前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

記事再録/知的巨人たちの百歳学(130 )『百里を行くものは、九十里を半ばにす』 ●『心は常に楽しむべし、苦しむべからず、身はつねに労すべし、 やすめ過すべからず』貝原益軒) 』●『老いておこたれば、則ち名なし』●『功のなるは、成るの日に、成るにあらず』●『 咋日の非を悔ゆるものこれあり、今日の過を改むるものすくなし」(佐藤一斎 )

   

2016/07/03 百歳学入門(149)

  • 『百里を行くものは 九十里を半ばにす』戦国策

徳川家康にもこの語があるが、彼もまたこの、戦国策を読んだのであろう。まことに人生の重大な秘訣を見抜いた語である。

人生行路は数学とはちがう。人生百里の半ばは九十里である。あとの十里が、今までの九十里に匹敵する艱難が待ち構えている。

『人々が、もう一息というところでくじけてしまって、大事が成功しないのは、まさにここにある。

『九仞の功を人々は一簣(いっき)に虧(か)く』のである。最後まで、決して力を抜いてはならない。マラソンレースの最後のトラックでぬかれはならない。この秘けつが九十里をもって半ばとするにある。

◎『心は常に楽しむべし、苦しむべからず、身はつねに労すべし、やすめ過すべからず』(貝原益軒)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%9D%E5%8E%9F%E7%9B%8A%E8%BB%92

大ていの人間がこの反対である。体の方はらくをして、心の方だけ苦しめている。

取越し苦労をしたり、すぎ去ったことを悔んでいる。また体をらくにしたために、あとで心を苦しめている。

人は体の労苦さえいとわなければ、自然に心はたのしくなる。日々の仕事に身体を労せよ、そして今日の仕事を明日にのこさない。そういう人はつねに心が朝日に向うように

晴れ晴れととさわやかである。

 『老いておこたれば 則ち名なし』呂氏春秋(中国秦の時代の史論)

人生一切の事、事業でも学問でも芸術でも何でも、最後の息をひきとるまで、真剣に努力精進しないものは、ついに名を得ることはできない。

難しいのは才能天分の発揮ではなく、それを最後までつづけるところにある。もう自分は老いたら、晩年はひとつ、のんきにおくろうなどと、考える人々は決して名を成すことはできない。たとえば牧野富太郎翁

など、あの『植物学の泰斗』の名を不朽にされたのは、あの高齢の最後まで精進されたところにあった。〔中国案時代の史論壱〕

  • 『功のなるは 成るの日に 成るにあらず』蘇洵(老泉)

西洋の諺にも「ローマは一目にて成るにあらず」というのがあるが、すべて功というものはその時、突然にあらわれるものでない。

ニュースとなって突然、知られるのであって、それがそうなるのにはながい原因がある。いろいろな努力や精進があって、はじめて功はあらわれるのだ。

それを忘れて、ただ功のあらわれたそこだけを見てうらやんでも駄目である。不断の努力、かくれたる精進、忍耐、そういうものを日々、おこたることなく努力することによって結実する。それを忘れては人生の成功はあり得ぬ。〔中国宋の学者、1009-1069〕

  • 「咋日の非を悔ゆるものこれあり、今日の過を改むるものすくなし」 佐藤一斎

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%B8%80%E6%96%8E

世間に、後悔をしている人は多い、昨日、ああしたければよかった、あれが失敗だった、そう言って悔む人は多い。ところが、それほどにすぎ去った昨日のことは後悔している癖に、その昨日の今日、過ちを改める人はまことにすくない。

結局、そういう人は一生後悔ばかりしている。後悔ばなしを聞くと如何にも殊勝のようだが、今日その過ちを改めないでは何の価値もない。この過ちを改めるという事だけがその人を精神的にも物質的にも成功させる唯一の道である。

  • 『悔悟はこれ病を去るの薬たり。しかれどもこれを改むるもって 貴しとなす 』      王陽明

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E9%99%BD%E6%98%

この言菜の次に「もし中に留滞せばすなわちまた薬たよりて病を発せん」といっている。

悔悟というものは、ちょうど病気をなくする薬のようなもので、これなくては病気はなおらぬ。しかし悔悟しただけで、その後の行ないを改めないでいては何にもならぬ。

何にもならぬだけでなく、自己を内心で責めてばかりいると、それによってストレスがはまり、病気となる。

悔悟するときは、直ちにその行ないを改めるべし。そうすると心機一転して道を開くことが出来るのである。

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『オンライン住友財閥(グループ)講座』★『住友財閥の中興の祖『幽翁』伊庭貞剛の経営哲学』★『部下を信頼して「目をつぶって判を押さない書類は作るな』★『人を使うには4つのしばりつけに注意すべきだ』★『 リーダーは『熟慮・祈念・放下・断行』せよ』

  2019/11/20  /『 リーダーシップの …

『Z世代のための国会開設、議会主義の理論を紹介した日本最初の民主主義者・中江兆民講座①』★『兆民、大久保利通に知られる』★『 自由民権運動の演壇に股引と印ばんてんの服装で登場』★『伊藤、大隈、山県らの元老たちを罵倒す』

逗子なぎさ橋通信、24/06/30/am700]梅雨の合間の夏空に富士山はお隠れ …

世界最長寿120歳の泉重千代さんの養生訓』★『①万事くよくよしない②腹八分か七分がいい③酒は適量ゆっくりと④目がさめたとき深呼吸⑤やること決めて、規則正しく⑥自分の足で散歩に出よう⑦自然が一番、さからわない⑧誰とでも話す、笑いあう⑨歳は忘れて、考えない⑩健康はお天とう様のおかげ』

2009/06/19    2025/04/25記事再編集 …

no image
『オンライン現代史講座/2・26事件とは何だったのか①』-「日本最大のクーデター」2・26事件でトドメを刺された新聞』作家・広津和郎の新聞批判「八百長的な笑い」★『2・26事件の3か月後に起きた阿部定事件、お定は<世直し大明神>と旋風を起こす』

『2・26事件とは何だったのか』(戦時下の愛のコリーダ」 前坂俊之×「2・26事 …

no image
日本メルトダウン脱出法(560)「日本を襲うWリスク」-「警察官」の役割を放棄する米国」『25年の不文律を破った周永康立件の習近平」

     日本メルトダウン脱出法(560 …

「オンライン・日本史決定的瞬間講座⑪」★『電力の鬼」松永安左エ門(95歳)の75歳からの長寿逆転突破力②』★『戦時下は「渇しても盗泉の水をのまず 独立自尊の心証を知らんや」と隠棲し茶道三昧に徹する』★『雌雄10年、75歳で「電気事業再編成審議会会長」に復帰』★『池田勇人と松永安左エ門の「一期一会」』★『地獄で仏のGHQのケネディ顧問』』

  渇しても盗泉の水をのまず 独立自尊の心証を知らんや 戦時下には社会 …

no image
日本リーダーパワー史(854)ー『2018年には米朝開戦か、北朝鮮を核保有国と認めて 「核シェアリング」で核抑止するかーギリギリの選択を迫られる 』(下)『北朝鮮は「核保有国」を宣言。核開発と経済発展の『並進路線』を推進 』

  北朝鮮は「核保有国」を宣言。核開発と経済発展の『並進路線』を推進  …

『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ ウオッチ(232)』-『3/30午後、東京を代表する目黒川周辺の桜並木は満開の<春爛漫>、ビユーティフル・ワンダーランド』

『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ ウオッチ(231)』- 3/30 午後 …

no image
日本リーダーパワー史(276)『原敬と小沢一郎を比較すれば』①『日本の歴代首相でリーダーシップNO1は原敬であるー

日本リーダーパワー史(276)   『原敬と小沢一郎を比較する』① 『 …

no image
『オンライン/鎌倉ウインドサーフィン動画』★『鎌倉材木座の青春の輝き』(2020/11/22)★『太陽がいっぱいの青い海にカラフルでキラキラ輝くウインドサーフィンの美しいチョウチョの舞が見えた。

鎌倉材木座の青春の輝き(2020/11/22am11)-太陽がいっぱいの青い海( …