前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本のメルトダウン(536)STAP細胞問題の小保方晴子氏会見をみて、感じた 「死に至る日本病」の正体とは・・・

   

  

日本のメルトダウン(536

 

STAP細胞問題での小保方晴子氏会見をみて、感じた
「死に至る日本病」の正体とは何か・・・

いつも日本の会見は「すいません」「申し訳ない」から始まる。「スイマセン」と頭を下げても問題は解決しない。頭を下げたからと言って事実を正直に述べるわけでもない。責任を取るわけではない。さいごまで、肝心な点はあいまいなままのことが多い。この「過度の謝罪病」こそ偽善的な態度そのものではないのか。(みんなの党の渡辺元代表の会見も、猪瀬前都知事の金をめぐる疑惑会見も同じパターン)

  事実関係を徹底して明らかにする真実に対する正直な態度、虚偽や不正を憎む良心こそ、科学者、ジャーナリスト、知識人だけでなく、日本人に求められる最低限の条件ではないのか。

  小保方氏の証言を聞いて痛感するのは事実はきちんと数字、記録、物的な証拠に基づいてのべるという態度の欠如である。それは「不勉強だった」とか「未熟だった」とかで、言い訳できる問題ではなく、根底に真実に対する怠慢、科学者としての良心の欠如があるといってよい。

  実験ノートがないというのは、ジャーナリストが取材に行ったのに取材ノートをとらなかったというのと等しい。イロハのイをやっていない。それなのに「STAPは200回以上成功」したという。その言ったのに、成功したこの大切な物的な証拠を出せないのは、大矛盾しているではないのか。

  しかも、自らへの捏造疑惑を晴らすための重要な会見の場で、「STAPは200回以上成功」したという物的証拠、記録、写真が提示できなければを、彼女の証言に信憑性がないと判断されるのは当たり前ではないか。

  さらに、この会見での記者の質問のお粗末ぶりには、いつものことだが腹が立った。この肝心なポイントー成功したという主張の物的証拠がなぜ出せないのか、

実験ノートに正確に記録しなかったのか、それは不勉強で済まされる問題ではないが、記者がこの矛盾点をひっこく追及しないことには驚いてしまった。小保方氏に「その時の心情は」「お気持ちは・」と感情的な質問が多く、日本のジャーナリストは理詰めの事実追求のできない、御用聞きジャーナリズムで、あくまで真実をあばいてやるという気概のない腰抜けジャーナリズムなのである。

  もし、新聞記者で「世紀のスクープといわれる大物との会見記」の原稿を書いても、それを裏付ける写真も取材ノートもなければ、デスクは記事の出稿をしないであろう。スクープをした人間は、その信憑性を担保する写真、録音テープなどによって確実に会見したデーターを提示する。科学者でありながら、しかもSTAP細胞という世紀の大発見をしながら、それを記録しなかったなんて、ありえないではないか。本人のいう通り、「200回も成功したなら、実験ノートに記載せず、証拠の写真、記録を取らないということなどはあり得ない、と断言してもいい。

  なぜなら、科学とは真実の証明の数字的、論理的、合理的なプロセスの説明であり、その筋道をあきらかにして、第3者が同じ実験をすれば誰でもで再現できるという「再現性」にある。この科学の存立条件を知らないわけがないではないか。

 

 

前坂 俊之(ジャーナリスト)

 

 

<動画150分全中継>STAP細胞問題で小保方晴子氏が会見

 

 

【動画】STAP細胞問題 小保方氏が会見し謝罪「未熟さで迷惑かけた」
http://thepage.jp/detail/20140408-00000014-wordleaf

 

小保方リーダー会見 STAP細胞について「再現できた人がいる」

 

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20140409-00000378-fnn-soci

 

◎「小保方氏会見:「STAPは200回以上成功」説得力なく

http://mainichi.jp/select/news/20140410k0000m040105000c.html

 

 

●「STAP細胞:小保方氏会見 主な一問一答(下)

http://mainichi.jp/feature/news/20140409mog00m040045000c.html

 

 

「体調は絶不調でした」「(STAP細胞は)
コツをクリアできれば必ず再現できます」

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140409/wlf14040916155005-n2.htm

 

 

 - IT・マスコミ論 , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
★5<まとめ記事再録>『歴史の復習問題』/『世界史の中の日露戦争』-『英タイムズ』,『米ニューヨーク・タイムズ』は「日露戦争をどう報道したのか(連載1回―20回まで)①』★『緊迫化する米/北朝鮮の軍事的衝突はあるのか、日露戦争勃発直前の英米紙の報道と比較しながら検証する①』

★5<まとめ記事再録>『歴史の復習問題』/ 『世界史の中の日露戦争』 再録・日本 …

no image
日本の最先端技術「見える化」チャンネルー村沢義久氏の『水素電池に未来なし、トヨタは生き残れるか」「時代は太陽光発電と電気自動車へーカギを握るのは蓄電池」(30分)

日本の最先端技術「見える化」チャンネル ENEX2019(第43回地球環境とエネ …

no image
『オンライン講座/新聞記者の冤罪と死刑追及の旅①』全告白『八海事件の真相』(上)<昭和戦後最大の死刑冤罪事件はこうして生まれた>①

   「サンデー毎日」(1977年9月4日号)に掲載  前坂 …

no image
知的巨人たちの百歳学(167)記事再録/『日本歴史上の最長寿、118歳(?)永田徳本の長寿の秘訣は・『豪邁不羈(ごうまいふき)の奇行です』

    2012/03/04 / 百歳学 …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(22) 普天間基地打開と日米交渉ー 菅直人・新政権の試金石に

  池田龍夫のマスコミ時評(22)   普天間基地打開と日米 …

no image
日本の最先端技術『見える化』チャンネル-『「働き方改革EXPO」(7/11、東京ビッグサイト)』でのプレゼンベスト5」★『ー都築電気の「超!高生産コンタクトセンターで働き方が変わる」』

日本の最先端技術『見える化』チャンネル- ★『都築電気の「超!高生産コンタクトセ …

no image
池田龍夫のマスコミ時評⑯ 「沖縄密約文書開示訴訟」の結審 4月9日の「判決」の行方を注視

池田龍夫のマスコミ時評⑯「沖縄密約文書開示訴訟」結審 4月9日「判決」の行方を注 …

「トランプ関税と戦う方法論⑪」★『赤沢亮正 経済再生担当大臣は金子堅太郎のインテリジェンスに学べ』★『ルーズベルト大統領はバルチック艦隊の接近を憂慮』★『日本海海戦勝利に狂喜した大統領は「万才!」と 漢字でかいた祝賀文を金子に送った』

以下は金子堅太郎が語る(「日露戦役秘録」1929年 博文館)より ルーズベルト大 …

no image
●世界最大規模「2013国際ロボット展」が開催ー産業用/民生用/介護の最新ロボットと関連技術を動画で全公開①

   ●☆ 世界最大規模「2013国際ロボット展」が開催 ― …

no image
太平洋戦争下の新聞メディア―60年目の検証―

1 < 2005年2月> 「マス・コミュニケーション研究No.66」掲載 前 坂 …