『世界/日本史で社会を変えた名言・警語』-『東洋の『ジャンヌ・ダルク』と称された福田英子の<女性は二重の奴隷である。二重の奴隷とは、一つは男からの解放であり、一つは富からの解放である(1907)』
女性は二重の奴隷である。
福田 英子(ふくだひでこ)
日本における女性解放迎動のバイオ二アであり、東洋の『ジャンヌ・ダルク』と称された。明治40年(1907)1月に「雑誌世界婦人」を創刊した。堺利彦、木下尚江らが応援したとはいえ、女性による政治的な思想雑誌は、これが初めてであった。
二重の奴隷とは、「一つは男からの解放であり、一つは富からの解放である」と同誌で主張。「男性優位の社会、資本制社会の両者に女性が支配されていることを明確に指摘。自伝『妾(しょう)の半生涯』で、男性からの解放について次のように記している。
「ああ、世にはかくのごとくの如く、父母に威圧せられてただ儀式的に機械的に、愛もなき男と結婚するものが多からんに、いかにしてこれらの不幸な婦人をして独立自営の道を歩ませるか、この時より、妾(しょう)が胸に深くも刻み付けられたる願いなりける」
慶応3年(1867)、岡山・池田藩の下級武士の家に生れた。父・兼山確が祐筆だったので学問があり、母・楳子(うめこ)が寺子屋を開いて家計を支えた。維新後、明治16年(1833)を私塾・蒸紅学社を母、兄とともに興し、自己の経営的自立をはかるとともに、女子教育に重点をおいた。
自由民権運動が撚えあがっていた。『ジャンヌ・ダルク』の訳本を読み、「日本のジャンヌ・ダルクになる」と決心した。明治18年8月、自由党の集会に参加、これが「集会条令」(新聞紙条例、出版条例とともに結社の自由を禁じた条例で自由民権運動を弾圧した条例)に触れ、英子の私塾は閉鎮される。これがきっかけとなって上京、自由党党の運動に挺身するうち、大井憲太郎の命令で、爆弾をもって朝鮮にわたる前夜、長崎で逮捕され、大井らも大阪で検挙された。(大阪事件)
出獄して、大井と結ばれるが、内縁の妻であった。間もなく、大井が男女関係については、封建的な考えであることを知って離別した。
その後、福田友作と結婚し3児をもうけるが、夫が変死してしまう。『婦人問題の解決』で、「社会主義の実現こそ婦人の解放である」と論じたりしたが、失意のうちに昭和2年(1927)、61歳で急死した。
関連記事
-
-
『百歳学入門(215)』100歳時代の世界のシンボル・ギネス芸術家・平櫛田中(107歳)の長寿パワー(気魄・禅語)に学ぶ』★『悲しいときには泣くがよい。つらいときにも泣くがよい。 涙流して耐えねばならぬ。不幸がやがて薬になる』
記事再録/2010/07/31 日本リーダーパワー史(77) 『超 …
-
-
『リモートワーク/外国人観光客への『姫路城』全動画中継(2015/04/01)』ーほぼ満開のサクラに包まれた美しい白鷺城を一周、場内も見学した』②
•2015/04/01 春らんまんの『白鷺城』 東京から姫路駅に新 …
-
-
『Z世代のための米大統領選挙連続講座①』★『バイデン大統領(81歳)対トランプ前大統領(78歳)の「老害・怨念デスマッチ」
材木座通信24/07/09pm600影絵の富士山とウインドウサーイン 2024/ …
-
-
知的巨人たちの百歳学(183)/記事再録/『中国の沙漠を甦らせた奇跡の男・遠山正瑛(97歳)』★『やればできる、やらなきやできない。それだけのことですよ。世の中、口ばかりで行動に移さない人間が多すぎるんだねえ』
2013/09/26   …
-
-
知的巨人の百歳学(141)-日本画家・奥村土牛(101歳) は「牛のあゆみ」でわが長い道を行いく』★『スーパー長寿の秘訣はクリエイティブな仕事に没頭すること』』
『60歳から代表作を次々に出した奥村土牛』 芸術に完成はあり得ない …
-
-
終戦70年・日本敗戦史(135の続)「国を焦土と化すとも」と国際連盟を脱退する外交大失敗を冒した荒木陸相、森恪、松岡洋右のコンビと新聞の不見識
終戦70年・日本敗戦史(135の続) <世田谷市民大学2015> …
-
-
『Z世代のための百歳女性学入門③」★『ギネス天女姉妹からの応援メッセージ』★『蟹江ぎん(108)、きん(107)さんの元気長寿10ヵ条など』
2011/06/27 百歳学入門(26) 記 …
-
-
百歳学入門(50)ギネスブック世界最長寿120歳の泉重千代さんの養生訓、長寿十訓とは何か
百歳学入門(50) ギネスブック世界最長寿120歳の泉重千代さん …
-
-
『わが書斎の窓から』ーわが夏のエンターテーナー/ミンミンゼミ君が桜の古木で発啼きじゃ( 2012/07/30))★『2023年夏はアブラゼミも、ミンミンゼミも、ツクツクボウシも全く来ない、地球環境異変じゃ!』
わが書斎の窓からー わが夏のエンターテーナー/ミンミンゼミが桜の古 …
-
-
『オンライン現代史講座/2・26事件の原因の1つは東北凶作による女性の身売りが激増』③『アメリカ発の世界恐慌(1929年)→昭和恐慌→農業恐慌→東北凶作ー欠食児童、女性の身売り問題→国家改造/超国家主義/昭和維新→5・15事件(1932)→2・26事件(1936)、日中戦争、太平洋戦争への道へと転落した』
昭和七年(1932) 悲惨、娘身売りの残酷物語ー売られ行く娘たち 凶作地の惨状 …
