「オンライン・日本史決定的瞬間講座➂」★「日本史最大の国難をわずか4ヵ月で解決した救国のスーパートップリーダーは一体誰でしょうか?」★『インテリジェンス+大度量+長寿決断突破力=超リーダーシップを発揮』
2021/09/29
-
米ルーズヴエルト大統領(68)死去に丁重なる追悼文をささげた。
鈴木首相の就任1週間後の4月14日に米ルーズヴエルト大統領(68)が突然、死去しました。これに対して敗北寸前のドイツの新聞は一斉に「戦争を仕掛けてきた張本人」と悪しざまに攻撃し、ヒトラーは「運命が史上最大の戦争犯罪人、ルーズヴェルトを地上から取り除いたこの時点で、戦争は決定的な転機を迎えるだろう」と述べた。
これに対して鈴木首相は、大統領の人身攻撃は一切せず、戦時の同大統領の不屈の闘志をたたえる追悼文を同盟通信から発信しました。この鈴木談話は日本の新聞には載っていませんが、「ニューヨーク・タイムズ」(4月15日付け)が大きく報道した。
「日本の同盟通信社の報道によると、ルーズヴェルト大統領の指導力は実に効果的だったので、米国の優勢な地位をもたらしたことを私は認める。彼の死去が米国民に大きな損失であることもよく理解できるので哀悼の意を表する。しかし、同氏の死去で日本に対する戦争努力に変化するとは考えていない。日本の英米の武力政策と世界支配に対する戦争継続の決意にはいささかの動揺もない」。
もう1人、この鈴木発言に驚いた人物がいました。ヒトラー政権が誕生した1933(昭和8)年に米国へ亡命した世界的作家のトーマス・マン(1929年ノーベル文学賞受賞)です。トーマス・マンはBBCラジオで米国から亡命通信放送していましたが、ル大統領死去について、鈴木首相が故人を偉大な指導者と呼び、米国民に哀悼の意を表明したことに大変驚き、「ドイツと違って日本人には、騎士道精神と人間の品位、死者への畏敬の念がまだ存在する」と絶賛しています。
- 鈴木首相とグルー米国務省次官のパイプが復活
一方、米戦争情報局(OCI)のザカライアス次長(大佐)はこの鈴木の追悼発言を歓迎したことを自らのプロパガンダ放送で伝え、ここに親日派のグルー米大使(当時は国務省次官)らのメンバーとのコミュニケーションがつながり、両国で一体となって終戦工作と国体護持に協力するようになっていった。
すでに、帰国船で帰っていたグルー米大使は44年12月に国務次官に就任しており、過去10年にわたる日本大使の経験を通じて、日本の天皇制の特殊性を十分理解し、日本陸軍の満州事変以降の満州国建国などの軍拡暴走主義は日米戦争に発展する可能性が大きいことを予測し、最終的には日米戦争に破滅するまで止まらないと、「グルー日記」書いているほどのインテリジェンス(先見性)のある外交官でした。
日本では幅広い人脈と親米派を築いており、和平派の昭和天皇との交友や、その取り巻きの海軍の斎藤実、鈴木貫太郎、松平恒雄(宮内大臣)、広田弘毅(首相)、幣原喜重郎(首相)、吉田茂、牧野伸顕(外相、内大臣、吉田の義父)、樺山愛輔(伯爵、日米協会会長、白洲正子の父)らと交友を深めて情報交換していた親日派のトップです。
2・26事件から10年後、奇跡的にトップに立った鈴木首相とグルー米国務次官のパイプが復活、鈴木首相の発した丁重なルーズベルトへの追悼発言は、グルーに対しての和平、終戦のメッセージ、シグナルを発したもので彼のインテリジェンスの高さを示しています。
一九四五年二月、クリミヤ半島のヤルタで米英ソ首脳会談があり、日本の戦後処理も議題になりました。この時、グルー次官は、海軍のニミッツ元帥や心理作戦担当者ザカライアス大佐と会い、「日本軍を無条件降伏させるには、天皇が必要である。日本人と日本軍が喜んで従う唯一の声は、天皇の声である。いいかえれば、天皇は数万人の米国人の生命を救う源泉である」と献策し、これが米国務省の天皇にたいする基本姿勢になった。
また、ザカライアス大佐(1890―1961)は海軍士官で、米海軍情報部員。1920年(大正9)に米海軍の語学研究生として来日、日本語に堪能になり、以来1945年まで日本の海軍暗号の解読と日本情報分析の専門将校として活躍し、「フリードマン(日本の暗号(マジック)を解読した人物)とともに「米海軍史上軍最高の情報部員」といわれた海軍諜報部員です。
約40年間の情報活動で、日本人脈は豊富で鈴木首相は軍令部長時代から知っており、日本海軍の主要メンバーはもちろん、天皇関係の行事、パーティーに数多く招待されており、特に高松宮と親しく、1929年(昭和4)には高松宮が新婚旅行で米国を訪れた際には通訳として米国内を案内していたほどです。
1945年4月、海軍情報部から戦争情報局(OCI)次長に転任、日本の和平派をバックアップして終戦に導くための心理作戦ラジオ放送「ザカライアス放送」(短波放送、15分間)を自ら日本語で放送した。ドイツが降伏した直後の1945年5月8日に第一回目を放送。ポツダム宣言公表後の8月2日までの計14回続けた。
5月12日の第2回目の放送では、「軍隊の無条件降伏」はあくまで「軍事指導者の排除」で「日本人のせん滅や奴隷化を意味しない」と述べ、この考えを毎回放送して、早期の降伏を勧めていました。
- 天罰発言事件の騒動
鈴木首相は6月9日に「戦時緊急臨時法案」を審議する臨時議会を開催します。日本はナチス・ヒトラーのような専制独裁国家ではなく、法治国家・立憲君主国であることをアピールするためで、世界から注目されました。
鈴木首相は施政方針演説で
- 本土決戦の準備はできており、兵士も国民の士気も非常に高い。
- 米軍の日本本土上陸には50万人にも上るの米兵が犠牲者になる。
➂ 昭和天皇は平和主義者であり、国体護持が終戦の条件であること―などの明確な終戦の条件を発信した。
さらにこの中で、大正7年の米国遠征時のサンフランシスコでの「日米戦わず、戦えば両国に天罰がくだる」というスピーチをそのまま引用したのです。当初の文面は「両国に天罰が下る」とあったのを、閣僚たちが問題発言として「日本を省き、米国にのみに天譴(てんけん、天罰と同じ意味)が下る」と書き直した。鈴木首相はこれをみて怒り「私の意図とは違う」と反対し、「両国に天罰が下る」と元に戻して次のように演説したのです。
「太平洋は平和の海で日米貿易のために天の与えた恩恵で、もしこれを軍隊搬送(戦争の海)のために用いれば、必ずや両国ともに天罰を受ける。米国はわが国に無条件降伏を揚言し、わが国体を破壊し、わが民族を滅亡に導こうするもので、断固、戦い抜く決意である」
予想通り、護国同志会(陸軍系の右翼会派)から天罰発言に質問がでた。耳の遠い鈴木首相は天罰を天佑と聞き違えて失言答弁をしたため「口では本土決戦を怒号しながら、本音は米国への終戦の合図ではないのか」、「不敬罪だ、大逆不逞(たいぎゃくふてい)の輩だ」と激しく攻撃し、議場は怒号とヤジで大混乱となり、いったん休憩に入りました。
控室で閣僚たちは「内閣総辞職か?」と震え上がっていると、帰ってきた鈴木首相は「先ほどの議会で、首相が壇上で笑ったのは怪しからんと、顔面攻撃がありましたが、笑い顔は私の地顔でね。2・26事件の時もそういわれましたよ」と大笑いし、議会の大混乱なぞどこ吹く風で、葉巻をプカプカふかしながら新聞をひろげて一人悠然としていました。閣僚たちはその態度に度肝を抜かれ、日清、日露の大海戦の最中に艦橋に泰然として立っていた提督の姿を見た思いだった」と語っています。
鈴木演説は「国民の士気と軍の士気」を最後まで温存しつつ、国体護持(天皇制の維持)こそが日本の終戦条件であるという明確なメッセージを発信したのです。これに対して、ザカライアス放送は早速反応し、無条件降伏は軍隊に対してのもので、決して日本国民の奴隷化、絶滅を意味するものではないことを再び強調した放送を流して和平に導いていった。
前坂俊之著「トランプ対習近平:貿易・テクノ・5G戦争(22世紀) Kindle版」
関連記事
-
-
『F国際ビジネスマンの『世界漫遊・ヨーロッパ・カメラ・ウオッチ(16』★『オーストリア・ウイーンぶらり散歩⑥』(2016/5) 『世界遺産/シェーンブルン宮殿』その広大な庭園に驚く(上)」★『6才のモーツアルトが女帝の前で演奏し、アントワネットと遊んだと言う逸話がある』
2021/11/26 『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(173) …
-
-
★『2018年(明治150年)の明治人の歴史復習問題』-『西郷どん』の『読めるか化』チャンネル ➂<記事再録まとめ>◎『山県有朋から廃藩置県(史上最大の行政改革)の相談を受けた西郷隆盛は「結構です!」と一言の基に了承し、即実行した』◎『西郷の大決心を以て事に当たったからこそ 用意周到、思慮綿密なる大久保や木戸の危んだ 廃藩置県の一大事を断固として乗り切ることができた。 西郷こそは民主主義者である(福沢諭吉の言葉)』③
★『2018年(明治150年)の明治人の歴史復習問題』- 『西郷どん …
-
-
<クイズ>世界一の『プレーボーイ』 は誰じゃー滞仏三十年、使った金五百億、プレーボーイの薩摩治郎八
世界一の『プレーボーイ』 は一体、誰じゃ 滞仏三十年、使った金五百億、プレ …
-
-
『オンライン講座/日本興亡史の研究 ⑲ 』★『戦略情報の開祖・福島安正大佐ー 明石元二郎の指導する「明石工作」は日英同盟を結んだ英国諜報局とは極秘の「日英軍事協商」を結び諜報の全面協力体制を築いた。福島安正、宇都宮太郎(英国駐在武官、宇都宮徳馬の父)がバックアップして成功する』
2016/03/01 &nbs …
-
-
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㊱「日本の国会に関する客の問に答える」『申報』1891(明治24)年2月
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年 …
-
-
日本リーダーパワー史(135) 海軍経営者・山本権兵衛―国難日本を救った最強のリーダーシップとはー
日本リーダーパワー史(135) 海軍経営者・山本権兵衛―国難日本を救ったリーダ …
-
-
世界リーダーパワー史(922)-『暗愚の帝王・トランプは予備選挙で負けさせねばならない。』★『米ロ会談、プーチンの肩持った裏切り者トランプにアメリカ騒然』★『もはやトランプは米安全保障上の脅威─米ロ密室会談に同席した通訳に証人喚問求める』
日本リーダーパワー史(921) 暗愚の帝王・トランプは予備選挙で負けさせねばなら …
-
-
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』㉘『開戦1ゕ月前の「独フランクフルター・ツワイトゥング」の報道』ー「ドイツの日露戦争の見方』●『露日間の朝鮮をめぐる争いがさらに大きな火をおこしてはいけない』●『ヨーロッパ列強のダブルスタンダードー自国のアジアでの利権(植民地の権益)に関係なければ、他国の戦争には関与せず』★『フランスは80年代の中東に,中国に対する軍事行動を公式の宣戦布告なしで行ったし,ヨーロッパのすべての列強は,3年前,中国の首都北京を占領したとき(北支事変)に,一緒に同じことをしてきた』
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』㉘『開戦1ゕ月前の …
-
-
速報「日本のメルトダウン」(483)◎「すべてを台無しにする米国の不注意な政治家」「米国の政府閉鎖:こんな国家運営はあり得ない」
速報「日本のメルトダウン」(483) <米 …
-
-
日本メルダウン脱出法(662)中国から見た日米首脳会談 ー本当の関心は尖閣問題よりTPP」「瀬戸際のTPP交渉、5月合意できなければ空中分解も」
日本メルダウン脱出法(662) 安倍首相訪米前夜に思う 中国の“歴 …
