『Z世代のための 百歳学入門』(2010/01/25 )★『<日本超高齢社会>の現実と過去と未来②』 ★『人生は長短ではない。「千の風になって」の「私は墓にはいない、眠ってなんかいません」のように、命はすべて有限で、時間の長短はあれどいつかは死んで行く。肉体は滅んでも、その精神は永遠に生き続けるのです』
百歳学入門⑩記事再録・編集
<Q6>・・・なるほどね、元気なセントナリアンたちからのメッセージはあるんですか。
A-『ありますよ。団塊世代の還暦組にピッタリの言葉があるよ。『五十、六十,鼻たれ小僧、七十,八十、人間ざかり』という。この言葉は今や、『六十,七十鼻たれ小僧、八十、九十人間ざかり』といったほうがより適切ですね。
これは彫刻家・平櫛田中(1872-1979、107歳)が90歳代になってもかくしゃくとして、つねづね口癖にしていたのですが、百寿を迎えた際に、「六十・七十は鼻たれ小僧、男ざかりは、百から百から」といっていますね。平櫛翁は107歳で亡くなる直前までノミをふるっており、世界最長寿の芸術家といっても間違いありませんね。
平櫛翁は「いまやらねば、いつできる。わしがやらねばだれがやる」が口ぐせ。おもしろい語録もたくさんあります。90歳のときの言葉で
「実践、実践、また実践。挑戦、挑戦、また挑戦。
修練、修練、また修練。
やってやれないことはない。やらずにできるわけがない。
今やらずしていつできる。俺がやらねば誰がやる。やってやってやり通せ」
『今日もお仕事、おまんまうまいよ、びんぼうごくらく、ながいきするよ』
『人間いたずらに多事、人生いたずらに年をとる、いまやらねばいつできる、
わしがやらねばたれがやる 』
『六十、七十は鼻たれ小僧、人間ざかりは、百から百から、わしもこれから、これから』
百歳のときに、こんな歌も作っています。
わしもとうとう満百オ
まだまだ仕事が残ってる
朝から工房 晩めしがうまい
野菜のかきあげ小えびが二つ
葡萄酒 ぽちり粥一椀
とろりまぶたが重くなる
ベッドにごろりたかいびき
夜中に小便二、三回
あさまでぐっすり夢を見ず
死ぬこと忘れた田中団兵衛(だんべい)
松下幸之助(1894 – 1989、94歳)も長寿ですが、平櫛翁を大変尊敬しその養生法を実践していましたね。肺炎で病床についていた田中は昭和54年12月21日朝、
「私はこれから旅に出ます。お供も弁当も入りません。あとをよろしくたのみます。」
といってこん睡状態になり、12月30日に107歳10ヵ月)の生涯を閉じました。
-『いやはや、この気迫に恐れいりました。惰眠をむさぼっている頭を一喝!されましたね。
平櫛翁の不老不死の爪の垢でも煎じて飲みたい心境だね』
A-『老い若きも、今四国88ヵ所などの巡礼が流行っていますね。四国へ行く途中の岡山県の井原市に平櫛田中美術館(〒715 井原市井原町315 電話/0866(62)8787 www.city.ibara.okayama.jp/dencyu/index.html)があります。
彼の生涯と彫刻の代表作や書画が展示されており、田中の生き方、精神の息吹を直接実感できて、生きる意欲を、元気をもらえますよ。全国各地にあるセントナリアンや、晩年長寿の達人の個人記念館など回ることは、今後の身の越し方を考えるには最もいい還暦組みにお勧めの巡礼の旅ですね。
ちなみには東京小平市には平櫛田中彫刻美術館(東京都小平市学園西町1-7-5 電話042-341-0098があります。98歳の時に建てた書院造りの住居と庭園を公開しており、こちらも必見ですね』
<Q7>・・・『「長寿の心得・・・人生は六〇から」という、こんなばかばかしい歌もあるよね。ハハハッー』
1・・七〇歳でお迎えが来た時にゃ、ただいま留守にしておりますと言え
2・・八〇歳でお迎えの来た時にゃ、まだまだ早いと追い返せ
3・・九〇歳でお迎えの来た時にゃ、そう急がずともよいと言え
4・・一〇〇歳でお迎えの来た時にゃ、こちらからボツボツ行くからと言え』
B-『「千の風になって」という歌が少し前に大ヒットしましたよね。「私は墓にはいません、眠ってなんかいません」とか何とかいう歌詞は永遠の真実を表しているとおもいますね。だから、大ヒットしたんです。
命あるものはすべて有限で、時間の長短はあれどいつかは滅び、死んで行く。肉体は滅びるが精神は消える去るわけではない。その人が書いたもの、作品、業績などの記録されたものは残りますし、回りの人たちの思い出や、記憶は引継がれていくものです。
『人の命は短く、芸術は長し』、これをもじって「芸術は短く貧乏は長し」といったのは直木三十五だっけ。人間や自然は生死を繰り返していますが、いまやメディアによって記録されて、歴史として引き継がれていく。
それが、人間の知恵であり、文化であり、他の動物と違って人間が文明を築いたゆえんは、人間の記憶を記録して、後生に伝えていくメディアとコミュニケーションの方法を編み出したことですね。
墓やピラミッドの中には骨やミイラや埋葬品はあっても、その業績、精神は人間の記憶と、記録の中にあり、それは長く残るのです。千の風となってとは、今のインターネットそのものですね。インターネットで流せば、世界中の人々に拡散することができる、新たな時代にはいいたのですね。」
関連記事
-
-
★『オンライン講座・吉田茂の国難突破力⑧』★『吉田は逮捕され40日間拘留された』★『日本人の国民性の欠点ついて「重臣たちも内心戦争に反対しながら、はっきり主張せず、後になて弁解がましいことをいう』★『吉田はジョークの達人』★『「いまの代議士はポリティシャン(政治屋)で、ステーツマン(国士、本当の政治家)ではありませんよ」
2021/10/02 「オンライン・日本史決定的瞬間講座⑦ …
-
-
『百歳学入門(206)』-『プロスキーヤ・三浦雄一郎(86歳)と父・三浦敬三(102歳)の世界スーパーマン親子物語➀』★『雄一郎は70歳、75歳でエベレストに登頂成功』●『敬三は77歳でキリマンジャロ登頂、88歳でヨーロッパ屈指のオートルートを完全踏破、99歳でモンブランスキーで滑降の鉄人親子』
『百歳学入門(206)』ー 三浦さん、エベレストに登頂、史上最高齢80歳の夢実 …
-
-
日本一の三名園「岡山後楽園」の桜は満開で「桜祭り」が開催された(23年3月31日に撮影)★『後楽園・旭川・岡山城』の三拍子そろった『歴史文化景観スペース』は世界の都市の美的景観に引けを取らない』
岡山プラザホテル8階から撮影、後楽園上に岡山城がそびえる。 日本の三名園「岡山 …
-
-
世界、日本メルトダウン(1034)–『朝鮮半島チキンレースの行方はどうなる!』★『北朝鮮攻撃は偶発的な軍事衝突以外にはありえない』●『中国流の「言葉の遊び」「空約束」外交にオバマ政権も日本外交も何度も騙されてきたが、トランプも同じ失敗の轍を踏むのか?』
世界、日本メルトダウン(1034) 『朝鮮半島チキンレースの行方はどうなるのか! …
-
-
3月18日の『鎌倉花の寺』めぐり④ー本覚寺,・段葛の桜並木,ぼたもち寺(大町)、妙本寺ともうすぐ見ごろ
3月18日現在の『鎌倉花の寺』めぐりだよ④ ☆『鎌倉駅横の本覚寺は …
-
-
新刊「追悼山本五十六」新人物往来社編 新人物文庫(667円)を出版しました。
新刊「追悼山本五十六」新人物往来社編 新人物文庫(667円)を出版 …