<国難日本史ケーススタディー②『「臥薪嘗胆」-三宅雪嶺のインテリジェンス』ー知恵と勇気の古典に学ぶ②
<国難日本史ケーススタディー②>
『「臥薪嘗胆」-三宅雪嶺のインテリジェンス』ー
現在の超難関を突破するため、『坂の上の雲』の
現在の超難関を突破するため、『坂の上の雲』の
知恵と勇気の古典に学ぶ①
日本の超難問クイズを考えましょう。現在日本が陥っている状況はーーーー
① 少子超高齢化から、2050年には人口4000万人急減の衰退国家になる。
② 財政赤字は国地方合わせて2000兆円近い借金赤字倒産国家
③ 原発廃炉まで50年かかる長期低線量被ばく国家
④ 3・11大震災の3重苦、4重苦の未曾有の国難に襲われている
それなのに政治の現状は日々、メディアを通して皆さんご存じの通り。亡国の惨状である、国に日本の行くべき道を示す国家戦略は全くなし、政治家に人なし政治力なし、外交力は昔からなし明治、大正に少なからずいた危機にあらわれる行動派知識人なし、無能なマスゴミ、メディアなし、低俗テレビは一切見る時間の無駄、政治に無関心な羊のようなおとなしい、悲しき日本人ばかり・・>
前坂俊之(ジャーナリスト)
ここでは日清戦争の勝利の後に、ロシア、フランス、ドイツが組んで、勝利の獲物を手放さないと戦争をするぞと最後通牒をつきつけた「三国干渉」を学ぶ。これは日清戦争に勝利したと油断した、日本は絶体絶命の危機に陥った。突きつけられた3国からのピストルに即、ホールドアップして、屈服したのである。
当時の帝国主義全盛の国際軍事競争の中での、下位の新興国日本の大国中国に勝ったという慢心の鼻を容赦なくへし折った。当時の知識人、三宅雪嶺、福沢諭吉、林董( ただす)らはこの日本外交の失敗と今後の国民の態度を批判したかを見て行く。いずれの言説も今読みなおしても正論を展開しており、大いに参考になる。
「臥薪嘗胆(2)」三宅雪嶺〔明治28年5月27日 『日本』
人心の異なる、なおその面のさとく、三国干渉の体に就いても、或いはこれ帝国の体面に関するとて、慨然として泣下するもあり、或いは金州を棄てて、いかにして朝鮮の独立を保全すべきかと憂慮に沈むもあり、
また或いは遼東半島を圧えるは厄介を益すに過ぎず、干渉の名の下に軍人の不平を抑えて、これを放逐するにしかずとするものあり、また中には、不生産の地を恵与して多額の金を報酬に受くるは、喜ぶべき限りにあらずやと、祝賀せんとするさえあり。しかれども西人の暗々裡に、東洋を支配するを知るは、けだし一轍に出ずることならん。
林子平の喚呼は、外邦通商の予報たり、しかも夷人処分の声の興沸せLは、黒船の浦賀に浮きてより後の事なり。我が日本帝国は世界に何様の地位を占むべきかとは、つとに問題となり、雄図偉略の案出せられたるもの、一にして足らざりしかども、人はむしろこれ
をしょう笑し、大言壮語事に益なしとせしなり。
しかれども今日より以後、沈重の人また時に列国操縦の夢をみること有るべきか。外邦の干渉を受けて、自家領分内の事を左右するは、まことに容易の儀にあらず。
もし我が国にかのベルリン会議に敗を取り、独国を恨みて憤死せしゴルチャコフその人あらば、天下挙げてために敵愾心の充塞するを看ん。ただ伊藤伯の寛厚よく民心を柔げば、敢えて外邦に対して怨恨を挟ましめざるに似たりといえども、臥薪嘗胆の念、それ何人の懐をか去らん。
百聞は一見にしかず、千首万言流るるがごとき幾多の対外策は、今回の一干渉にしかず、今日はとみに理論時代を過ぎて、実行時代に入りたるの観あり。人の外邦に於ける感覚、また前日のごとくならず、事を按ずる、直ちに実際に入るもの多くは、また聞きて公けにすべきものと、黙すべきものとの差別を生ずべし
。対外思想は世間残る隈なく吸収せしむべきのみならず、宇内大勢の必至はなにほど掩蔽するも効能なかるべければ、むしろこれを明在白々にして、天下と共に準備するを要すといえども、しかももしそれ事の機に属し、外人の聞知するはすなわちその様を失う所以なるに於いては、もっぱら有力者と謀り、敢えてみだりに放論するを得ざるべきか。
明日の晴雨測り難きも、梅雨の候、′霜露の候は自ら判然たり。西洋各国がいかに東洋を料理すべきかは予め料るべからざれども、早晩事のしかるを致すべしとして、充分に度胸を据え置くべきことなきにしもあらず。
露国は少なくも朝鮮の咸鏡道を占有せんとて、また少なくも朝鮮の内政に干渉せんとし、かつまた支那の北境並びに西境に求むる所あるべし、これ彼に在りて避くべからざるの事。しかるも支那を以って第二の印度と看做すは、すなわち英国にして、彼、支那に商利を射り、敢えてこれを侵略せんとせざれども、その侵略せんとせざるは、国交を重んじれしかるにあらずして、-商判を求むるのごく自然に実権を獲べしとするなり。
ロバート・ハートは東印度商会の味を知る者、しこうして英が印度を征略せし時、仏国のこれに対抗せしがごとく、今度は独国が英の競争者として、支那に窃拠するなり。独は仏の印度に於けるがごとく敗れず、商に於いて或いは英を捏却すること有るべしといえども、従来の例を以って推せば、政権に干与するの一事は、数歩を英に譲るべきか。二国かくのごとくなれば、仏また傍観することあたわず、安南(ベトナム)よりしてなるべぐ北馳せんと欲すべきか、かの防禦の術なきフィリピン群島は、ついにいずれの手に落つべきか。
我が日本帝国は、これら諸国と幾多の関係を有することとなるべきが、差しあたり今回の講和条約によりて競争の傾向を来たすべきは、朝鮮を完全無欠なる独立自主の国となししため、その国政に関してややもすれば諸国と紛議を生じ、支那に於いて最恵国待遇を受
くるがため、商業に工業にややもすれば英、独の疾視を被ること、これなり。
しこうして南方の経略に就いて、また或いは仏国と争うこともあらんか、いずれむ大敵たるに相違なきが、国際上の事は、畢尭(ひっきょう)するに優劣を兵力に決するものなれば、我が企図する所種々なるも、やむを得ざる場合に断乎として兵力に訴うるの覚悟なかるべからず。我、果たしてかくのごとく覚悟するを愚なりとせざるか。
惟うに、当代我が安全を必すべきもの2あり、
① にはシベリア鉄道の完成まで東洋の大乱なきこと
② には西洋各国の兵力は相互の競争より発達し、競争するだけに発達せしものにして、競争の必要ある時節には、到底力を遠方に分かづあたれざること。
すなわち我に於いて先んじて事を執れば、露(ロシア)は畏るるに足らず、
もしまた縦横の計、巧みに成るに於いては、何国といえども畏るを要せず。はなはだしくいわば、露仏等と同盟して英を地中海に推し込み、もしくは英仏と同盟して露をウラル以西に逐い込むこと、我が豪傑の指頭に懸るとせんか、兵は空しく談ずべからず、外交の事、あんに容易ならんや。しかも征清前に彼を弱しとせしも、誰かその弱きの意想の外に出でざるあるか。小敵といえども侮るべか-妙ず、大敵といえども畏れるをべからず。
かの傲然として居律なる者、果して実力のこれにかなうあるかは、たやすく保すべきにあらず。
シベリア鉄道の完成に先だち、急施早行して大いに伸じゅんせばいかん。
本雷に継ぐに、し宜しく下篇を以ってすべきはず、しかるもローランド夫人は「自由」のために哭し、チエールは〔国権」のために泣けり。「嘗胆臥薪」の語また,既に外政の矢を幇助するの良口実となりぬ。ああ、それ如何ぞなお斯語を累わして、下着を綴るに忍びんや。本篇のごときは実に新聞停止前に成りしもの、すなわち当初意を以ってここに掲げぐるのみ。
関連記事
-
-
『日本史決定的瞬間の現場を歩く』★『明治36年4月21日、京都「無隣庵」での伊藤博文、山県有朋、桂太郎首相、小村寿太郎外相の4巨頭に児玉源太郎内相、杉山茂丸の6者で『日露戦争を辞せず』と決定した。
★『日本史の決定的瞬間』★ 『明治36年4月21日、京都「無隣庵」での伊藤、山県 …
-
-
「日韓衝突の背景、歴史が一番よくわかる教科書」①★『福沢諭吉の「脱亜論」ですべては解明されている』150年前から日本が悪いという「反日の恨(ハン)の思想」の民族意識は今後ともかわらないのでは」
日本リーダーパワー史(765) 今回の金正男暗殺事件を見ると、130年前の「朝鮮 …
-
-
『Z世代のための日中韓外交史講座』⑯』★『ニューヨーク・タイムズ(1894年12月9日付)』★『日清戦争の未来図―「日本に世界を征服してもらえば中国もヨーロッパも悪政下に苦しむ一般民衆には福音となるだろう』
2015/01/01「日中韓150年戦争史」(71)『ニューヨーク・タイムズ(日 …
-
-
速報(314)【4号機プール】セシウム137の量は広島原爆5千発分で早く安全な場所に移す小出裕章』ほか5本
速報(314)『日本のメルトダウン』 ◎『5月25日【4号機プール …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(138)』VW不正事件、「事実・背景・今後」を「時間軸」で整理」◎「経営者の資質は、業績貢献よりも、人格識見と倫理感の秀でた人材が相応しい、という鉄則を想起」
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(138)』 経営者の資 …
-
-
◎「オンライン外交史・動画講座/日本・スリランカ友好の父」★『ジャヤワルデネ前スリランカ大統領ー感謝の記念碑は鎌倉大仏の境内にある(動画)』
2014/11/30   …
-
-
『Z世代のための百歳学入門』★『昭和戦後の高度経済成長から世界第2位の経大国へ復活させたプロデューサー「電力の鬼」・松永安左衛門(95歳)の長寿10ヵ条①』★『80歳の青年もおれば、20歳の老人もおる、年齢など気にするな』
2015/08/13 晩年長寿の知的巨人たちの百歳学(111)記事転 …
-
-
「ニューヨーク・タイムズ」が報道した「日韓併合への道』の真実㉔『ラッド博士による弁明ー『伊藤侯爵の朝鮮統治ー『韓国での外国商人は保護国に満足』『現閣僚の開明派は暗殺の目標に』
「 英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など外国紙が 報道した「日韓併合へ …
-
-
世界最先端テクノロジーレポート①世界初の バッテリー自動交換『ミニサーベイヤー :Mini Surveyor)LMS-06」のデモ
世界最先端テクノロジーレポート① 千葉大学野波研究室( …
