前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『オンライン講座/ウクライナ戦争と安倍外交失敗の研究②』 ★『プーチン大統領と12/15に山口県で首脳会談開催。長州閥は外交には弱く、伊藤、山県とも『恐露病患者』で日露戦争で外交失敗、松岡洋右外相も大失敗の連続①』

   

日本リーダーパワー史(737)記事再録

前坂 俊之(ジャーナリスト)

日露戦争で外交失敗、松岡洋右外相も大失敗の連続①

 
安倍晋三首相とプーチン大統領は12月15日に首相の地元・山口県で首脳会談を開くことで合意した。日露平和条約の行方はどうなるのか,注目されるが不安も大きい。日露外交史は日本の失敗外交の歴史であり、というよりもロシア外交に負けっぱなしの歴史なのである。
太平洋戦争前に日ソ中立条約(1941年)を締結したのは松岡洋右外相であり、安倍首相とは親類関係にある。ソ連は昭和20年の終戦前のは8月8日に突如、ポツダム宣言への参加を表明した上で日本に宣戦布告し事実上、日ソ中立条約を破棄した。9日午前零時から戦闘を開始し南樺太、千島列島、満州国、朝鮮半島北部へ侵攻したのである。。
成果は期待できるのか、日ロ首脳会談?
http://blogos.com/article/144611/
北方領土の色丹と歯舞諸島は1956年の日ソ共同宣言で平和条約締結後、日本に返還するとし、その宣言の有効性は2001年のイルクーツク声明で確認されている。
ところが今では返還するはずの色丹でもインフラ整備が始まっており、ロシア側はクリミアと同様、戦略的地域の返還の余地はまずない。
ところが、ロシアは日本からの資金がノドから手が出るほど欲しく、ロシア流の一計を案じて『島の住民もロシア軍も置いたままの2島返還して、日露で共同管理をする案・・』との奇怪な情報が流れている。
まさかこんな子供だましの案にのるほど安倍日本外交は馬鹿ではあるまいと思っていると、果たして日本側はそうではないというような話が漏れてくるので、魑魅魍魎である。
 
この会談は安倍外交の対中国、北朝鮮外交の行きづまりを何とか打開するために、ロシアに相当の経済協力の姿勢をみせることで平和条約締結に一歩踏み出したいとの狙いからだ。
しかし、日本外交の歴史はいつも、日本側の思い込み、一方的な希望的観測から交渉を始めて、条約、共同声明にこぎつけても、最終的に失敗外交に終わるケースが多い。
今回も安倍首相はプーチン大統領と十数回あったという個人的な親近感から「親密な2人ではないとこの平和条約は解決できない」という一方的な思い込みから発しており、12月に地元山口にプーチンを招待して、さしでの『秘密外交』展開しようとしている。
ここでは日ロ外交失敗の150年の歴史をさかのぼってみたい。
そもそも北方領土は幕末に徳川幕府の外交無知によってロシアに奪い取られたものである。
明治維新以後の薩長藩閥政権では、伊藤博文、山県有朋、井上馨ら長州閥(山口閥)が政治、軍事、外交の主導権を握り、朝鮮をめぐる領土紛争で、日本、清国、朝鮮間で対立、紛争がエスカレートして(現在の中国、北朝鮮との紛争とまるで同じ)、ついに明治27年8月に伊藤博文内閣当時に日清戦争が起こる。
 
これに勝利し、翌28年に下関講和条約が山口県下関で締結されたが、その直後に、ロシア、ドイツ、フランスの武力恫喝外交『三国干渉』によって、泣く泣く手に入れた遼東半島を清国に返還した。
ところが、火事場大泥棒の主犯・ロシアは早速、遼東半島の不凍港の旅順を手に入れるべく、時の清国首相・李鴻章に300万ルーブルの巨額ワイロを送り、『清露密約』を秘密裏にかわして、日本を第一敵国とする同盟を結んだ。日本側は全くこのことに気づかず、手をこまねいている間に、ロシアは傍若無人に旅順、大連を次々に租借地(植民地)にし、満州国内にシベリア鉄道を延長し、旅順、ウラジオストックまで結んで、満州全体を支配した。
さらに、朝鮮の海岸部にまで植民地を拡大しようとして、ついに日本側が堪忍袋の緒を切ったというのが日露戦争の原因なのである。この歴史的な経緯を忘れてはならないし、日露戦争は伊藤、山県、井上の失敗外交のつけである。

 

長州閥は外交には弱く、伊藤、山県とも『恐露病患者』であった。この連載の中で

日中北朝鮮150年戦争史(35)★歴史の復習問題ー日清戦争『三国干渉』後に、 ロシアは『露清密約』(李鴻章の巨額ワイロ事件)を結び遼東半島を入手、シベリア鉄道を 建設して居座り、日露戦争の原因となった。

http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/19738.html

 

で一部に書いたが、ロシア皇帝ニコライの戴冠式での『山県・ロマノフ会談』の失敗外交が続いた。

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本の最先端技術「見える化」チャンネル★『奥田正行/イタリア料理スーパーシェフが世界を変えるパスタゆで方と鍋のふり方」の秘伝一挙全公開(40分間)「厨房設備機器展2019」のマルゼンブースでのスーパースチームでの実演デモはスゴイよ!

    『厨房設備機器展2019(2/20、東京ビ …

no image
日本風狂人伝(44)ジョークの天才奇才(2)内田百閒のユーモアとは・・『百閒(ヒャッケン)とはシャッキン(借金)』

日本風狂人伝(44)   ジョークの天才奇才(2)内田百閒のユーモア …

no image
日本敗戦史(50)マスコミ人のA級戦犯指定の徳富蘇峰が語る 『なぜ日本は敗れたのか』②リーダー不足と力量不足

  日本敗戦史(50) マスコミ人のA級戦犯指定の徳富蘇峰が語る 『な …

no image
『日中韓500年/オンライン世界史講義②』★『世界的権威ベルツの日韓衝突の背景、歴史が一番よくわかる教科書』★『明治天皇のドイツ人主治医・ベルツ(滞日30年)の『朝鮮が日本に併合されるまでの最後の五十年間の経緯』

    2019/08/15 &nbsp …

片野勧の衝撃レポート(83) 原発と国家―封印された核の真実⑭三谷太一郎 (政治学者、文化勲章受章者)の証言②『主権国家中心の現在の「国際社会」ではなく、 主権国家以外のさまざまな社会集団も加えた 多元的な「国際社会」を再構築することが必要だ」。

 片野勧の衝撃レポート(83) 原発と国家― 封印された核の真実⑭(1997~2 …

★人気動画記事再録―『文豪菊池寛と直木三十五の友情物語』●『直木三十五-「芸術は短く、貧乏は長し」と詠んで『直木賞』に名を残す』★『 菊池寛・文壇の大御所を生んだのは盗まれたマント事件』

お笑い日本文学史『文芸春秋編」① ●直木三十五-「芸術は短く、貧乏は長し」 と詠 …

no image
『観光立国・日本』ー『2020年には外国人旅行者4000万人、その消費額8兆円の目標に一歩近づいた』★『日本観光のメリットは『世界一の多様性に富んだ自然環境(デービッド・アトキンソン氏)』●『観光の語源とは「国の光を観る」こと』★『伊藤博文は100年前に日本の地理学的、自然的な特徴から世界的な観光地になれる『観光立国論』を提言』

    観光とは「国の光を観ること           今年は国際観光年に当たり …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(190)記事再録/『忘れられたユーモアある哲人政治家・田淵豊吉―太平洋戦争中に東條英機首相を批判した反骨でならし『世間では仙人と呼んでいるが、わしはカスミの代りに飯を食い酒も飲む、だから半仙人とでもしておこうか、と大笑い』

  2010年9月7日日本リーダーパワー史(92)記事再録 &nbsp …

no image
世界で活躍したすげー女性史(14)日本風狂人伝(24)「ジャポニズム」の先駆者・松旭斎天勝―世界公演で大成功の「マジック女王」

    2009/10/28 &nbsp …

no image
速報(303)★『福島の明日を考えるためー島田興生・水爆の島マーシャルはいま』(動画)ほか小出裕章情報』

速報(303)『日本のメルトダウン』   ●『核燃サイクル原案:秘密会 …