100周年を迎えたシャープは存亡の危機にたつー創業者・早川徳次の逆境・逆転・成功人生に帰れ「ピンチの後はチャンスが来る」
<月刊「理念と経営」2012年5月号>
『難』あり、『有難(ありがた)』し」
早川は1893年(明治26)11月、東京・日本橋で家具職人の3人男女の末っ子で生まれた。2歳で母が病気となったため養子に出された。養家は極貧の家庭で、毎日の食事にも事欠いた。可愛がってくれていた養母も翌年亡くなる。夜中に表に放り出され、冬なのに井戸水を頭からかける折檻や、長屋住宅の共同便所の便壺の中に突き落とされ、泣き叫ぶ声で近所の人からやっと助け出されたこともあった。養父と継母の間には次々に子供が生まれ、徳次はますます肩身の狭くなる。栄養失調でやせ細り、見るに見かねた近所の人が継母に説教すると、余計にひどい虐待がはねかえった。
2つ、3つ、4つと考える。だいたい、3つ目ぐらいにはうまくいく」
早川は一から出直しすることを決断した。それまでのシャープペンシルの特許50件、実用新案権など全部売って借金返済に当て、大阪へ都落ちし現在のシャープ本社の所在地・大阪市阿倍野区長池町(当時は東成郡田辺町)に借家を得て、早川金属工業研究所が開設した。シャープペンシルはもう製作できぬため、万年筆の付属金具やクリップの新型製作を開始し、新分野、新製品の開発に取り組んだ。
おぼつかない」
すでに外国ではラジオが普及し始めていたが、日本でも3月から、NHKラジオ放送局(NHK)が開設されたばかり。早川はこのラジオセットを徹底して分解し研究した。電気の初歩的知識もなかったが、長年の金属加工技術から、検波器.ノッチ、タ―ミナル、コイルなどのラジオ部品を見よう見まねで作り、同4月、自家製小型鉱石セットの組み立てに成功、日本で初めてのラジオ受信機第1号の完成である。
毎日、大阪市内の電気器具店やラジオ屋へリヤカーで卸に行くと、そのそばからどんどん、売れに売れた。これが早川電機(現・シャープ)のラジオ製作の先駆けとなった。1929年(昭和4)には真空管ラジオを発売し、『ラジオのシャープ』として業績を拡大、その後、第二次世界大戦を挟んで、徳次は幾度となく苦境に立たされた。しかし、徳次は持ち前の発明家精神で、その都度、逆境を克服する新製品を開発、普及させていった。
しかし、早川は「社員を失業者の群れに投じてまで延命をはからない」と銀行団の条件を断然拒否、「社員588人、全員一運托生で会社を去ろう」と厳命した。そこに思いもがけぬ事態が起きた。労組代表が「われわれの中から二百十人が希望退職をします。融資をうけ再建して下さい」と早川に訴えたのだ。「至誠天に通ず」早川は感泣した。以後、労使は火の玉となって再建へ立ち上がった。
が生んだ悲劇』
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20120829/ecn1208291811009-n1.htm
関連記事
-
-
近現代史の重要復習問題/知的巨人の百歳学(158)-『渋沢栄一(91歳)の国民平和外交を潰した関東軍の満州事変の独断暴走が、日本を破滅(戦争)の道へ陥れた。この4ヵ月後に渋沢は亡くなった』
近現代史の重要復習問題/知的巨人の百歳学(158) 明治、大正、昭和で最高のトッ …
-
-
世界が尊敬した日本人(33)「地球を彫ったコスモポリタン「イサム・ノグチ」世界から尊敬された日本人ではなく、日本主義と戦い、 乗り越えることでコスモポリタンとなった」
世界が尊敬した日本人(33) 地球を彫ったコスモポリタン「イサム・ …
-
-
『Z世代のための<日本安全保障史>講座①」★『1888年(明治21)の末広鉄腸の『安全保障論①』★『1888年(明治21)、優勝劣敗の世界に立って、日本は独立を 遂げることが出来るか』★『各国の興亡は第1は金力の競争、第2は兵力の競争、 第3は勉強力の競争、第4は智識(インテリジェンス)の競争である①』★『トランプ1国孤立主義で世界秩序は大変革期(大軍拡時代)に突入した』
2021/06/17 オンライン講座/日本興亡史の研究』 2015/11/23& …
-
-
日本リーダーパワー史(256)川上操六(35)◎日本が民主国家になれない原因ー秘密結社としての山県有朋の陸軍】
日本リーダーパワー史(256) 『明治の巨大国家プロジェクトを組み立て、戦 …
-
-
『Z世代への<日本史難問クイズ?>『リンカーン米大統領が奴隷の解放宣言をしたのは1862年(文久2年)ですが、日本で中国人奴隷(苦力)を解放したのは一体誰でしょうか⑲』★『西郷隆盛(参議・実質総理大臣)です。横浜港に入港した『マリア・ルース号事件』(清国人苦力=奴隷230人をペルーに運ぶ途中)で人権尊重の観点から外務卿・副島種臣に命じて停船を指示・船長を告発させ、裁判後に清国に送り替えした』★『「国の本来の政治は軍備の不備を恐れず、一国の運命をかけても、正論を以てこれを貫くべし」』
2019/07/27 日本リーダーパワー史(858)/記事再録 &n …
-
-
日本リーダーパワー史(490)『抱腹絶倒・「なんでもござれの万年大臣」「愛すべき奇人」 西郷従道伝で日本的リーダーシップを学ぶ
日本リーダーパワー史(490) …
-
-
『明治裏面史』★『日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー,リスク管理 ,インテリジェンス㊴『日本史決定的瞬間の児玉源太郎の決断力と責任⑪』●『日露戦争開戦前-陸海軍統帥部協同の準備と意見相違の内情』★『児玉次長の海軍将校に対する態度は慇懃を極め、あの敏活なる決心も、あの強硬的態度も、あの気短かも海軍の面前に出ては一切控えて常に反対の現象を呈した。』
『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リス …
-
-
日本メルトダウン・カウントダウンへ(900)『安倍首相の退陣すべきを論じる①」「消費増税再延期」<君、国をつぶすことなかれ、子供たちに借金を残すことなかれ>
日本メルトダウン・カウントダウンへ(900) 『安倍首相の退陣す …
-
-
『オンライン中国共産党100周年講座/2021/7/1日)』★『 2016/07/25の記事再録)日中関係がギグシャクしている今だからこそ、もう1度 振り返りたいー『中國革命/孫文を熱血支援した 日本人革命家たち①(1回→15回連載)犬養毅、宮崎滔天、平山周、頭山満、梅屋庄吉、秋山定輔ら』
2016/07/25」/記事再録『 辛 …
-
-
<F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(204)>『7年ぶりに、懐かしのアメリカ★『ブルックリンからイーストリヴァーを挟んでロウアーマンハッタンを遠望― 再建されたワンワールドトレードセンターが見える。』
逗子なぎさ橋珈琲テラス通信(2025/10/04/am8) &nbs …
