前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

「少子超高齢社会」は「青少年残酷・老害社会」ー横井也有の<江戸の老人8歌仙と老害>で自戒する

      2021/05/23

 百歳学入門(83

 

▼「江戸の老人8歌仙と老害」

 

 

「少子超高齢社会」「生涯現役社会」は「青少年残酷・老害社会」◎―60、70過ぎて、いつまでも地位や金やアンチエイ

ジングにしがみつく老害人間がいかに多いことか、

横井也有江戸の老人8歌仙と老害>

 

                    前坂 俊之(ジャーナリスト)

 

江戸中期の尾張藩士、横井也有(17031783)は、「年寄は、いつまでも若いつもりで居勝(いが)ちだが、年と共に、気力、体力、容姿いずれも衰え、行動は鈍り、考えは古くなり、若い者から自然に嫌われるようになる」と言って、次の八首の歌を友人に聞かせた。

 

 

   「皺(しわ)は寄る、黒子(ほくろ)は出来る、背は屈(かが)む、頭は禿(は)げる、毛は白うなる」

   「手は震(ふる)う、足はヒョロつく、歯は抜ける、耳は遠くなり、眼は疎(うと)くなる」

   「涎(よだれ)垂らす、目脂(めやに)絶えず,洟(はな)たらす、とり外(はず)しては小便もする」

   「くどくなる、気短きみじかになる、愚痴になる、思いつくことみな古くなる」

   「またしても同じ噂に、孫自慢、達者自慢に、若き洒落ごと」

   「聞きたがる、死にたながる、寂しがる、出しゃ張りたがる、世話焼きたがる」

   「身に合うは頭巾(ずきん)、襟巻、杖眼鏡、ゆたんぽ、温石、しびんの手」

   「宵寝朝寝、昼寝物ぐさ、物忘れ、それそれこそ善けれ、世に足らぬ身は」

 

この中で「とり外して」とは「誤って所構わず」のこと、「若き酒落言」とは「若かったころのおもしろ話…Y談?」、「温石」とは「焼いた軽石を布に包んで、身体を温める物。今のカイロの源」

 「尿瓶、しびん」とは「寝所近くにおいて用いる陶製の尿器。現代ではガラス製のも.のや、プラスチック製のものも多い。ここでは婦人用や大小用のおまる」

 「孫の手」「ここでは背中など、自身の手の屈かねところを掻く道具。先端が手首のようになっている」

 「世に足らぬ身」とは「世の中の足し-社会のプラスにならぬ無用の身」のこと。

 また、ある人の歌に、「年寄れば耳は遠くて、眼は近く、口は軽なり、尻重くなる」

というのがある。

 

 以上のように、ほとんどの老人には雑談の際、毎回繰り返して病気、愚痴、自慢、この三話をくどくど語り、若い者をウンザリさせる傾向があり、「年寄りは、病気の話、愚痴話、自慢話で、なおも嫌わる」

 

<参照―寺岡晃著「生活の先人訓」(ダイヤモンド社、1981年)より>

 

 - 人物研究, 健康長寿 , , , , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本天才奇人伝④近代の巨人・日中友好の創始者・岸田吟香は『230年ぶりに上海に住んだ最初の日本人』

日本天才奇人伝④       近代の巨人・日中友好の創始者・ …

『オンライン/ウクライナ戦争講座⑩』★『ウクライナ戦争勃発―第3次世界「見える化」SNS大戦へ(下)』★『チャップリンの「独裁者」とプーチン] 』★『ウクライナ戦争―ロシアは国家破産!』★『ロシアの戦費は1日200億ドル(2兆3千億円)』

『オンライン/ウクライナ戦争講座⑩』(下) チャップリンの「独裁者」とプーチン …

リモートワーク/鎌倉カヤック釣りバカ日記(2020/5/27/730)–魚クンが遊びに来ないときは、まき餌をしながら浮雲と波のデザインを楽しむ、そのうち「ドーン」とさかなクンが遊びに来るよ』★『逗子マリーナ沖で大カワハギ(28センチ)、大サバを連発、6月のベストシーズンへ』

リモートワーク/鎌倉カヤック釣りバカ日記(2020/5/27/730)&#821 …

no image
日本リーダーパワー史(74) 辛亥革命百年⑬インド独立運動の中村屋・ボースと頭山満

  日本リーダーパワー史(74) 辛亥革命百年⑬中村屋・ボースと頭山満 …

no image
(まとめ)—近代日中関係の創始者・孫文と『支援した熱血の日本人たち』—辛亥革命百年秘話

(まとめ)—近代日中関係の創始者・孫文と 『支援した熱血の日本人たち』—辛亥革命 …

no image
終戦70年・日本敗戦史(129)『日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリスト・水野広徳』③

終戦70年・日本敗戦史(129) <世田谷市民大学2015> 戦後70年  7月 …

no image
日本リーダーパワー史(234)★『徳富蘆花の『謀反論』再読のすすめー(上)“反原発謀反人”となって日本、世界を救え』

日本リーダーパワー史(234)   <日本の国難突破論を読み直す …

 日本リーダーパワー史(821)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、 インテリジェンス㊱『日本史決定的瞬間の児玉源太郎、山本権兵衛の決断力⑧』★『軍事参議院を新設、先輩、老将軍を一掃し、戦時体制を築く』★『日露開戦4ヵ月前に連合艦隊司令長官に、当時の常備艦隊司令長官の日高壮之丞ではなく、クビ寸前の舞鶴司令長官の東郷平八郎を抜擢した大英断!』

  日本リーダーパワー史(821)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利」 …

『Z世代のための歴代宰相の研究③』★『日露戦争を勝利した世界史上空前の宰相・桂太郎の国難突破力③』―「その後,『日英同盟』の破棄と「日独・日中同盟」を孫文と提携した秘密会談の内容』★『孫文の秘書通訳・戴李陶が『日本論』で発表(1928年)した』

  2022/11/29/ 日本リーダーパワー史(1232)記事再録 …

no image
『オンライン講座/近藤康男(106)の100歳突破実践法を学ぶ』★「七十歳は一生の節目」「活到老 学到老」(年をとっても活発に生きよ 老齢になるまで学べ)』★『簡単な健康法を続ける。大切な点は継続することだ』

   2018/07/21百歳学入門(237)ー『簡単で効果 …