前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(69)●「夜間外出禁止令」をよそに、またも米兵が乱暴狼藉」●「厚木基地で、オスプレイ飛行訓練とは」

      2015/01/01

    池田龍夫のマスコミ時評(69)

夜間外出禁止令」をよそに、またも米兵が乱暴

狼藉(11・15) 

●厚木基地で、オスプレイ飛行訓練とは(117

    池田龍夫(ジャーナリスト)

「夜間外出禁止令」をよそに、またも米兵が

乱暴狼藉(11・15)

 

 沖縄県読谷村古堅固の居酒屋で112日、酔っ払った米兵に店長が「11時になりますので、門限ですよ」と声をかけたところ、突然階段を駆け上がって3階の民家に侵入。寝ていた少年の顔を殴りテレビを破壊するなどして窓から逃走を図った。ところが窓から転落して負傷、米軍基地内の病院に運ばれる事件が発生した。 

       半月前に夜間外出禁止令が出されたというのに…

 半月前の1016日に、米海兵隊2人が集団強姦事件を起こしたばかり。米軍はいち早く「日本に駐留する米軍兵士に対し、夜間外出(午後11時~午前5時)禁止令」を出したが守られず、米兵の相次ぐ乱暴狼藉に沖縄県民の怒りはさらに高まっている。
政府は再度の米兵犯罪を重視して、外相、防衛相が米側に強く抗議、ルース駐日米大使も「再発防止と真相究明に全力を挙げる」と述べた。2日には首相官邸で全国知事会が開かれており、仲井真弘多沖縄県知事は野田佳彦首相に「米側は綱紀を守ると言いながら現実にはならない。日米地位協定が諸悪の根源だと県民は思っている」と、語気鋭く迫った。

      政府は堂々と地位協定の見直しに臨め

ところが、藤村修官房長官の「米側は捜査に全面協力しており、米兵の身柄引き渡しを要請する必要はない」との見解には驚いた。今回もまた米軍基地外での犯罪。転落した米兵は重傷のようだが、身柄引き渡しを要請するのは当然である。

 政府は「日米地位協定」見直しに、なぜ逡巡するのだろうか。オスプレイの夜間・早朝の強引な飛行訓練に住民の不安は募るばかり。これまた米軍優位の地位協定が根っこにある。政府は対米従属姿勢を脱ぎ捨てて、堂々と見直し交渉に臨んでもらいたい。

 

厚木基地で、オスプレイ飛行訓練とは(117

 

米軍の計画に従っていれば、日本の空は安全というのだろうか。沖縄での垂直離着陸陸輸送機オスプレイの飛行訓練が問題化している折、本土での訓練計画に厚木基地(神奈川県)を加えることが明らかになった。キャンプ富士(静岡県)岩国(山口県)などを使って今月中に実施すると日本側に通告していたが、その中に厚木基地も含まれていたという。 
毎日新聞115日付夕刊だけが1面トップに報じた情報で、「米計画に明記」と記している。

 

        母港・横須賀―厚木基地に頻繁に飛来する米軍機

厚木市は人口20万人を超す大都市。厚木基地に飛来する米軍機の大部分は、横須賀を

事実上の母港とする。艦載機は通常、空母が横須賀に入港する前に洋上から大挙して厚木
基地に飛来し、出港後洋上の空母に帰還している。艦載機の騒音で生活環境は極度に悪化、
市民の反発は年毎に高まっている。

197792713時過ぎ、ファントム墜落事故を思い出す。離陸直後にエンジン火災を起こし、乗員2名は緊急脱出したが、住宅地に墜落。周辺の家屋を炎上。市民9名が負傷、うち3歳と1歳の男児2名の兄弟が全身火傷で死亡した大事故である。

 全国の基地の中で最も危険性の高い厚木基地。森元敏防衛相が112日の全国知事会で厚木でのオスプレイ訓練に言及しなかったのは、「突然公表すれば、地元の強い反発を招くため、控えたのではないか」と勘ぐる向きもある。

       米軍に物申せぬ政府の弱腰が悲しい

 オスプレイの飛行訓練に関し、米軍は反発を警戒して計画を〝小出し〟にしている印象を受ける。今回のことも同じで、米軍の常套手段だ。政府は、米側の強引なやり方に何故異議を示さないのか。抗議どころか、追従の姿勢が悲しい。

いけだ・たつお)1953年毎日新聞入社、中部本社編集局長・紙面審査委員長など。

 - IT・マスコミ論 , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『オープン講座/ウクライナ戦争と日露戦争④』世界史の中の『日露戦争』⑱『日露戦争-朝鮮の独立と領土保全のための戦争』『タイムズ』【開戦3週間】★『日本が朝鮮と締結した条約の全文は,英米両国は好意的にみている。』★『 日本は朝鮮の皇室の「安寧」と「朝鮮帝国の独立と領土保全」を保障している』

    2013/06/18 記事再録 &nbsp …

世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記(2015 /10/10-18>「神秘に包まれた『マチュピチュ』の全記録、一挙公開!」水野国男(カメラマン)③

2015/11/09< 世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記 …

歴代首相NO1は明治維新の立役者・伊藤博文で『歴代宰相では最高の情報発信力があったと英『タイムズ』の追悼文で歴史に残る政治家と絶賛>

    2010/11/26  日本リー …

no image
近現代史の重要復習問題/記事再録/2011/04/06 日本リーダーパワー史(137)-『関東大震災での山本権兵衛首相、渋沢栄一の決断と行動力に学ぶ』★『関東大震災直撃の日本には「総理大臣はいなかった」』★『平成の大失敗/3・11で全く無能を証明した日本のリーダーたち』』

日本リーダーパワー史(137) 関東大震災での山本権兵衛首相、渋沢栄一の決断と行 …

「元団塊記者/山チャンの海外カメラ紀行①」★『オーストラリア・シドニー編」『街のシンボル、ハーバーブリッジとオペラハウスは観光客で大賑わい。中国人が多いのは日本と同じでした。』

  「2017年12月19日,美しきシドニー旅行記」① 2017年末の …

知的巨人の百歳学(113)ー徳富蘇峰(94歳)ー『生涯現役500冊以上、日本一の思想家、歴史家、ジャーナリストの健康長寿、創作、ウオーキング!』

徳富蘇峰(94歳)ー『生涯現役500冊以上、日本一の思想家、歴史家、ジャーナリス …

no image
<クイズ>-世界で最ももてたイケメンの日本人は誰でしょうか?-ファースト・サムライの立石斧次郎

<クイズ>-世界で最ももてたイケメンの日本人はだれでしょうか①   全 …

『Z世代のための百歳女性文学者入門』★『作家・宇野千代(98歳)の研究②』★『自主独立の精神で、いつまでも美しく自由奔放に恋愛に文学に精一杯生きた作家人生』★『私の長寿文学10訓』★『83歳で「毎日、机に必ず坐る」「書けると信じる」「一万歩歩く」を実践、86歳で100万部ベストセラーを出版した長寿美筆力』

   2024/08/25   宇野千代 …

no image
『 地球の未来/世界の明日はどうなる』< 世界、日本メルトダウン(1041)> 『トランプ大統領の就任100日間(4/29日)が突破した』③『注目された米中会談(4/6,7)の内容とその結果は?・』★『朝鮮半島クライシス!』『トランプの北朝鮮威嚇で中国が高笑いの理由―ー北朝鮮をどんな形でもコントロールできる中国』●『朝鮮半島有事で日本に大量に「難民」が流入するの?』★『北朝鮮が中国を名指し批判――中国の反応は?』

 『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 世界、日本メルトダウン(1041) …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(35) 『迷走つづく「普天間移設」―「辺野古」にこだわる日米政府の無策』

池田龍夫のマスコミ時評(35)   『迷走つづく「普天間移設」―「辺野 …