前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(240)/★『28年連続で増収増益を続ける超優良企業を一代で築き上げた「ニトリ」創業者・ 似鳥昭雄氏の『戦略経営』『人生哲学』 10か条に学ぶー「アベノミクス」はこれこそ「ニトリ」に学べ

   

  2016/05/21 日本リーダーパワー史(710)記事再録

『28年連続で増収増益を続ける超優良企業を一代で築き上げた「ニトリ」創業者・ 似鳥昭雄氏の『戦略経営』『人生哲学』 10か条に学ぶー「アベノミクス」はこれこそ「ニトリ」に学べ

                       前坂 俊之(ジャーナリスト)

2000年以降のデジタルIT・激変時代の中で日本の代表的な電子、電器産業は次々にドミノ倒しとなったが、昨今は東芝、シャープ、三菱自動車をはじめ日本の経団連参加の老舗100年代表的メーカーの沈没にまで及ぶ『百年老舗大企業』ていたらくである。

その『日本経済再生計画』として安倍「アベノミクス失敗」内閣の掲げる「1億総活躍社会」実現とか、新3本の矢「GDP600兆円」なるものが、いかに絵に描いた餅か、国民はしらけきっている。

人間も企業も寿命がある。生まれて、成長して、老いて死んでいく。死なない人間はいない。老舗の数百年続いた大企業はよほど変化に柔軟に対応して自己改革して生き延びた例外的な企業である。デジタルの大波に洗われている現在の企業の寿命、興亡のサイクルは30年とより短くなっている。

百年老舗企業がつぶれていくのは自然なこと、問題は新しい成長企業、ベンチャーが誕生しないことである。日本社会の『超高齢・超少子化社会』と『老舗大企業の倒産』は同一の現象である。

そして、根本は

  • リーダーは「有言実行」でなければならない。「有言不実行」は失格、「不言不実行」は下の下である。
  • 『有言実行』のリーダーは良い結果を残さねばならない。悪い結果を残せばそく退場である。
  • リーダーとは決断、実行、実現するパワーがなければならない、公約した目標を実現できなかったならば、自己結果責任を明確にしなければならない。
  • 目標結果を実現できなかったといって、1度も2度も先延ばしすべきではない。それは責任回避の延命策でしかなく、さらに悪い結果を招くことになるだろう。
  • 野球のメジャーリーグや、ヨーロッパサッカーの監督を引き合いに出すまでもなく、負け続け、結果を残せなかった監督は半年で即お払い箱となり、ヨーロッパのサッカー選手らは毎試合ごとに評価(10段階もしくは5段階評価)があるように、結果がすべてである。
  • この例外の「甘い国」「レイティング、評価基準のない国」「マスコミの監視の能力の低い国」が日本なのである

そんな、日本のリーダーシップ総崩れ(総活躍の反対現象)のなかで、がぜん脚光を浴びているのが「お、ねだん以上。」のフレーズでおなじみのニトリホールディングス。家具・インテリア製造小売りで全国トップ、1989年から28年連続で増収増益を続ける超優良企業を一代で築き上げた創業者の似鳥昭雄氏である。『28年連続で増収増益を続けた企業は、果たして日本企業史のなかで何社あるのか」、

似鳥昭雄氏の『戦略経営』『人生哲学』10か条に学ぶ

  • ① 似鳥社長は1972年に会社を株式会社にした際、60年の事業計画を立てた。「計画最終年の2032年に3000店舗、売上高3兆円となり、流通業界で先進的な米国に完全に追い付く」、60年も先の目標を掲げて経営に取り組む経営者は珍しい。
  • ② 極寒の北海道で味わった生死をさまようほどの貧乏暮らし。この貧乏体験が現在の自分を作ったと感謝しているんです。いつも死にたい、死にたいと思っていて、楽しみは寝るときだけで、いい思いは一つもなかった。
  • ③ 小学4年生からヤミ米の配達を手伝い、試験はカンニングが当たり前。父が経営する会社に就職したがシゴキに耐えかね家出した。
  • ④ 好きな言葉『短所あるを喜び、長所なきを悲しめ』。松下幸之助さんと同じ境遇だと言い、忘れ物がひどいところを本田宗一郎さんにそっくりだとか
  • ⑤ 成功の鍵は「先手必勝、何をやるにしても誰よりも早くやる。後じゃだめ」
  • ⑥ どれだけ大きな企業も安泰ということはない。ダイエーも歴史から消えた。
  • ⑦「苦労しないのが社長になったら潰れる」
  • ⑧ 常に、10~20年先は具体的に、5年先はもっと具体的に何をすべきか、改革案を持って、長期計画を立てて、期限内にきちんと達成することが大事。
  • ⑨ 「変化に対応して、たとえ遅れても、すぐに遅れを取り戻せば良い」多少のジグザグ、恐れる必要はない。
  • ⑩ 「72歳になる。まだまだ気力は充実しており、いつでも20代という気持ちでやっている。死ぬまで現役でいたい」

ニトリ、前人未踏の「30年連続増益」に挑む似鳥会長「消費税の再増税は1、2年延びる」

http://toyokeizai.net/articles/-/111694

ニトリ創業者「豪快なだけじゃない」劇的半生似鳥昭雄氏は、どこまでも戦略家で情熱家だ

http://toyokeizai.net/articles/-/103269

ニトリ社長「退任じゃない、死ぬまで現役だ」カリスマ創業者が社長の座を譲る理由とは?

http://toyokeizai.net/articles/-/102444

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
平井久志 立命館大学客員教授 「金正恩体制をどうみるか-労働党大会を前に」(2016.4.26)

平井久志 立命館大学客員教授 「金正恩体制をどうみるか -労働党大会を前に」 2 …

「オンライン外交力講座」日本リーダーパワー史(396)『中国が恫喝・侵略と言い張る台湾出兵外交を絶賛した「ニューヨーク・タイムズ」 (1874(明治7年)12月6日付)」★「日中韓150年対立・戦争史をしっかり踏まえて外交力を再構築せよ⑤  

  2013/07/20    …

「トランプ関税国難来る!ー石破首相は伊藤博文の国難突破力を学べ②』『日露戦争開戦『御前会議」の夜、伊藤博文は 腹心の金子堅太郎(農商相)を呼び、すぐ渡米させた」★「当時、米国はロシアを第一友好国としており、金子は渡米に反対した』★『ル大統領と親友の金子は和平講和条約の仲介役を同大統領に引き受けさせる広報外交を展開した』

2021/09/01 『オンライン講座/日本興亡史の研究 ⑮ 』 以下は前坂俊之 …

no image
日本メルトダウン脱出法(589)『アベノミクスの挫折で深まる安倍政権の危機』「人口が急増する世界、日本が選ぶべき針路」

   日本メルトダウン脱出法(589)   &nb …

no image
日本メルトダウン脱出法(786)「パリ同時多発テロ事件の裏に隠された悲劇の本質 」●「 実証:日本企業がリードする革新的テクノロジー」●「少しずつよい方向へ動き出した慰安婦問題 日本にとって事態が好転、その5つの根拠とは」

   日本メルトダウン脱出法(786)    「パリ同時多発テロ事件の …

片野勧の衝撃レポート(83) 原発と国家―封印された核の真実⑭三谷太一郎 (政治学者、文化勲章受章者)の証言②『主権国家中心の現在の「国際社会」ではなく、 主権国家以外のさまざまな社会集団も加えた 多元的な「国際社会」を再構築することが必要だ」。

 片野勧の衝撃レポート(83) 原発と国家― 封印された核の真実⑭(1997~2 …

no image
日中北朝鮮150年戦争史(17)『日清、日露戦争勝利の方程式を解いた男』川上操六陸軍参謀総長ー日清戦争前に『朝鮮半島に付け火せよ。そして火の手をあげよ。火の手があがれば我はこれを消してみせる』

    日中北朝鮮150年戦争史(17) 日清戦争の発端ー川上操六のイ …

no image
日本リーダーパワー史(339) 水野広徳『日本海海戦』の勝因論②—東郷平八郎長官と秋山真之参謀、国難突破の名コンビ

日本リーダーパワー史(339)  ● 政治家、企業家、リーダ …

no image
片野勧の衝撃レポート(48)太平洋戦争とフクシマ㉑『なぜ悲劇は繰り返されるのか 福島県退職女性教職員「あけぼの会」の人々(中)

 片野勧の衝撃レポート(48)    太平洋戦争とフクシマ㉑ &nbs …

no image
<名リーダーの名言・金言・格言・苦言・千言集④●『他人の不幸による、漁夫の利を占めるな』小平浪平(日立製作所創業者)ら10本 

  <名リーダーの名言・金言・格言・苦言 ・千言集④>       前 …