前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『大谷翔平「三刀流(投打走)」のベーブ・ルース挑戦物語④』★『2019/04/01「メジャーを制したイチロー引退、天才とは学習の産物である。大谷もその後を追っかけている』★『イチローは「考える人」であり、「自分の努力をボールを打つ感覚で的確に表現できた詩人、肉体を極限まで鍛え上げて野球場でパフォーマンスした創造者でもある』

      2021/07/14

 

大谷選手は英語を話すべきか、米スポーツ界で激論勃発

https://forbesjapan.com/articles/detail/42316

 

2019/04/10―日本リーダーパワー史(975)記事再録

「メジャーを制したイチロー引退」―天才とは学習の産物である。                 

2019年3月21日、大リーグ( MLB)マリナーズの東京ドームでのアスレチックスとの開幕2戦目終了後、イチロー外野手(45)は引退を表明、日米通算28年の現役生活にピリオッドを打った。同日深夜の記者会見(1時間20分)はBS日テレで全中継されたが、私はテレビにかじりつき、大リーグの頂点を極めたこの偉大な『チャレンジ精神』に改めて尊敬の念を強くした。

イチローの28年間(日本球界で9年間、その2倍の大リーグでの19年間)にわたって野球とベースボールで前人未踏の領域を切り開き、永くその頂点に君臨した点では、「米国の野球殿堂入り」はもちろん「国際スポーツ平和賞」があれば、それに匹敵するものではないかと思う。

イチローはあの細い体で目標を決めて、計画を立て、練習を重ねて、有言実行で大リーグの頂点までにのぼりつめた。メジャーリーグがホームラン全盛で、それも筋肉増強剤がまん延していた時代に、イチロー流の『内安打』など『ない安打』にトリッキーとバカにされた時代での挑戦である。大谷選手の2投打流と同じく、メジャーでは通用しない、日本へ帰れと批判された。

ところが、いざふたを開けると、ご覧の通りの大活躍だ。

イチローは肉体を極限まで1日も休まずに、毎日毎日の練習で鍛え上げ不屈の精神と「継続は力なり」の努力によって、大リーグのスピードと力任せに振り回す長打技術を凌駕した。それもヒットを打つこと、アウトになる内野ゴロをその走塁スピードで内安打として、即座に2塁に盗塁し、後続バッターの安打によって1点を得点する「安打製造法(イチローテクニック)」を発明した。イチローの数々の野球技術を発明は発明王『エジソン』にたとえられる。それも18年間続けてベンチャービジネスを世界的ブランドにした「小さな巨人」で世界の人々に勇気と希望を与えた。

天才とは生まれつきの才能ではなく、努力と学習の産物なのである。

イチローは小学生の時からチチローに連れられて365日、バッティングセンターに通って、バッティングテクニックを磨き、以後30年間以上も肉体的、メンタル的トレーニングを続けてきた。その自己改革法、学習法、異文化スポーツ成功法のプログラムを書いた「プログラマ」ともいえる。

天才・イチローもう1つの凄い点は「彼は考える人」であり、「自分の努力をボールを打つ感覚で的確に話せる詩人であり、芸術家、創造者」でもある。彼の名言、格言、インタビューの言葉を読めば、いま世界で最も必要な「異文化コミュニケーション術」「異文化接触成功法」がオープンソースとなっている。これで学習すると、ごく普通の人でも可能性は大きく広がる。

引退記者会見でのイチロー名言を紹介する。

「(引退で)後悔はあるか」-「今日の球場での(引退を惜しむ大声援)あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずがありません」

「大リーグ生活」-「最初は「日本に帰れ」って、しよっちゅう言われましたよ。結果を残した後の敬意というのは、手のひらを返すというか。行動で示す敬意は迫力があるという印象ですよね。認めてもらった後はすごく近くなるという印象で、ガッチリ関係が出来上がる」

「記録について」―『去年の5月以降ゲームに出られない状況で(毎日,黙々、と練習を続けた試練の日々)、それを最後まで成し遂げられなければ、今日のこの日はなかった。あの日々は…ひょっとしたら誰もできないかもしれない。どの記録よりも自分の中では、ほんの少しだけ誇りを持てたと思います。』

 「野球の魅力」―「団体競技なんですけど、個人競技なんですよ。それが面白い。個人としても結果を残さないと、生きていくことはできない。野球は同じ瞬間がない。必ずどの瞬間も違う。これは飽きがこないですよね。本来、野球というのは、頭を使わないとできない競技なんですよ。この20年でMLBが頭を使わなくてもできる野球になりつつあるのが残念です」と語る。

「子どもへのメッセージ」-「自分が夢中になれるモノ、熱中できるモノが見つかれば、目の前に立ちはだかる壁に向かうことができると思います。見つからないと、壁が出てきても立ち向かえない。自分に向くか向かないかよりも、好きなモノを見つけてもらいたい」とすべての人間に通用するメッセージを発した。

私が心に刻んできたイチロー格言は・・・

 

①毎シーズン休まず百五十試合に出場するように心がける。

②グローブその他の道具の手入れを丁寧に毎日欠かさない。

③試合前後の入念な筋肉トレーニング、バッティング練習も三十年欠かさない。

④(打率でなく)ヒットを一本増やしたいとポジティブに考える。そうすれば打席に立つのが楽しみになる。

➄小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道。

⑥僕は決して「打率4割」とは言わないんです。6割の失敗は許してやるわ、と。いつもそう言っているんです。

⑦結果が出ないとき、決してあきらめない姿勢が、何かを生み出すきっかけをつくる。

⑧(3000本安打の達成感について)「小さなことでも満足することははすごく大事なことで、味わえば味わうほど前に進める。

 - 人物研究, 現代史研究, IT・マスコミ論, 最先端技術『見える化』動画

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本リーダーパワー史(183)『大アジア時代の先駆者・犬養木堂③』亡命イスラム教徒を全面的に支援した政治家

 日本リーダーパワー史(183)   <百年前にアジア諸民族の師父と尊 …

no image
 『憲法第9条と昭和天皇』ー <エピソード憲法史=現憲法はペニシリンから生まれた!?>

 憲法第9条と昭和天皇                         2006 …

世界が尊敬した日本人ー欧州連合(EU)の生みの親の親は明治の日本女性、クーデンホーフ光子「戦争を防ぐためにできたEUが今,大量の難民流入とテロで危機にさらされている」

 『ユーロ難民問題,テロを考える日本の1視点』- 欧州連合(EU)の生みの親の親 …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(35) 『迷走つづく「普天間移設」―「辺野古」にこだわる日米政府の無策』

池田龍夫のマスコミ時評(35)   『迷走つづく「普天間移設」―「辺野 …

 片野 勧の衝撃レポート⑥「戦争と平和」の戦後史⑥『八高線転覆事故と買い出し』死者184人という史上最大の事故(下)■『敗戦直後は買い出し列車は超満員』▼『家も屋敷も血の海だった』★『敗戦直後、鉄道事故が続発』●『今だから語られる新事実』

  「戦争と平和」の戦後史⑥   片野 勧(フリージャーナリスト) 八 …

no image
『リーダーシップの世界日本近現代史』(284)★『医師・塩谷信男(105歳)の超健康力―「正心調息法」で誰でも100歳まで生きられる』★『 「生れるということは「生きる(息きをすること)、これが人間の最初であり、水を飲まなくても飯を食わなくても、多少は生きられる。ところが息が止まるとと生きていけない。息を引き取り臨終となる。これが根本!」』

  2015年3月29日/百歳学入門(109)記事再録 医師・塩谷信男 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ⑱』『米NYタイムズ、162年目の大改革』 ◎『スマホは人間をばかにする?』 

  『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ⑱』   &nb …

no image
片野勧の衝撃レポートー『太平洋戦争<戦災>と<3・11>震災』⑩中国引き揚げと福島原発(上)

片野勧の衝撃レポート   太平洋戦争<戦災>と<3・11>震災⑩ &n …

日本リーダーパワー史(615)世界が尊敬した日本人(85)関東大震災の復興、「横浜の恩人」の原三渓ー今も天下の名園・三渓園にその精神は生きている。

  日本リーダーパワー史(615)ー世界が尊敬した日本人(8 …

日本リーダーパワー史(609)『110年前の伊藤博文の観光立国論』(美しい日本風景・文化遺産こそ宝)の 驚くべき先駆的な経済文化ビジネスセンスに学べー外国人を拒否せずおもてなしをすれば富国になれる

                     日本リーダーパワー史(609) 『安倍 …