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原子力市民委員会『原発ゼロ社会への道―市民がつくる脱原子力政策大綱』発表記者<-4月12日(土)日比谷図書文化館 スタジオプラス

   

  

原子力市民委員会

   『原発ゼロ社会への道――市民がつくる脱原子力政策大綱』
            発表記者会見
 日 時:2014412日(土)10:3011:45
 場 所:日比谷図書文化館 スタジオプラス
      (東京都千代田区日比谷公園14号)

      http://hibiyal.jp/hibiya/access.html

 



原子力市民委員会(http://www.ccnejapan.com/ では、412日(土)に
『原発ゼロ社会への道――市民がつくる脱原子力政策大綱』を発表し、下記
のように記者会見を開催いたします。

脱原発を望む声が多数である民意を無視し、原発の再稼働を進めようとする
政府の「エネルギー基本計画」が、11日にも閣議決定されようとしていると
の報道がなされています。

脱原発に向けたビジョンを示すことができないままの政府に対し、『原発ゼ
ロ社会への道――市民がつくる脱原子力政策大綱』は、脱原発社会への道を
歩むために必要な政策をまとめた政策集です。

私たち原子力市民委員会では、総合的な専門知の結集による原子力政策の
検討を行うため、人文学・社会科学・自然科学の専門家、技術者、弁護士、
環境NGOや市民活動のリーダーなどが参加・結集し、包括的な政策的論点に
ついての議論を行ってまいりました。また、多くの人々の声を取り入れなが
ら政策の検討を行うため、全国各地で約1000人の市民が参加する、16回の
意見交換会を開催してまいりました。

福島第一原発事故に対する「深い反省」に立つのであれば、いかなる政策が
必要とされているか。政府の「エネルギー基本計画」では対応しきれていな
い論点を含め、総合的で包括的な脱原発政策を発表いたします。

多くの報道関係の皆様にお越しいただければ幸いです。

(ご参考までに、『原発ゼロ社会への道――市民がつくる脱原子力政策大綱』
の目次および主要提言を添付いたしますので、ご覧ください。)

 

 

         原子力市民委員会

   『原発ゼロ社会への道――市民がつくる脱原子力政策大綱』

            発表記者会見
  ━━

 日 時:2014412日(土)10:3011:45
 場 所:日比谷図書文化館 スタジオプラス
      (東京都千代田区日比谷公園14号)
      http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
 出席者:
   舩橋晴俊(法政大学社会学部教授、原子力市民委員会座長)
   吉岡 斉(九州大学大学院比較社会文化研究院教授、元政府原発事故
        調査委員会委員、原子力市民委員会座長代理)
   井野博満(東京大学名誉教授)
   大島堅一(立命館大学国際関係学部教授)
   満田夏花(国際環境NGO FoE Japan 理事)
   武藤類子(福島原発告訴団団長)

                            ほか

※記者会見終了後、出席の委員と懇談をいただける場を設ける予定です。

 

 

 

[序章]なぜ原発ゼロ社会を目指すべきなのか

 

原子力発電事業は、過酷事故を起こした場合の被害規模が大き過ぎ、復旧も長期にわたり不可能である。そして過酷事故は現実に起こったし、将来も再発しうる。それを続けることは倫理的に許されない。法律に基づいて原発を廃止する。

 

[第1章]       福島原発事故の被害の全貌と「人間の復興」

 

1.原子力災害からの復興にあたっては、

(1)「 被ばくを避ける権利」をふくむ「健康への権利」を基本的人権として最大限尊重すること

(2)リスクを過小評価せず予防原則に立つこと

(3)意思決定プロセスへの当事者参加を保障すること

を基本原則とする。これらの基本原則を一貫させることが「人間の復興」につながる。

 

2.原発事故子ども・被災者支援法が掲げる「個人の選択を尊重し支援する」という理念を、新しく策定する〈原子力災害復興基本法〉の理念として取り入れ、同基本法のもとに関係法令を整理し、被害救済と復興のための長期施策に一貫性を持たせる。

 

3.健康被害の未然防止のための医療保健支援、子どもの定期的な保養や移動教室の制度を整備・拡充する。

各種健康調査および検診のデータ等を一元的に管理するために、常設の健康支援センターを国の責任で設置する。このセンターの運営にあたっては、専門家に加えて多様な市民(原発事故影響地域の住民を含む)の参画を前提とした第三者委員会を設け、科学的かつ倫理的な検討のもとに推進する。

 

4.避難者の生活再建支援の方向性を「早期帰還」に一元化すべきでない。避難指示の解除にあたっては、住民の意見を最大限尊重し、拙速な解除はしない。避難者の帰還は、追加被ばく線量が年間 1 ミリシーベルトを下回った後に実施され、その場合でも、帰還するか留まるかを避難者がみずから判断できるよう、政府は賠償および生活支援を保障する。

 

[第2章]福島第一原発事故炉の実態と「後始末」をめぐる問題

 

1.東京電力の破綻処理を行った上で、政府の「原子力損害賠償支援機構」と東京電力の「廃炉カンパニー」を一体化して〈福島第一原発処理公社〉を設立し、福島第一原発の廃炉業務を一元的に推進する。

2.福島第一原発の収束と廃炉作業に関わる雇用体制、労務政策、被ばく管理を、〈福島第一原発処理公社〉のもとに、根本から改革する。

3.福島第一原発 1 3 号機の溶融炉心(デブリ)の空冷化を実現することにより、汚染水問題の抜本的な解決を図り、また、リスクが大きく、多大な被ばく労働をともなう冠水方式によるデブリ取り出し計画は凍結する。

 

[第3章]放射性廃棄物の処理・処分

 

1.          核燃料サイクル開発事業( 再処理、高速増殖炉、ウラン濃縮の開発事業)を廃止する。核燃料再処理と高速増殖炉は、巨額の損失をもたらす無用の事業であり、機微核技術として核不拡散・核セキュリティに関わる重大な難点を含んでいる。

 

2.          原子力発電に関連して生じる全ての核物質を廃棄物と見なし、賢明な管理・処分を進める。再処理廃液ガラス固化体、使用済み核燃料、プルトニウム、回収ウラン、劣化ウラン、ウラン残土、核施設から排出される他の中低レベル放射性物質、使用済み核施設、福島第一原発の施設、事故で飛散した放射性物質などが、全て廃棄物であることは明らかである。天然ウランおよび濃縮ウランは経済的価値を有するので、その取引を禁ずるには立法措置と財産権補償が必要になる。不要・不急の核施設解体・撤去は行わない。厳重な管理体制のもとで放射能が減衰するまで十分な時間を置いて見守る。

 

 

3.          新たな政府系機関として、

〈日本原子力廃止措置機関 Japan Nuclear Decommissioning AuthorityJNDA)〉を設置し、核廃棄物の管理・処分を一元的に実施する。原発の廃止によって発生する放射性廃棄物の量は厖大で、管理・処分のための期間も超長期に及ぶ。それゆえ、政府による一元的な廃棄物管理・処分が必要である。ただし民間事業者の財務上の責任を免除するものではない。なお、福島第一原発については〈福島第一原発処理公社〉による「放射能汚染封じ込め作業」が一段落してから、〈JNDA〉に引き渡す。

 

4.           核廃棄物の管理・処分施設は、日本国内に設置せざるを得ないが、設置場所については、可能な限り厳しい安全確保の実現と「負担の公正・公平化」の原則に立って国民的協議を行った上で決定する。

 

[第4章]原発再稼働を容認できない技術的根拠

 

1.新規制基準のもとでの原発再稼働は、以下の理由で行うべきでない。

(1)住民の被ばくを防ぐ絶対的な条件である「立地審査指針」を無視している

(2)原発は、地震・津波に耐えられない。「残余のリスク」がある

(3)基本設計の見直しがされておらず、過酷事故は防げない

(4)原発過酷事故を想定した地域防災計画に実効性がない

 

2.上記理由から、原発立地を認めた地元合意は白紙に戻し、少なくとも原発 30km 圏内の全ての自治体との間で、原子力安全協定を締結するための協議を開始する。

 

3.現在、各電力会社が、新規制基準適合性審査の結果を待たずに進めている過酷事故対策工事は、直ちに中止する。それらは必要性および妥当性が確認されていない設備投資であり、電気料金に転嫁されるべきではない。

 

[第5章]原発ゼロ社会への行程

 

1.福島原発事故を発生させた国と東京電力との責任を明確にし、東京電力の破綻処理を進める。また、国の事故発生、原子力開発の責任に基づき、完全賠償、「人間の復興」事業の推進、脱原発社会への移行を進める。

2.原発ゼロ社会を実現するために〈脱原子力基本法〉を、エネルギー利用のあり方を持続可能なものに転換するために〈エネルギー転換基本法〉を制定する。また、原発ゼロ社会の実現に向けて、原子力開発を進めてきた組織を廃止する一方で、〈脱原子力庁〉を設置する。

 

3.日本政府は原発輸出を進めるための全ての政策を中止する。過酷事故は大地震・大津波の多発地帯である日本だけでなく、世界のどこでも起こりうる。危険施設を輸出することは許されない。官民一体のトップセールス、ベトナムやトルコに関する海外調査事業、政府系金融機関による巨額の融資や保険の提供は認められない。

 

[終章]「原子力複合体」主導の政策決定システムの欠陥と民主的政策 の実現への道

 

「原発ゼロ社会を実現する行程」に日本社会が進んでいくために、民意を反映する議会構成の実現、市民運動と公論形成の活発化、国会の政策形成機能の強化、自治体の独自の政策的取り組み、独立性のあるシンクタンクの形成、批判性のあるメディアと情報公開、という諸課題について、それぞれに積極的な取り組みを推進する。

 

 

問い合せ:原子力市民委員会事務局(高木仁三郎市民科学基金内)

160-0004 東京都新宿区四谷 1-21 戸田ビル 4F

TEL/FAX03-3358-7064 E-mail: email@ccnejapan.com 

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