池田龍夫のマスコミ時評(65)●自民党総裁選をめぐる過剰報道に物申す(9・26)●日米同盟強化に基づき、グアムで軍事共同訓練
池田龍夫のマスコミ時評(65)
● 自民党総裁選をめぐる過剰報道に物申す(9・26)
●日米同盟強化に基づき、グアムで軍事共同訓練(.9・.24)
池田龍夫(ジャーナリスト)
自民党総裁選をめぐる過剰報道に物申す(9・26)
民主・自民両党の党首選挙をめぐる狂騒、領土問題に関する日・中・韓3国の対立が連日マスコミ報道を賑わしている。福島原発事故やヨーロッパ経済危機、そして中東の相次ぐ事件報道などが軽視されているように思われる。
特に党首選挙に対するマスコミ報道の過剰さに、些か辟易した。民主党は野田佳彦氏が圧倒的支持で再選を果たしたが、自民党5候補のツバ競り合いを新聞やテレビが連日大々的に報じたのは異常だ。自民党総裁は9月26日午後、決戦投票で安倍晋三氏にに決まったが、その間のマスコミ報道は煽り過ぎではなかったか。
日本記者クラブ主催による5候補の公開討論会は認めるが、その後マスコミ各社が競うように同様の討論を企画し、大幅に紙幅を割き、長時間放映していたことに違和感を覚えた。そもそも自民党総裁選には、国会議員と党員・党友の一部しか関与できず、一般有権者にはもちろん投票権がないからだ。
同工異曲の会見記事を繰り返し報道し続けたのは、余りにも安易ではなかったか。特に保守的体質の各候補の主張が気になって仕方なかった。
果たしてマスコミの過剰報道に問題はなかったか。各社はどう考えて報道したのか、問いたいと思う。
。
日米同盟強化に基づき、グアムで軍事共同訓練(.9・.24)
日米両政府は9月19日垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、国内運用の安全性が十分確認されたとして「運用宣言」を発表。21日から山口県岩国市沖の日本海で飛行訓練飛行を始めた。
米国はアジア太平洋に重点を置いた戦略に転換
オバマ米大統領は1月、アジアの安全保障を重視する「新国防戦略」を発表。中国の経済的・軍事的台頭をにらんだ戦略に違いない。国防費大幅削減で米軍の世界展開が困難になるため、日・韓をはじめ東南アジア同盟国に軍事協力の強化と経済的負担増を要請してきたことは重大である。
毎日新聞1月7日付社説が「米国の国防費は今後10年で4900億㌦も削減される。無い袖は振れないから、地上戦力を中心に米軍の規模を縮小し、アジア太平洋地域重点を置こうというのだ。昨年11月オバマ大統領はオーストラリア北部に最大2500人規模の海兵隊を駐留させることで豪側と合意し、アジア太平洋地域を米国の安全保障政策の位置づけると表明した」と指摘していた通りだろう。
離党奪還の日米軍事訓練を実施
米新戦略の行方を危惧していたところ、陸上自衛隊と米海兵隊が共同訓練を実施したとの報がもたらされた。毎日新聞9月23日付朝刊が「9月22日グアム島で実施している日米防衛訓練で、離党奪還を想定した初めての強襲上陸訓練を報道陣に公開した」とのグアム発特派員電に驚かされた。中国を念頭に置いた日米同盟強化の一環とはいえ、日米軍事協力が加速されないか、との心配が募った。
尖閣諸島、竹島問題の処理に苦慮している折、中国を刺激するような日米共同訓練は却って対立を激化させかねない。オスプレイ配備について、日本政府が米政府に環境への配慮を強く要請した気迫は全く見られない。米側の一方的な配備に従わざるを得ない日本外交の非力さを痛感するばかりだ。また、日米軍事一体化についても、米側の戦略に振り回されている印象が強い。
(いけだ・たつお)1953年毎日新聞入社、中部本社編集局長・紙面審査委員長など。
関連記事
-
-
日本リーダーパワー史(707) 安倍首相の<多動性外交症候群>『日露領土交渉』で再び失敗を繰り返し てはならない②『日露首脳会談】プーチン氏、北方領土で日本マネー取り込み「愛国機運」背景に軟化の余地なし』●『北方領土「新たな発想」、局面打開の具体策は見えず「この3年、何も動かず」露ペースに懸念』●『なぜ今、日露首脳会談? 実現に意欲の安倍首相、大局的な狙いを海外メディアが考察 』
日本リーダーパワー史(707) 安倍首相は『日露領土交渉』で再び失敗を繰り返し …
-
-
日本の最先端技術『見える化』チャンネル-『「働き方改革EXPO」(7/11、東京ビッグサイト)』でのプレゼンベスト5」★『ー都築電気の「超!高生産コンタクトセンターで働き方が変わる」』
日本の最先端技術『見える化』チャンネル- ★『都築電気の「超!高生産コンタクトセ …
-
-
歴代首相NO1は明治維新の立役者・伊藤博文で『歴代宰相では最高の情報発信力があったと英『タイムズ』の追悼文で歴史に残る政治家と絶賛>
2010/11/26 日本リー …
-
-
「第45回 東京モーターショー2017」-『TOYOTAブースの「GR HV Sports」コンセプトカー』★「DAIHATSUブースのコンセプトカー」
日本最先端技術『見える化』チャンネル 「第45回 東京モーターショー2017」 …
-
-
日本リーダーパワー史(941)~「ノーベル賞とジャーナリズム」★『社会を根本的に変えるのは科学技術の進歩とイノベーション』★『最も必要な教育とは科学教育であり、論理的な思考力である』
日本リーダーパワー史(941) ノーベル賞とジャーナリズム 今年のノーベル生理学 …
-
-
世界/日本リーダーパワー史(958)『ファーウェイ幹部逮捕で本格化、米国の対中防諜戦米国と諜報活動協定を結ぶ国が増加中』★『 AIの軍事利用で世界最先端を進み始めた中国』★『狙われる東京五輪とサイバーセキュリティー』
世界/日本リーダーパワー史(958) 『狙われる東京五輪とサイバーセキュリティー …
-
-
片野勧の衝撃レポート(83) 原発と国家―封印された核の真実⑭三谷太一郎 (政治学者、文化勲章受章者)の証言②『主権国家中心の現在の「国際社会」ではなく、 主権国家以外のさまざまな社会集団も加えた 多元的な「国際社会」を再構築することが必要だ」。
片野勧の衝撃レポート(83) 原発と国家― 封印された核の真実⑭(1997~2 …
-
-
世界最先端技術『見える化』チャンネルー大前研一の特別講義「狭い日本はクオリティ型農業で勝負せよ」●『 AI革命で日本株は復活する(藤田勉) 日本戦略総研社長』●『世界的にまだ新しい手法「コ・クリエイション」の5つの原則』●『日産の可変圧縮比エンジンは100年に1度の大発明!? そのすごさを理解する』
大前研一の特別講義「狭い日本はクオリティ型農業で勝負せよ」 http://jbp …
