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日本リーダーパワー史(272)『民主党、亡国の政治家たちを』-福沢諭吉が一喝!『財政再建が先、征韓論はやめろ』

   

日本リーダーパワー史(272
 
『民主党、亡国の政治家たちを』-福沢諭吉が一喝!

<明治のリーダーは国難にどう対応したか>ー
140年前、福沢諭吉は国際社会に船出したばかりの『小日本』の
国家戦略として財政の再建、経済自立、軍備増強、欧米との
外交力の強化を唱えて、近隣とのトラブル『征韓論』
(朝鮮・中国との対決)を戒めた。
今こそ、第3の敗戦を前に「野田民主党難破船」の
亡国政治家たちは歴史から学べ
 
                                  前坂俊之(ジャーナリスト)
 
 
以下は、福沢諭吉の 1875(明治8)年10月7日「郵便報知新聞」に掲載された朝鮮の征伐は止むべしと論ず』の論文である。
西郷隆盛の唱えた「征韓論」は国論を二分して、大久保利通らによって否決された。西郷は薩摩に帰り、これが西南戦争の引き金
になり、維新最大の功労者・西郷は敗れて自害して、明治の悲劇となった。
後に、脱亜論を唱えた福沢はこの「征韓論」の主張に対して
 
① 一国の独立とは学問、商売(ビジネス)、国財(財政力)、兵備が元である。
② そのすべての部分で弱小日本は欧米諸国に劣っている。
③ その欧米諸国から多額の外債を借りて、台湾出兵を行い、その利払いに国の財政はより悪化している。その外債返済を優先すべきである。
④ 欧米との不平等条約で国家主権を冒されている。朝鮮との外交の失敗に対して、欧米との外交関係の条約改正が優先課題であり、朝鮮の行動にいちいち反応するなと、愛国的な対外強硬論にくぎを刺しているーなど、以下のように傾聴すべき合理的、戦略的な思考を示しており、現在の日本の抱える問題の解決にヒントを与える。
 
 
『朝鮮の征伐は止むべしと論ず』
1875(明治8)年107日   『郵便報知新聞』社説
 
 近日征韓ノ議論新聞紙上二飛雨ヲナシ世人ノ耳目も此論題二乗ルヲ以テ我ノ論鋒ヲ、之二向ケルコト数回未ダ心二ワカラザリシガ、福沢君ヨリ此論題二関スルー議論ヲ寄ルニ会エリ、固ヨリ社論ト方向ヲ同ウスルヲ以テ、之ヲ掲ゲテ本日ノ社論トス。
 
 
亜細亜(アジア)諸国トノ和戦ハ、我栄辱二関スルナキノ説 
        
福沢 諭吉
 
 
 世ノ中ノ事二就キ軽重大小ヲ見分ルハ甚ダ難キコトナリ、タトエバ、一個ノ人アリ手足二怪我ヲシテ流血シタランニハ、傍ノ人皆是ヲ見テ驚カザル者ナシ。医者ヨ薬ヨトテ其手当ヲスルコトナラン、サレドモ其実ハ深ク恐ルルニ足ラズ捨置クモ自然二癒ルモノナリ、又一個ノ人ハ其ノ容貌健ナルニハ非ザレドモ、サシタル病症モ見ユズ唯朝夕少シク咳シテ、時々微熱ヲ発スル位ノコトナレバ素人ノ目ニハ之ヲ病人トモ思ワズシテ、動モスレバ打捨テ置クコト多ケレドモ、其実ハ肺ノ病ニシテ必死ノ期遠カラズ、幸ニシテ去年ノ冬ヲ過ゴシタレドモ今年ノ春二至テ果シテ斃ルルコトアリ。
 僅カニ身体ノ事ニチモ斯ノ如シ況ヤ世ノ中ノ人事ニ於テヲヤ、軽重大小ノ紛ラワシクシテ処置ヲ誤ルコト甚ダ多シ、故ニ人事ヲ処スルニハ外形二拘ワラズシテ其内情ヲ察シ内実二困難ナルモノヲ先ニシテ之ヲ救ワザル可ラザルナリ。
 
 今日我日本ノ有様ヲ太平無事トシテ悦ブ者ハ甚ダ少ナシ、学問未ダ上達セズ商売未ダ盛ナラズ、国未ダ富マズ、兵未ダ強力ラズトテ、之ヲ憂ルニ非ズヤ。
 
ーロニ云エバ日本ハ末ダ真ニ開化ノ独立国ト称ス可ラズトテ、之ヲ心配スルコトナリ、此心配ヲ抱ク者ハ独り政府ノ役人ノミナラズ、凡ソ此国ニ生レテ国二叛クノ悪心ナキヨリ以上ノ者ハ、共二此心配ヲ与ニスル筈ナリ、此一段ニ至テハ、国内ノ人民上下ノ別ナク華士族モ平民モ目暗ラモ、目明キモ、学者モ、役者モ、敵モ味方モ、異頭同心ニ一方二向ウコトナラン。
 
 今コノ国ノ独立如何ノ心配アル基源ヲ尋ルニ、我日本ハ亜細亜州ノ諸国ニ対シテ、其軽蔑ヲ受ルガ為ナリ、我学問ノ彼ニ及バザルガ為ナリ、我商売ノ彼二劣ルガ為ナリ、我兵ノ彼ヨリ弱キガ為ナリ、我富ノ彼二若カザルガ為ナリ、是等ノ箇条ニ於テハ我輩一モ彼二恥ルモノナシ、我輩ノ思ウ所ニテハ我日本ノ、亜細亜ノ諸国ニ対シテ一歩ヲモ譲ラザル積リナリ、サレバ我国ノ独立如何ノ心配ハ別二源因ヲ求メザル可ラズ即チ其源因ハ亜細亜(アジア)ニアラズシテ、欧羅巴(ヨーロイッパ)ニ在ルナリ。
 
 虚心平気以テ我国ノ有様ヲ詳ニシ之ヲ欧米諸国ノ有様二比シテ学問ノ優劣、商売ノ盛否、国ノ貧富、兵ノ強弱ヲ問ワバ、残念ナガラ今日ノ処ニテ我ハ未ダ彼二及バズト云ワザルヲ得ズ。然リ而シテ学問ト商売ト国財ト兵備トハ一国独立ノ元素ナレバ彼ニ対シテ此物ニ欠典アリトスレバ、我国ノ独立如何ハ唯欧米諸国ニ対シテ心配アノルミ、故二今我邦ノ困難事ハ一概二外国交際二在リト云ウ可ラズ、余輩ハ此外国ノ字義ヲ狭クシテ欧米諸国トノ交際ニ付キ困難アリト云ワザルヲ得ザル也。
 
近来世間ニ洋学ノ通開ケタリト錐ドモ、我国人ハ彼ニ学ブノミニシテ未ダ彼ニ教ル者アルヲ聞カズ。開港場ニ貿易アリト雛ドモ商売ノ権柄ハ彼ノ手二在リト云ワザルヲ得ズ。世上二物産製造ノ企ナキニ非ザレドモ、我国人ノ、彼ニ資本ヲ借ルノミニシテ、未ダ彼ニ貸ス者アルヲ見ズ、英米ノ軍艦ハ日本海ヲ横行シテ我国人ノ胆ヲ奪ウ可シト錐ドモ、我国ノ兵備未ダ之ニ敵対スルニ足ラズ、是等ノ諸件ハ実ニ我国威ニ関スルコトニシテ、其事跡二見ワレクルモノハ枚挙二アラズ。
 
日本国二属シタル貿易運上ノ権モ、我一方ニ在ラズ裁判ノ権モ我政府ノ自由二任セズ、現ニ内外ノ間ニ起ル公事訴訟モ我国人ハ常二被告ト為テ、彼ハ常二原告タリ、遇マ我人民ヨリ訴ルコトアルモ能ク曲ヲ伸バス者ハ十中一二過ギズ、概シテ云エバ我日本ハ欧米諸国ノ人民ニ対シテ、曲ヲ衷ル者ト云ワザルヲ得ズ、但シ其交際ノ外形ハ美ニシテ互ニ軽挙暴動ナキヲ以テ、遠方ヨリ之ヲ皮相スル者ハ外形ノ美ニ欺カレテ、或ハ意ニ関セザルモノ多シト錐ドモ、少シク内情注意スルコト
アラバ果シテ至難至困ノ勢ヲ見出ス可シ

欧米ノ交際ハ我日本国ノ肺病ト云ウ可キモノナリ。

 右ノ次第ヲ以テ考レバ我日本ハ亜細亜ノ諸国ニ対シテ和戦共ニ国ノ栄辱二差響クコトナシ、永遠ノ事ヲ心配スルトキハ戦テ之
ニ勝ツモ、却テ国ノ独立二害アリト云ワザルヲ得ズ。近ク其一証ヲ示サン、昨年台湾ノー条ハ我国ノ勝利ト云ウ可シ、之ガタメ台人モ
恐入リタルコトナラン、支那人モ閉口シタルコトナラン。
サレドモ此勝利ノ後、此勝利ノ勢ヲ以テ聯カニテモ欧米ノ交際ニ差響キ欧米ノ人民二対シテ我国威ヲ催カシ暗ニ彼ヲ恐レシメテ彼ヲ制スルノ勢ヲ得タルヤ、十目ノ見ル所ニテ、アタカモ其痕跡ナキニ非ズヤ、此一条二付キ今日ニ残リタルモノハ軍費数百万円ノ不足アルノミ、去年若シ此数百万円ヲ費サズシテ之ヲ転ジテ外債ノー部ヲ払ウコトアラバ我全国ノ人民ハ負担ノー部ヲ卸シテ、永遠独立ノ一部ヲ助ケ全国肺病ノー部ヲ癒シタルニ非ズヤ思ワザル可ラザル也。
 
欧米諸国ニ対シテ我学問ノ不熟、我商売ノ拙劣、我兵備ノ不足等ハ姑ク閣キ簡易明白何人ニモ分リ易キ我国ノ損亡ハ今ノ外債ナリ、
 
之ヲ人二聞ク方、今我国ノ外債凡ソ千五百万円、元利共二償却シテ今後毎年二百万円ズツヲ払イ、凡ソ二十年共計四千万円ノ金ヲ払テ
皆済タル可シト、欧米諸国ノ政府ニモ国債ナルモノアレドモ大概皆自国ノ人民二募リタルモノナレバ自力ラ借リテ自ラ払ウモノナリ。
然ルニ我国債ハ商売ノ敵国二借用シタルモノナレバ、払ウ所ノ利金ハ一度ビ去テ復夕返ラズ四千万ノ内元金千五百万ヲ引キ残二千五百万ノ利足ヲ二十二分テハ一年二百二十五万円ナリ、此高ヲ債ウガタメ毎年我国民ノ膏血ヲ集メテコレヲ外国二輸出スルトハ惜ム可キニ非ズヤ。
一俵二円ノ米ナレバ毎年作り出シタル米ノ内ヨリ六十万俵余ノ高ヲ集メテ、之ヲ海二投ズルニ異ナラズ、又金ノ損徳ノミニ就テ云エバ英国ト戦イ負ケテ二千五百万円ノ償金ヲ払ウニ異ナラズ、
 
何レニシテモ外債ハ我国ノ経済ニカラミ付タル肺病ト云ウ可シ、前日余ガ、著述シタル文明論之概略第六巻ノ四十二葉二巨艦大砲ハ以テ巨艦大砲ノ敵ニ敵ス可クシテ借金ノ敵ニ敵ス可ラズト云エリ参考ス可シ。
 近日世上ニ征韓ノ話アリート通リ聞ケバ伐ツ可キ趣意モナキニ非ズ野蛮ナル朝鮮人ナレバ必ズ我ニ向テ無礼ヲ加ユタルコトモアラン、道理ヲ述テ解スコト能ワザル相手ナレバ、伐ツヨリ外ニ術ナシト云ウ説モアラン、加之コレヲ伐タント云ウ輩ハ敢テ私心ヲ挟ムニ非ズ、愛国尽忠ノ赤心ヲ事実ニ顕ワサントスルコトナレバー概ニ之ヲ督ム可ラズトイエドモ、国ヲ愛スルニハ之ヲ愛スルノ法ナカル可ラズ、忠ヲ尽スニハ之ヲ尽スノ路ヲ求メザル可ラズ、其法ト路トヲ求ルニハ心ヲ静ニシテ、永遠ノ利害ヲ察スルコト最モ緊要ナリ。
彼ノ手足ノ怪我ヲ見テ狼狽スルガ如キハ思慮ノ足ラザル人ト云ウ可シ。
 
 朝鮮交際ノ利害ヲ論ズルニハ、先ズ其国柄ヲ察セザル可ラズ、抑モ此国ヲ如何ナルモノゾト尋ルニ、亜細亜州(アジア)中ノー小野蛮国ニシテ其文明ノ有様ハ我日本二及バザルコト遠シト云ウ可シ。之ト貿易シテ利アルニ非ズ、之ト通信シテ益アルニ非ズ、共学間取ルニ足ラズ、其兵力恐ルルニ足ラズ、加之仮令イ彼ヨリ来朝シテ我属国ト為ルモ尚且之ヲ悦ブ二足ラズ。蓋シ其故ハ何ゾヤ、前ニ云エル如ク我日本ハ欧米諸国ニ対シテ並立ノ権ヲ取リ、欧米諸国ヲ制スルノ勢ヲ得ルニ非ザレバ、真ノ独立ト云ウ可ラズ、而シテ朝鮮ノ交際ハ仮令イ我望ム所ノ如クナルモ此独立ノ権勢ニ就キ、ーモウノカヲモ増スニ足ラザレバナリ。
 
 朝鮮ハ彼ヨリ来朝シテ我属国ト為ルモ之ヲ悦ブニ足ラズ、況ヤ事ヲ起シテ之ト戦ウニ於テヲヤ之ニ勝テ栄トスルニ足ラズ、之ヲ取テ利スルニ足ラズ、巨万ノ軍用金ヲ費シテ欧米ノ物ヲ仰ギ、欧米ノ船艦ヲ買イ、欧米ノ銃砲ヲ求メ銭ヲ欧米ノ人ニ与エテ、物ヲ朝鮮ノ国二費シ、結局、我外債ノ高ヲ増シテ毎年海二投ズルニ等シク、償金ヲ払ウニ等シキ利足ヲ外国二輸出スルニ過ギズ、青年ノ書生ト錐ドモ数学ノ初歩ヲ学ビ得タルモノナレバ、明白ニ解ス可キ算当二非ズヤ、永遠ノ利害ヲ察スルトハ此辺ノ損得ヲ思慮スルコトナリ。
 
愛国ノ至情ヲ拡テ、独リ自カラ沈思セバ必ズ大二発明スルコトアラン方、今我国ハ正ニ借金ノ敵二向テ戦ウ可キノ秋ナリ、先ズ此強敵
ヲ圧倒シテ安心ノ地位ヲ作リ砲艦ノ戦ノ如キハ他日徐々ニ共謀アル可キナリ。
 
 
 征韓論者ノ云ク征韓ノ、個ヨリ好ム所ニ非ザレドモ既二双方ノ間ニ、一国ノ栄辱ニ於テ捨置ク可ラズ大義名分ハ金ノタメニ誤ル可ラズト、一応尤ノ言ナレドモ前二云エル如ク、我日本ハ親ノ病気ニモ等シキ欧米交際ノ困難ナルモノヲ抱ケリ、今親ノ大病ニテ家内ヲ静イツニセザル可ラザルノ時ニ当リ、門外ニ折助ガ乱妨喧嘩スルトテ之二取合イ、之ト争闘シテ家内ノ静イツヲ妨ゲ親ノ病気二害ヲ加ウ可キヤ、人心アル子弟ナラバ理モ非モ問ワズシテ、何事モ後日ノ事二附シ、其折助へハ酒手ニチモ取ラセテ追イ返シ、穏便ニ取扱ウコソ孝子ノ処分ト云ウ可ケレ、今ノ朝鮮人ノ無礼ハ折助ノ乱妨ニ異ナラズ、之ヲ度外ニ置クモ何ゾ国ノ栄辱ニ関スルコトアランヤ、
 
論者ハ、我日本ヲシテ折助ト闘ワシメント欲スル乎、余輩ハ本国ノタメニ却テ之ヲ恥ジルナリ。
 論者又云ク、朝鮮ハ目的二非ズ朝鮮ニ事ヲ始テ次デ支那ニ及ボシ、支那ノ富ヲ取テ以テ今日ノ費ヲ債ウ可シト、盛ナル哉、此言ヤ支那ヲシテ孤立セシメナバ、此言或ハ当ル可シト錐ドモ今日世界ノ有様ニ於テ、支那ハ決シテ孤立スルモノニ非ズ、支那帝国ハ正ニ是レ欧米諸国人ノ田園ナリ、アニ他人ヲシテ貴重ナル田園ヲ蹂躙セシムルコトアランヤ、事ココニ至ラバ欧米ノ人ハ支那人ヲ憐ムニ非ズシテ自カラ貿易ノ利ヲ失ウヲ惜ミ、自力ラ利スルノ私心ヲ以テ支那ヲ助ルヤ必然ノ勢ナリ。
 
仮令イ自力ラ利スルノ私心ナキモノトスルモ、嫉妬ノ念ヲ以テ必ズ他ノ所業ヲ妨ルコトアル可シ、今ヲ去ルコト十余年魯西亜人(ロシア人)ガ対馬二上陸シテ地ヲ占メソトセシトキ、英国ノ公使ハ、カヲ尽シテ之ヲ防ギ、遂二其地ヲ去ラシメタルコトアリ、当時英公使ノ尽力ハ日本ノ為ニシタルニ非ズ、英国ノ面目トシテ魯人ノ日本二地ヲ占ルヲ悪ミ、其権力ヲ嫉テ、之ヲ妨ゲタルノミ、万国ノ交際二於テ権力ヲ平均セシムルモノハ、嫉妬ノ念ニ生ズルコト多シ、此亦心得ザル可ラズ、
 
サレバ日本人ノ思イノママニ朝鮮ニ勝チ、朝鮮丈ケハ外国人ガ傍観スルモノト仮ニ定ルモ、支那ニ至リシトキ、日本人ガ四百余州ヲ蹂躙スルヲ見テ、手ヲ扶スルコトアランヤ、是レモ永遠ノ事ナリ今ヨリ考エザル可カラズ。
 
 是二於テカ愛国尽忠ノ輩ハ、人事ノ軽重大小ヲ弁別シ、志ヲ遠大ニシテ、真二我国ノ独立ヲ謀リ、亜細亜諸国ノ交際ニ於テハ和戦共二我独立ノ権カニ差響クコトナキヲ知リ、我独立ハ欧米ニ対立シテ始テ満足ス可キヲ知リ、此独立ハ、学問ト商売ト国財ト兵備ト四者各其釣合ヲ得テ、始テ安心ノ場合二至ル可キヲ知リ、
 
亜細亜諸国トノ和戦二由テハ四者ヲ目的トシテ、ーモ所得アル可ラザルヲ知リ、加之戦エバ必ズ此四者ヲ退歩セシメ、殊二国財ノ如キハ第一番二不足ヲ生ジテ、却テ外債ヲ増ス可キヲ知リ今日朝鮮ノ事件ハ恰モ手足ノ痕ノ如クシテ深ク憂ルニ足ラズ、其無礼ハ恰モ折助ノ乱暴ノ如クシテ、之ヲ度外二置ク可キヲ知リ、欧米ノ交際ハ肺病ノ如クシテ早晩必死ノ息アル可キヲ知リ、国ノ栄辱ハ一朝二在ズシテ永遠二在ルヲ知り、愛国ノ志アルモ愛国ノ路ヲ求ムルノ緊要ナルヲ知リ、一朝ノ怒ヲ忍デ、他日大二期スル所アルコソ真ノ日本人二非ズヤ。
 
人誰カ愛国ノ至情ナカランヤ、余輩モ日本国中ノ人民ニシテ国ノー部ハ自ヵラ担当スル者ナレバ、只管他人ノ好尚二雷同スルヲ得ズ、敢テ愛国ノ趣ヲ述ルコト斯ノ 如キナリ。
 論者又云ク征韓論ノ人心二萌芽スルヤ日既二久シ熔々ノ気鬱結シテ遂二台湾ノ師ト為リ、其余烙尚消滅セズシテ、遂ニ今日ニ至リシモノナレバ何レニモ其流通ノ路ヲ設ケザル可ラズ、即チ今日ノ事ハ鬱烙ヲ洩ラシ滞水ヲ通スルノ権道ニシテ、勢ココニ至レバ止ソト欲シテ止ム可ラザルモノナリト、其意味ヲ察スルニ此論者ハ前ノニ論者二比スレバ、全ク所見ヲ別ニシタル者ニシテ中心征韓ノ非ヲ知り国ノ独立ノタメニ実二害アルヲ弁ジナガラ、唯勢二迫ラレテ止ムヲ得ザルノ策ニ出デ止ムヲ得ザルノ拙ヲ行ウト云ウモノノ如シ、余輩ハ、甚ダ以テ不同心ナリ抑モ征韓論トハ何レヨリ来リシモノナルヤ、
 
天ヨリ降ルニ非ズ、地ヨリ生ズルニ非ズ、征韓ヲ以テ日本国ノ利益ト思ウ人ノロヨリ出タル議論ナリ、其人ハ木石二非ズ水火ニ非ズ、正ニ人心ヲ具シテ道理ヲ弁ズ可キ人類ニシテ、然カモ愛国ノ情ニ乏シカラザル人物ナレドモ、唯其所見近浅ニシテ方向ヲ誤ルノミ、今若シ此人ノ心ヲシテ方向ヲ改メシムルヲ得バ征韓論ハ立所ニ止ム可シ、論者若シ征韓ノ非
ヲ知ラバ、何ゾ直ニ其非ヲ述べ、或ハ幸ニ記シ或ハ言ニ発シ公然ト之ト唱エザルヤ、点ノ愛国心ニ符合スル所アレバ異説争論モ遂ニハ、ーニ帰セザルヲ得ズ、
 
然ルニ今其沙汰モナク唯此論者ノ如ク世間ノ人気ヲ測量シテ或ハ其余熔ヲ洩ラスト云イ、或ハ其停滞ヲ通ズルト云イ、人ヲ視ルコト水火ノ如ク手術ヲ以テ之ヲ御セントスルハ同権ノ人類ニ対シテ無礼ナリト云ウ可シ、抑モ亦、彼ノ征韓論者ノ少年輩モ其熱中ノ甚シキニ至テノ、或ハ水火ノ如キ勢モアリテ水火ノ如ク御セラレテ申訳ナキ場合モアラン乎、誠ニ気ノ毒千万ナリト云ウ可シ、
 
人ハ此世二居テ他ノ拙ヲ憂エテ其不足ヲ補ウ様ニコソアリタキモノナレ、然ルニ己ガ熱心ノ甚シキヨリシテ他人ノタメニ憂エラルルノ目的ト為ルトハ、浅マシキコトナラズヤ少シク勘弁セザル可ラズ、兎ニ角ニ政治学者ノ権謀術数ハ余輩ノ知ル所ニ非ズ、余輩ハ日本国中ノ良民タル地位ト面目トヲ全ウセソガタメ、亜細亜ノ和戦ハ国ノ栄辱トスルニ足ラズ、朝鮮ノ征伐ハ止ム可シトノ説ヲ主張シ、之ヲ天下ノ公議ニ附シテ、一人タリトモ此説ニ同意スル者多キヲ願ウナリ。
 

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