『2018年、米朝戦争はあるのか➈』-『トランプ大統領の「認知症騒動の顛末」★『銃乱射の被害者を訪問したトランプ、ご機嫌で大顰蹙(ひんしゅく)。この男に心はあるのか?』★『米副大統領、平昌五輪で北朝鮮と会談予定だった 北朝鮮がドタキャン』
トランプ大統領の「認知症騒動の顛末」
前坂 俊之(ジャーナリスト)
CNNは1月15日、「トランプ大統領は認知症ではないのか」と米、カナダ、ドイツなどの専門家70人が検査を求める書簡を大統領の主治医に送付したと報じた。「発言にまとまりがない、ろれつが回らない、古くからの友人の顔が見分けられない、同じ内容の発言を繰り返す」などが認知症疑いの理由であった。
これに対し、主治医は翌16日に検査結果を発表し、トランプ氏は30問の認知検査のすべてに正解し「認知症(アルツハイマー症)の兆候は全くみられない」と完全否定した。トランプ自身も「私はとても精神が安定した天才だ」とツイートしていつもの通り自画自賛した。
トランプ氏は「認知症」なのか、フェイクニュースなのか、?!。すると今度は1月21日にワシントン・ポスト紙は大統領就任1年を迎えたトランプ氏がこれまで発信したニュースの中で『2140回はウソで、1日平均6回に及んだ』とスッパ抜いた。
トランプ対メディアの激しいジャブの応酬はまるで、ヘビー級のボクシング試合を見ているような「仁義なき戦い」が延々と続いていており「死闘」と化している。
このせいもあり、米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は1月25日、ついに地球滅亡までの時間を象徴的に示す「終末時計」をトランプ就任時より30秒進め、残り2分にした。
いよいよ「核ボタンを握る」トランプ氏から一瞬たりとも目が離せなくなった。
今回のトランプ『認知症騒ぎ』は歴代アメリカ大統領
の中で初めてのケースではない。レーガン元大統領も?
共和党のレーガン元大統領は引退してから5年後の1994年11月に手紙のメッセージで「アメリカ国民の皆さん。私は現在、アルツハイマー病に悩まされるアメリカ何百万人の国民の一人だと告げられています。」と認知症を告白した。
レーガン氏が大統領に就任したのは1981年1月で、トランプ氏(70歳5ゕ月)に次いで歴代2番目の高齢(69歳349日)であった。レーガン氏は2期にわたって大統領を務めて1989年に引退。83歳で『認知症』を告白し10年後に93歳で亡くなった。
レーガン大統領は在任中に認知症の発症はなかったのか。2011年1月に大統領の息子ロン氏は在任中にアルツハイマー病の兆候を示していたと、その回顧録で明らかにした。
それによると、ロン氏が認知症に気がついたのは最初の任期の3年目の1984年の大統領選で民主党指名候補だったウォルター・モンデール元副大統領との討論会での行動を見て、レーガンが応答につまずき、メモ用紙の処理に手間取ったり、不自然に言葉を失ったりする姿を目撃した時のこと。「父は疲れ、当惑しているように思えた」と振り返っている。
レーガン元大統領は在任中に大腸がんの手術を受け、76歳のときには前立腺がんの治療も受けた。「任期をあと2年も残して果たしてこの先、大丈夫なのか」と懸念する声が全米中に広がった。
彼は老齢化で、耳が遠くなっていた。就任の翌1982年には現職大統領として初めて補聴器を着用した。会話やインタビューの受け答もおかしくなった。公の席でも傍にいたナンシー夫人がことあるごとに耳打するシーンがテレビで大写しとなり『口出し女大統領ナンシー』として問題化した。しかし、レーガンが認知症を発症していたことは外部には厳重に秘匿されて問題になることはなかった。
大統領個人の資質とその政権チームのガバナンス、国際政治での大統領のリーダーシップ発揮はまた別問題である。たとえ、レーガン氏がこのとき認知症であったとしても、その後、東西冷戦終結の道を開いたレーガン政権のリーダーシップの発揮は合格点といえるであろう。
これと比べると、トランプ氏のリーダーシップ欠如による政権内部のゴタゴタ、情報漏れ、閣僚の辞任続出のガバナンスの不在の迷走が大いに気になってくる。
「アルコール中毒が疑われたジョージ・W・ブッシュ大統領(第43代、2001―2009年)のケースは・・・
彼は若い時に偉大な父親の存在に悩んだ。20代から深酒をしてアルコール依存症になり、飲酒運転や窃盗、フットボールスタジアムでの乱闘などで3度の逮捕歴があった。
だが、39歳でキリスト教福音派の指導者に出会って改心し、オヤジへのコンプレックスを克服して、40歳の誕生日を機に酒を一切断ち切って生まれ変わった。その後、努力してオヤジの跡を継いで初の親子二代の大統領になった。ところが、2005年11月、AP通信は「 相次ぐストレスでブッシュ大統領の“アル中”が復活!? ローラ夫人から、酒をやめないと離婚すると迫られた」と報じた。
イラク戦争(2003年3月―)で多くのアメリカ人が犠牲になったことや、ハリケーン「カトリーナ」襲来時の不手際、39%の支持率低迷にブッシュ大統領はストレスがたまり、再びウイスキーにおぼれている、というのである。
プレッシャーを一身に浴びる大統領に悩みは尽きることはない。さて、「ワンマン」トランプと「暴君」金正恩の対決は、いよいよ3月末の平昌オリンピック終了後から再び正念場を迎える、一瞬たりとも目を離せなくなりそうだ。
米副大統領、平昌五輪で北朝鮮と会談予定だった 北朝鮮がドタキャンhttps://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/post-9567.php
銃乱射の被害者を訪問したトランプ、ご機嫌で大顰蹙。この男に心はあるのか?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/ky.php
トランプ政権暴露本、この騒動の最大の敗者は誰だ
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/post-9572.php
韓国、北朝鮮との融和重視で米韓緊張突入か…米韓軍事演習のレベル低下要請の可能性
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