居るのは勿論だが、その他の人達 ― オーナー、フロントオフィスの人達 ー もタフな時間を経験してきた、”とシリーズ6戦目の勝利の後、フィールドでGMのベン・チェリントンが言った。“我々は厳しい視線を浴び、批判もされた、しかしグループ全体が、その様な経験をし、今晩この様な大変幸せな日を楽しめることは、私としては非常に嬉しい。”
ファレルはその様な厳しい渦中には居なかった。彼は監督としての最初の経験は、ブルージェイズに居て活気のない2年間のシーズン(154勝170敗)を送り、トロントで彼自身の葛藤に耐えていた(2010年10月〜2012年10月)。
それでも尚、レッドソックスは、ここでの経歴が全く無いボビー・バレンタインの下で崩壊してしまったチームに呼び戻す為に、ファレルを必死で説得した。彼は了解した(2012年10月)。ファレルは、テリー・フランコーナ監督の下で2007から2010年までピッチングコーチを勤め、その前は2001年から2006年迄クリーブランド・インディアンスの選手育成部長であった。
これらの仕事は、且つてはメジャーリーグの投手を努めたその経歴と併せて、ファレルをいつも目立って世間の注目を浴びる球団に特別に相応しいものにした。その球団は、フロントの強い信念があり、投手陣が安定を渇望していた。レッドソックスは、ブルージェイズとの間でまだ一年の契約を残しているファレルを獲得する為に、内野手のマイク・アビルをトロントにトレードした。
“ 驚くべき成果で、Aプラスの評価だ 、”と球団社長のラリー・ルッキーノがファレルについて語った。“彼はGMのベン・チェリントンと、行動的、且つ生産的な協力体制を築き、ベースボールチームの経営でも同様であった。それは実に実際的な連携で、他の分野でも教訓になるほどであった。”
●<『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ㉗』●『私の見た聴いた
<グローバル・ベスト・ジャパニーズ・小澤征爾論>NYTの報道と共に
http://maesaka-toshiyuki.com/top/detail/2243
<F国際ビジネスマンの発言―バックナンバー>
関連記事
-
●<記事再録>巨大地震とリーダーシップ②3・11から5年目に熊本地震発生―危機突破の歴史リーダーシップに学ぶ②関東大震災と犬丸徹三(帝国ホテル創業者)
(記事再録)2011/04/03 日本リーダーパワー史(136) 帝国ホテ …
-
『オンライン講座/さらばトランプ政権4年間の暴走・犯罪・没落を回顧する』★『読書カフェ動画『世界で最も危険な男ー「トランプ家の暗部」を姪が告発ー』(メアリー・トランプ著)、三室勇さんの動画解説』★『歴史上、重大な役割を演じてきたのは妄想家、幻覚者、精神病者である。瞬時にして権力の絶頂に登りつめた神経症患者や偏執狂者たちは登りついたスピードと同じ速度で没落した』(「現代史を支配する病人たち」(新潮社、1978年刊)
大阪自由大学講座 ★『読書カフェ動画『世界で最も危険な男ー「トランプ家の暗部」を …
-
日本メルトダウン脱出法(846) 『習近平が振り回す「絶対権力」の危うさ』●『シャープ買収を目指す鴻海の異才・郭台銘は「炎上王」だった』●『注目される積極財政論、日本が抱える格下げリスク』●『「軍事のツボ】–北朝鮮の核とTHAAD』
日本メルトダウン脱出法(846) 習近平が振り回す「絶対権力」の …
-
『リーダーシップの日本近現代史』(252)/★『敗戦直後の1946年に「敗因を衝くー軍閥専横の実相』で陸軍の内幕を暴露し東京裁判で検事側の 証人に立った陸軍反逆児・田中隆吉の証言➂『「米軍の本土空襲はあり得ない、疎開は卑法者の行為」と主張した東條首相』★『AI(人口頭脳),IoT,ロボット,5G、デジタル社会にシフトできなければ<ガラパゴスジャパン>は沈没あるのみ』
2015/05/23 /終戦70年・日本 …
-
明治史の復習問題/日本リーダーパワー史(459)「敬天愛人ー民主的革命家としての「西郷隆盛」論ー中野正剛(「戦時宰相論」の講演録①②③④⑤『明治維新で戦争なき革命を実現した南洲、海舟のウルトラリーダーシップ』★『西南戦争では1万5千中、9千人の子弟が枕を並べて殉死した天下の壮観』
2014年1月15日 日本リーダーパワー …
-
速報『日本のメルトダウン』(3・11)を食い止めるぞ、11日目ーガンバレ・日本!⑤
速報『日本のメルトダウン』(3・11)を食い止めるぞ、11日目⑤ …
-
★5日本リーダーパワー史(778)『アジア近現代史復習問題』 小村寿太郎のインテリジェンス②ー『なぜ、日清戦争は起きたのか』●『朝鮮は日本の生命線、今ならまだ北からのロシアの侵略が朝鮮半島に伸びておらず、イギリスの南からの魔手もまだだ、問題は清国でその屋台骨は腐朽しており、将来のアジア人のアジア繁栄のためには、日清が堅く提携せねばならぬが、清国がこんなに脆弱では困る。速やかに目覚めさせる必要がある』
★5日本リーダーパワー史(778)ー 『アジア近現代史復習問題』 小村寿太郎のイ …
-
速報(284) ●『使用済み核燃料の再処理コスト「おカネの計算もいずれにしてもインチキ」 小出裕章(MBS)』ほか計5本
速報(284)『日本のメルトダウン』 ●『使用済み核燃 …
-
日中リーダーパワー史(932)-『軍事論、軍事研究のない国は亡びる」★『現在の米中貿易戦争、北朝鮮との紛争は130年前の日清戦争への経過と同じパターン』★『平和とは次期戦略情報戦の開始である(福島安正)』
日中リーダーパワー史(932)- 米中貿易戦争が激化し、米朝会談で …