前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『Z世代のための日本スリランカ友好史』★『 日本独立のサンフランシスコ講和条約(1951年)で日本を支持したジャヤワルデネ・スリランカ大統領』★『同大統領ー感謝の記念碑は鎌倉大仏の境内にある(動画)』

   

2014/11/30 記事再編集
瀬島龍三が語る『日本の功績を主張したセイロンの全権ジャヤワルダナ』

前坂 俊之(ジャーナリスト)

ジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%8
2%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%
83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%A4%E3%83
%AF%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%8A

サンフランシスコ講和会議のさい、ソ連のグロムイコ全権が演説して「日本人は大変悪いやつだ。だから連合国の日本駐兵は続けるべきだ」と述べています。

その時に、セイロン、今のスリランカの全権として列席していたのはジャヤワルダナ氏で、後に大統領になった人です。当時彼はセイロンの大蔵大臣でした。

セイロンがサンフランシスコ講和会議に連合国側で出席したのは、戦時中に日本海軍がコロンボやトリンクマリを爆撃していたからでした。

ジャヤワルダナ氏は、ソ連全権グロムイコ氏の演説の直後に手を上げて登壇をし、「われわれアジアの諸国には、日本の犠牲によって独立した国がたくさんある。わがセイロンも然り。だからセイロンは今のグロムイコの演説には反対である。早く連合国は日本の駐兵を引き上げるべきだし、また賠償もとるべきではない。セイロンは連合国の一員として、対日賠償請求権を放棄する」と演説した。

私は、初めてスリランカを訪れた際に、外務省からその記録を取り寄せて読み、ジャヤワルダナ氏の自宅を訪問しました。質素なお宅でしたが、その応接間に、演説が終わって演壇から下りてきた時に、吉田茂全権がジャヤワルダナ氏を抱きしめている写真が飾ってありました。

私は日本に帰って来てから当時の園田直外務大臣に会って、こういう方こそ国賓として招待すべきではないかと言いましたり、当時大平内閣でしたが、園田氏は、「それは大平総理にもぜひ申し上げてくれ」とおっしゃった。

国賓の招待というのは閣議決定ですが、間もなく決定されて、ジャヤワルダナ大統領は国費で招待された。その際、宮中晩餐会で、昭和天皇がサンフランシスコ講和会議に触れられて謝意を表されたので、ジャヤワルダナ氏は感激して答辞をされた。こうしたことも今の日本人の多くは知りません。

自国の歴史を知らないだけでなく、日本のために努力してくれた外国の人に対して、感謝の念を表明することもないわけです。言ってみれば日本人は、恩を忘れるようなことをしているのです。

以上は、瀬島龍三『祖国再生―わが日本への提案』 PHP研究所1997)<82-83P>

彼がサンフランシスコ講和条約(1951年)の演説で「人はただ愛によってのみ憎しみ­を越えられる、人は憎しみによっては何も越えられない」とブツダの言葉を引用して、独立した日本にメッセージを発した。サンフランシスコ講和条約の際、各国が日本に対して厳しい態度で臨むなか、スリランカ­のジャヤワルデス前大統領は、上記のブッダの言葉を用いて、寛容と愛情を説いたのだ。
http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/0…

ジャヤワルデネ/セイロン首相
昭和26年9月、サンフランシスコで開かれた対日講和会議で、スリランカ民主社会主義­共和国のジュニアス・リチャード・ジャヤワルデス前大統領は、日本と日本国民に対する深い理解と慈悲心に基づ­く愛情を示した。
ジャヤワルデス前大統領は、この講和会議の演説にブッダの言葉を引用した。
実にこの世においては怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの恩むことがな­い。
怨みをすててこそ恩む、これは永遠の真理である。
ジャヤワルデス前大統領は、講和会議出席各国代表に向って、日本に対する寛容と愛情を­説き、日本に対してスリランカ国(当時・セイロン)は賠償請求を放棄することを宣言した。
さらに「アジアの将来にとって、完全に独立した自由な日本が必要である」と強調して一­部の国々の主張した日本分割案に真向から反対して、これを退けた。

 - 人物研究, 健康長寿, 戦争報道

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

日本リーダーパワー史(667) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(49) 「日本の『インテリジェンスの父』川上操六参謀次長が密命して、シベリアに送り込んだ『日本の007、満州馬賊隊長の花田仲之助」

日本リーダーパワー史(667) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(49)   …

no image
日中北朝鮮150年戦争史(21)世界史『西欧列強の植民地争奪合戦』 の中での日清戦争勃発〈1894年)③清国(中国)との交渉は『無底の釣瓶(つるべ) を以て井戸水をくむが如く、いつも その効なく、無益に終わる」(パークス英公使)

 日中北朝鮮150年戦争史(21) 世界史『西欧列強の植民地争奪合戦』 の中での …

no image
日本リーダーパワー史(441)★「勝利への秘策はあるか,2014年W杯 ブラジル大会をザッケローニ監督に聞く(12/16)」

 日本リーダーパワー史(441)   ◎「勝利への秘策はある …

日本リーダーパワー史(645) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(38)『陸奥宗光外相のインテリジェンスー暗号戦争に勝利、日清戦争・下関講和会議の「日清談判」で清国暗号を解読

日本リーダーパワー史(645) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(38)   …

「Z世代への遺言」「日本を救った奇跡の男ー鈴木貫太郎首相①』★『昭和天皇の「聖断』を阿吽の呼吸でくみ取り、『玄黙戦略」でわずか4ヵ月で国難突破力の終戦を実現』★『太平洋は平和の海で神がトレード(貿易)のためにおかれた。これを軍隊輸送に使ったならば、両国ともに天罰を受ける』

1936年(昭和11)年2月25日夜。 親日派のジョセフ・グルー米国大使は斎藤実 …

no image
日本の〝怪物″実業家・金子直吉

1 日本の〝怪物″実業家・金子直吉 ―鈴木商店を日本一の商社にした「 …

★『オンライン天才養成講座/エジソンの発明術を学ぶ』➂ 』★『発明発見・健康長寿・仕事成功11ヵ条」★『私たちは失敗から多くを学ぶ。特にその失敗が私たちの 全知全能力を傾けた努力の結果であるならば』★『臨終の言葉――「将来に信仰を持ちなさい。前進しなさい。私は人々のためにするだけのことはした。もう思い残すことはない。ブルーに輝いた美しい国の人々が待っている。さようなら」』

2018/11/23  百歳学入門(96)再録 「史上最高の …

no image
日本リーダーパワー史(974)ー記事再録/『2・26事件で襲撃をうけ九死に一生を得た大日本帝国最後の首相・鈴木貫太郎(82歳)の終戦決断力が『日本を救った』

大日本帝国最後の首相・鈴木貫太郎(82歳)の晩年   《2009/02 …

no image
日本リーダーパワー史(163)『戦わずして勝つ』ー塚原卜伝の奥義インテリジェンスこそ『無手勝流』

日本リーダーパワー史(163)   『戦わずして勝つ』剣道の秘義・塚原 …

『Z世代のための日本インド友好史④』★『1億の『インド・カースト』(不可触民)を救う仏教最高指導者・佐々井秀嶺師』★『インドに立つ碑・佐々井秀嶺師と山際素男先生」(増田政巳氏(編集者)』★『『現代の聖者』『奇跡の男』ここにあり』

2009/09/25  日本リーダーパワー史⑱再録『現代の聖者』『奇跡 …