前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『2014世界各国/最新ミステリー、面白ニュース②』「インドの奇跡―カースト制度」★「カレーはインドには存在しない」

   

 2014世界各国/最新ミステリー、サプライズ、面白ニュース②』

 

インドの摩訶不思議―2大ミステリーとは?

●「インドの奇跡―カースト制度と「多様性の中での統一」

★「カレーはインドには存在しない」ーカレーとスパイス

 

 

前坂 俊之

(静岡県立大学国際関係学名誉教授)

 

 

インドの奇跡―カースト制度と「多様性の中での統一

 

 

インドの人口は約12億人、宗教はヒンドゥー教徒が80%である。そのヒンドゥー教には古代から続く、きびしい掟のカーストの階級制度(ヴァルナ)があり社会を分断している。

カーストはバラモン(僧侶、司祭)、クシャトリヤ(王族、貴族、武士)、ヴァイシャ(職人と商人、平民)、シュードラ(下位カースト、農民、奴隷で一般から忌避する職業しか就くことしか出来ない)の4階層区分されている

そのシュードラはバラモンに対しては影にすら触れることを許されないという封建的な身分制度が厳然と生きている。さらにその下に「不可触民」(アンタッチャブル、インドでは「ダーリット」というが存在、他のカーストが引き受けたがらない「不浄な」仕事しかつけない。

その「不可触民」人口は16%で18000万人。基本的にはカースト間の移動は認められておらず、カーストは親から子へと受け継がれる。結婚も同じカースト内に限定されている。「不可触民」の割合は地域によってばらつきがあるが、ガンディーの指導によって1950年に制定された憲法でカーストは全面禁止が明記されたが、今もインド社会に深く根付いている。

こうしたカースト差別は厳然とあるものの、世界各地で、民族、言語、宗教などによる国内紛争、テロが続発している中で、言語の違う民族が1683もあるといわれる「超モザイク国家」インドで分離独立運動はほとんど見られず、60年以上前から「多様性における統一」がゆるがないのは多神教として他者を排除しないヒンドゥー教の影響と民主主義議会制度の定着、イギリス植民地の遺産とみられて、「差別と共存」「インドの奇跡」「インドのパラドックス」といわれている。

 

「カレーはインドには存在しない」ーカレーとスパイス

 

「カレーはインドには存在しない」―というと人は驚くかもしれないが、現在、カレーと呼ばれるものはインドの宗主国・イギリスがもたらしたもの。

 

カレー粉はインドのどこの店にも売られておらず、だれもそれがなにかも知らない。

 

インドの肉や野菜を香辛料のソースで煮込んだものをひとまとめにして、外国人は「カレー」と呼ぶが、南インドのタミル語やカンナダ語で「スープの具」を意味する「カリ」が,料理の名前としてポルトガル語を経由でして英語に入りやがて世界中に広まったというのが通説である。

 

インドの熱帯性気候と風土に適したスパイスは世界中で最も多くの種類がとれる。特にマドラスを中心とするマラバール地方はペパー類の大生産地で、胡椒海岸と呼ばれ、ローマ時代から大量のペパーがヨーロッパに輸出され、当時は金と等価で取引されていたほど。

 

1年中暑いインドの南部では、暑さで衰えがちな食欲を奮い立たせるために、多種類のペパーが大量に使われ、水牛の油とともにインド料理の特徴を作る。

 

シナモン、ナツメグ、ジンジャー、ブラックペパーなど1030種前後のスパイスを、水を加えながら摺りつぶして混ぜた汁(カリ)を作る。

これに肉、野菜、魚などなんでも煮込んで食べるのがインドのカリである。この作りかたは、家庭によってひとつひとつ異なり、先祖代々引き継がれてきたもの。それぞれに地方ごとの個別の名前がある。

 - 現代史研究 , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

世界を変えた大谷翔平「三刀流(投打走)物語➄」★『米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に大谷選手が選ばれた』★『「大谷がヤンキースに入団すればビートルズがニューヨークに来るようなものだ。スターはブロードウェイで最も輝く。才能にあふれ、ルックスがよく、カリスマ性のある大谷はニューヨークにふさわしい」(ニューズウイーク)』

世界を変えた大谷翔平「三刀流」 前坂 俊之(ジャーナリスト) 2021年は世界も …

no image
 『F国際ビジネスマンのワールド・ビジネス・ウオッチ(198)ー『なぜ日本では起業家が育たないのか? 英米メディアの指摘する問題点とは』●『中国のEV市場が驚くほど急拡大した理由–日本はEV冷遇国?支援策で先行する中国』●『会社の未来をつくる「ネットワークの築き方」』★『トランプ大統領のシリコンバレーに対する意味―ニュースの大部分は暗い』★『  日本の科学研究、知られざる深刻な地盤沈下の実態…論文の被引用数の圧倒的少なさ』◎『「動画戦略なきパブリッシャーは生き残れない」:シェアスルー プレジデントの警告』

 『F国際ビジネスマンのワールド・ビジネス・ウオッチ(198)   な …

no image
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < チャイナ・メルトダウン(1057)>『劉暁波弾圧/獄死事件と、約120年前に日清戦争の原因となった「上海に連れ出して殺害した国事犯・金玉均暗殺事件」を比較する』★『中国・北朝鮮には<古代中華思想>による罪九等に及ぶ族誅(ぞくちゅう)刑罰観が未だに続いている』

★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < チャイナ・メルトダウン(1057) …

no image
速報(439)『日本のメルトダウン』●『データでみるアベノミクス効果』◎『中国の資金逼迫:リーマンショックとは違うが』

   速報(439)『日本のメルトダウン』 &nb …

no image
日中北朝鮮150年戦争史(30)『ノース・チャイナ・ヘラルド』(1886(明治19)年9月10日) 『壬午事変・甲申事変と軍拡―朝鮮の中国代表・袁世凱の政治介入の横暴』

日中北朝鮮150年戦争史(30)   『ノース・チャイナ・ヘラルド』( …

no image
『オンライン/新型コロナパンデミックの研究』ー『感染症を克服した明治のリーダーたち②』★『後藤新平と台湾統治と中国のねじれにねじれた100年関係』(5月15日)

後藤新平と台湾と中国                    前坂 俊之(ジャーナ …

no image
日中韓近代史の復習問題/『現在の米中・米朝・日韓の対立のルーツ』★『よくわかる日中韓150年戦争史ー「約120年前の日清戦争の原因の1つとなった東学党の乱についての現地レポート』(イザベラ・バード著「朝鮮紀行」)★『北朝鮮の人権弾圧腐敗、ならずもの国家はかわらず』

  よくわかる日中韓150年戦争史ー「約120年前の日清戦争の原因の1 …

no image
昭和外交史④  日本の一番長い日  陸軍省・参謀本部の最期

1 昭和外交史④  日本の一番長い日  陸軍省・参謀本部の最期 <阿南陸相の徹底 …

no image
速報(162)『日本のメルトダウン』ー『日本の温泉の魅力を脅かす中国の温泉ブーム 』『日中民間外交―知るほどに募る互いへの不安』

速報(162)『日本のメルトダウン』   ◎『日本の温泉の魅力を脅かす …

『Z世代のための日本最高のリーダーシップ・西郷隆盛論⑦』★『日本史上最大の行政改革(廃藩置県)を山県有朋が恐る恐る相談すると、西郷は言下に「至極、結構なこと」と了解し、即・断固実行した最強のリーダーパワー』★『徳富蘇峰『近世日本国民史』(明治の三傑)の証言』

2012-03-24 /日本リーダーパワー史(246)記事再録   & …