前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

世界/日本リーダーパワー史(916)日本興亡150年史―外国人が日本を救う』★『➀明治維新→坂の上の雲を登る→昭和戦前の戦争で敗戦亡国②廃墟から立ち上がり独立、奇跡の高度成長で世界第2の経済大国にのし上がるが、一転、バブルがはじけて転落、第3の敗戦へ』

      2019/05/19

日本興亡150年史―外国人が日本を救う。

日本はついに移民政策を変え始めた。

政府は全産業分野の人手不足解消に向けて外国人労働者に新たな10年間の在留資格を創設し、2025年ごろまでに50万人を受け入れる骨太?(小粒)の成長戦略を打ち出した。

今年は明治維新から150年に当たる。この間の日本興亡150年史を振り返ると、日本を成長発展させたのは実は『日本人』だけではなく「外国人」の力が大きかったことがわかる。

このことを『移民受け入れ拒否』の多くの現代人はすっかり忘れ去っている。

明治維新を起こした坂本竜馬、吉田松陰、西郷隆盛、大久保利通らの『薩長土肥』(鹿児島、山口、高知、佐賀など)は「外人扱い」だったのである。

ここでの外人の語源は中国漢民族の中華思想に由来する。

秦の始皇帝がつくつた万里の長城を関(所)として、内を「関内」、外を「関外」といい、農耕の漢民族の「内人」と、関外の遊牧民の異民族(外人)を区別して、漢字文化を世界一優れた文化と誇り、その他の外人を野蛮人と見下げる「エスノセントリズム」(自民族優越主義)である。

この『中華思想』を尊重していた江戸幕府は豊臣方や関ケ原以降に服属した大名を九州、四国の遠隔地に追いやり「外様大名」として監視し、参勤交代、治水工事の莫大な負担を強いた。江戸城での席次でも、親藩、譜代とは差別され、幕府の役職にはつけず、発言権もなかった。同じ日本人ながら完全な『外人』扱いだった。

明治維新はこの『薩長土肥』の外人部隊のクーデターといえる。

こうして開国した明治の薩長藩閥(外人)政府は西欧諸国の近代的諸制度を導入するため英、米、仏、独などから「お雇い外国人」約3千人を大臣級の高給を払って日本に招き「富国強兵」「殖産振興」のスローガンを掲げて「坂の上の雲」を目指して必死に頑張った。

東大各学部、陸軍大学校、高等学校などでは外人教師がネイティブな授業を行った。夏目漱石も南方熊楠もそこで国際感覚を養い、陸軍大学校はドイツのメッケル少佐を教官として招きドイツ兵制と参謀教育を行った。日清、日露戦争に勝利できたのはメッケル少佐のおかげである。

三等国日本は明治の大発展により、1920年(大正8)は発足した国際連盟の4大常任理事国となり、新渡戸稲造が事務次長(現在の事務総長役)に就任して活躍し、開国約50年でアジアで唯一の先進国の仲間入りを果たした。

ところが、昭和に入り歴史の歯車は逆回転した。日本は下降線をたどり、明治維新から77年後の1945年(昭和20)年8月、ついに太平洋戦争に敗れて亡国する、国連を脱退した軍国主義のうねりと狂信的な日本主義の暴走の末の自滅であった。

「国破れて山河あり」-

マッカーサー司令官の「GHQ」(連合国軍総司令部)による明治憲法のリセットが始まり、のは翌昭和21年には主権在民、象徴天皇制、戦争放棄、男女平等などの理念を盛り込んだ新憲法がGHQの指導で制定された。

同時に婦人解放、労働組合の結成、学校教育の自由化、経済の民主化、農地改革、財閥解体などの「戦後改革」の大手術が行われた。日本人だけでは到底できなかった戦後改革、革命でもあった。

この結果、日本は「廃墟」から立ち上がり1952年に独立、55年から73年の18年間にわたり実質経済成長率10%以上という奇跡の経済成長を遂げて、68年には米国に次ぐ世界第2の経済大国にスピードアップできた。

新幹線も東名高速道路も世界銀行から融資によってできたのである。

結局、この奇跡的な復興、発展は日本人の努力と共には日米安保で守られて日本の防衛費はGDP1%以下(戦前は40%以上)におさえられていたこと。ベルリンの壁の崩壊(1989年)までは東西冷戦、米ソ対立の国際的な環境の下で日本は経済発展に専念できたことが大きい。

1990年、日本経済はピークアウトし、トランプ大統領が「ニューヨークの不動産をジャパンマネーが買い占めた」と恨んだ「平成バブル」(1991年)がはじけて、一転の下降カーブを描いた。

政府は景気回復のために禁じ手の赤字国債の発行に踏み切り、1998年(平成10年)には赤字国債の無制限発行体制へ突入する。

この経済失政で『失われた20年』を招き、今や事態はさらに深刻化し重症の「少子超高齢人口減少国家」に衰退しつつある。2018年の政府総債務残高は1310兆円にふくれ上がり対GDP比(263%)で世界一の借金大国となり果てた。

「少子超高齢人口急減国家」「ゾンビ社会」に明日はない

さらに急速な高齢化で、人口は2060年までに4000万人が減少する。2050年には現役世代1.3人で1人の高齢者を担ぐ「肩車型」社会になる。こんな社会は成り立つはずがなく、社会機能は完全にマヒする。

2025年度には認知症患者数が700万人となり約38万人の介護職員が不足するという数字も出ており今回の50万人の外国人労働者の受け入れでは足りるはずもない。

優秀なベトナムの若年労働者の受け入れはなどは台湾、韓国、中国、ヨーロッパ各国でも引っ張りだこの移民獲得競争に発展しており、日本の希望者は以前より大幅に減っているといわれる。

「座して死を待つ」より、外国人観光客の増加によって、全国各地が活性化しているように、日本語が十分話せなくても外国人介護職員の「笑顔」や「ボデイランゲージ」、「心の交流」によって孤独な高齢者が元気になることは間違いないと思う。

  

『2018年「日本の死」を避ける道はあるのかー 日本興亡150年史』(1)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/29398.html

  

 - 健康長寿, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本メルトダウンの脱出法(554)『加速するアベノミクス、日本のための戦い」『日本のジャーナリズムには教養が足りない」

  日本メルトダウンの脱出法(554)  &nbs …

『Z世代のための米大統領選挙連続講座⑨』★『 ハリス氏対トランプ氏のスピーチバトルはヒートアップするばかり』

英BBC(8月1日配信)は「ハリス氏はインド人か? 黒人か?」 トランプ前大統領 …

『ウクライナ戦争に見る ロシアの恫喝・陰謀外交の研究➅』★日露300年戦争(2)-『徳川時代の日露関係 /日露交渉の発端の真相』★『こうしてロシアは千島列島と樺太を侵攻した⑵』

   2017/11/16/日露300年戦争(2)記事再録 …

『リモートワーク動画/(Kyoto Sightseeing)』★『世界文化遺産・平安神宮へ参拝(3/29)★『明治28年に創建の豪華絢爛の「平安神宮」応天門から本殿に向かう』★『平安神宮神苑」(池泉回遊式の日本庭園・国指定名勝)の蒼龍池を臥龍橋から観賞、桜はまだだが庭園美の傑作』

世界文化遺産・平安神宮へ参拝(3/29)ー明治28年に創建の豪華絢爛の「平安神宮 …

『オンライン講座/百歳学入門』★『日本一の大百科事典を創るため土地、家屋、全財産をはたいて破産した明治の大学者(東大教授)物集高見(82歳) と長男・物集高量(元朝日記者、106歳)は生活保護の極貧暮らしで106歳まで長生きした長寿逆転人生とは①』★高見は「学者貧乏、子孫に学者は出さぬ」と遺言し、高量はハチャメチャ流転物語」

物集高見が出版した大百科事典『群書索引』『広文庫』 前坂俊之(ジャーナリスト) …

no image
日本リーダーパワー史(570)『憲法9条(戦争放棄)の最初の発案者は一体誰なのか④』 マッカーサーか、幣原喜重郎か?(再録)

日本リーダーパワー史(570) 一連の「安全保障法制案」が閣議決定され、本格的な …

no image
日本一の「徳川時代」授業②福沢諭吉が語る「中津藩で体験した封建日本の差別構造の実態」(「旧藩情」)②

  日本一の「徳川時代の日本史」授業②   「門閥制度は親の …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(95)「原発ゼロへ」自民党が変わるきっかけ」◎「小泉元首相が「原発ゼロの方針を打ち出せ」

 池田龍夫のマスコミ時評(96)   ●「原発ゼロへ」自民党 …

no image
『オンライン/昭和史研究』★昭和天皇による「敗戦の原因分析」②『軍備は平和確保のための一手段である』ところがその軍備の力を使用したがる軍人があった」★『なぜ日本人種は嫌われたかー白色人種の有色人種に対する優越感、日本人の独善性、日本人の教養の不足、日本人の宗教の異なること』

       2015/07/ …

no image
『日本占領・戦後70年』「1946年(昭和21)元旦の天皇の『人間宣言』はなぜ出されたのか、『地方巡幸』はその結果始まった。

 『日本占領・戦後70年』 「1946年(昭和21)元旦の天皇の『人間 …