前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(175)★『中曽根康元首相(101歳)が11月29日午前、死去した』★『中曽根康弘元首相が100歳の誕生日を迎えた』★『昭和戦後の宰相では最高の『戦略家』であり、<日米中韓外交>でも最高の外交手腕を発揮した。』

      2019/12/01

  田中角栄と同期で戦後第1回目の衆議院議員選挙で当選した中曽根康弘元首相が11月29日午前、死去した。101歳だった。憲法改正を一貫して掲げ、小派閥を率いて『首相公選論」を唱えて宰相を目指して奮闘し、首相になってからはその政治理念を実現する大統領型の首相として「有言実行」で戦後政治の総決算を掲げ、日米関係の強化、「ロンヤㇲ」の蜜月を築き、自民党の今もできていない「行政改革」(JR,NTTの民営化)で実績を残した、戦後最高の「実力型内閣」「結果を残した」内閣であった。

    『百歳学入門』(228)記事転載

中曽根康弘元首相は2018年5月27日に100歳の誕生日を迎えた。「自主憲法制定」を訴えて政治活動を続け、1982年から約5年の首相在任中には「戦後政治の総決算」を掲げた。「大統領型首相」を目指し、トップダウン型の首相官邸の基礎を築いた。

https://mainichi.jp/articles/20180526/k00/00m/010/106000c

中曽根康弘(1918年(大正7年)5月27日 – )

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9B%BD%E6%A0%B9%E5%BA%B7%E5%BC%98

外交では米国のレーガン大統領(当時)と今のトランプ安倍首相の親密関係以上の「ロン・ヤス」関係を築き、「日本列島を不沈空母にする」と発言、野党、マスコミから一斉攻撃された。一方、中国・韓国の首脳とも信頼関係を培って、見事なバランス感覚を示した。

中曽根氏は1982年に総理大臣に就任したが、秘書を務めた柳本卓治参院議員は「他国の犠牲の上に日本の幸せを築いてはならない。これが中曽根政治の基本だ」といい、同じ年に胡耀邦氏は中国共産党中央委員会の総書記に就任し、改革開放路線と自由化路線を打ち出した。

ここから日本と中国のトップ同士の交流が始まる。「外交はつまるところ、トップ同士の友好関係である」との信念の中曽根氏は胡耀邦氏と肝胆合い照らす仲、両家の家族ぐるみの付き合いが行った。

その点では昭和戦後の宰相では最高の『戦略家』であり、外交手腕の名手でもあった。

http://www.tanakashigeru.com/blog/archive/5608/

中曽根康弘元首相「白寿」を祝う会 安倍晋三首相が救われた大勲位の一言とは…
https://www.sankei.com/politics/news/170515/plt1705150026-n1.html

 

●『100歳へ! 中曽根康弘「長寿」の秘訣』田中茂著 光文社 2014
は中曽根康弘元総理の秘書を二十数年務め「中曽根康弘を最もよく知る最後の秘書」といわれる田中茂参議院議員が、中曽根氏に人生と政治に対する危機管理についての指針、中曽根自身の語った言葉から「長寿」の秘訣をまとめたもの。『長寿の秘訣』に迫っており、超高齢化社会を迎えた日本で、高齢者は老年をどう生きるか―大変参考になる健康法、精神力が満載なので、転載させていただきました。

 

第1条「(歳を取ることで見える世界が変わってきたか)との問いにーー、それは視野も広がるし、人間や世界に対する見方が深まってくる。しかし、具体的に変わったな、と感じるようなことはないね。」

第2条 「(長寿の秘訣は?)ーー人間の生に対する忠実性。また、運命に対する従順性。つまり、運命に反抗しないこと。そこに心の安定を持続する。それが長生きのもとだよ)

第3条「(長寿の秘訣は?)―座禅をやったり、自分で生きる意味というものを昔は考えたりしたものだ。結論は運命に従順だと、人生に忠実だと。あるいは人生というか、天命に忠実であることだ」

第4条 「(長寿の秘訣に対して)キミ、それは使命感だよ。」「使命感とは豊かで、世界に発信できる強い日本を創ること、その状態を国民が享受できること、そのために勉強すること」

第5条 -「長生きの秘訣は!」―精神の安定とストレスを持たないこと。歳を取ると過去に対する思いか、これから生きるわずかな時間に対する思いとかね、そういう感慨にふける朝とか、夕べとか、そういう時間帯があるね。

第6条 - 『未来は考えないね。今を充実させていくことで精いっぱいだ。未来は神様が与えてくれるものだ』

第7条「昔は、人生は60年と言ったからねえ……。問題は歳を取る長さよりも、何をやってあの世に行くかということだ。何をやるかということを考えて、そのほかのことはあまり考えないようにしている。それは無駄だと思っている」

第8条-「いつまで生きるということが、人生だとは思っていない。「人生、みんな途中下車するけど、俺は途中下車しない」と色紙に書いてから私に見せ、ニヤリと笑った。

第9条-「(大隈重信は人生125歳と言いましたが、人間はいくつぐらいまで生きられると思いますか?)――「そういうことは、意味がないと思っているんだ。今を生きることが人生だと思っているから。いつまで生きるということが、人生だとは思っていない。だからそんなことは考えない」

第10条-『今を生きるとは、今何をなすべきか、という意味でもある。それが、充実した人生を送ることにつながるのです。高齢化社会をどのように生きるか、その答えがまさにここにある』

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

★『湘南海山ぶらぶら動画日記』★『2月18日夕方、クリーンな富士山のサンセットを見ようと久しぶりに葉山森戸海岸、石原裕次郎の記念碑までぶらり散歩したよ。かくも美しき世界に心癒される』』

湘南海山ぶらぶら日記         葉 …

no image
日本リーダーパワー史(606)日本国難史にみる『戦略思考の欠落』②「ペリー黒船来航情報を無視、無策で徳川幕府崩壊へ②「オランダからの来航予告に対応せず、猜疑心と怯惰のため時間を無駄にすごした」【勝海舟)

  日本リーダーパワー史(606) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』② (開国 …

『Z世代への日本現代史・決定的瞬間講座』★『1904年1月、ハルピン駅で暗殺された 初代総理大臣・伊藤博文の訃報を聞いた瞬間の山県有朋の談話』★『伊藤公狙撃さる・・龍顔を拝して涙下る公爵・山県有朋談』

2010/12/29  日本リーダーパワー史(113)記事再録 『冒険 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールドー・ウオッチ㊴』● 『日本球界は先発投手の球数管理を厳格に」(ニューヨークタイムズ1/22)

  『F国際ビジネスマンのワールドー・ウオッチ㊴』&nbsp …

no image
速報(101)『日本のメルトダウン』『 海江田経産相から直接電話があった』『今後解放されることはないセシウム汚染』

 速報(101)『日本のメルトダウン』   ●(小出裕章動画 …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(75)『原発13基に、電源盤ショートの危険(1・9)』『シロタ・ゴードン女史の死に思う―平和憲法の意義(1・7)』

  池田龍夫のマスコミ時評(75)   ◎『原発13基に、電 …

no image
日本リーダーパワー史(81)辛亥革命百年(17)孫文と宮崎 滔天の出会いの瞬間<「三十三の夢」より>

日本リーダーパワー史(81) 辛亥革命百年(17)孫文と宮崎 滔天の出会いの瞬間 …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(60)◎『原子力政策の抜本的見直しを』ー―「国会事故調」の提言を生かせー」

 池田龍夫のマスコミ時評(60)     ◎『原子力政策の抜 …

no image
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(234)/ 『日本のドローン市場の発展を妨げる各種規制を撤廃して成長産業に離陸させねばならない』★『 第3回国際ドローン展(2017/4/20)』ー『ロームの<ドローン産業の未来を支えるI0Tソリューション>』★『JUAVAC ドローン エキスパート アカデミーのドローン女子』のプレゼン(動画20分あり)

    2017/04/22 /日本・世界最先端「 …

no image
速報「日本のメルトダウン」(497)<You Tube時代へ!>You Tubeで生活している“プロYouTuber”が増加中。

  速報「日本のメルトダウン」(497)   <Y …