前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

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『オンライン講座・日中韓異文化理解の歴史学(4)』日中のパーセプションギャップ、コミュニケーションギャップの深淵』★『(日清戦争開戦1週間前ー「戦いに及んでは持久戦とすべきを論ず」(申報)』

   

オンライン講座日中韓異文化理解の歴史学(4)

 

2014/09/09の記事再録

『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』日中韓のパーセプションギャップの研究』

1894(明治27)年24 光緒20年甲午622日『申報』(日清戦争開戦1週間前)-戦いに及んでは持久戦とすべきを論ず』

<この連載も50回におよんだが、中国側の日本観に一貫している主張は  日本は中国の国土、人口、資源の10分の1以下のちっぽけな小国である。

  日本は中国から漢字、儒教仏教の宗教、思想、政治経済、産業そっくりも輸入した中国文化コピーである。

  中国がいわば宗主国である。朝鮮は1000年前から、中国を宗主国として仰ぎ、朝貢している「属国」である
という『中華思想』『事大朝貢体制』はいまも少しも変っていない。外国観もこの「中華思想」からで進歩していない。
現在は中国共産党一党独裁の独善的非民主主義国家である。

  明治以来、日本は西欧のすべてを物まねし、中国の属国だった琉球王朝、台湾、朝鮮を、中国が大目に見ていると勝手に武力で侵略した。

  中国に対して日本は一貫してごう慢、無礼な態度をとり続けて、狡猾な手段でもって中国の領土を狙っている。

  今回の日清戦争前夜の記事もこうした調子で書かれており、大国中国が小国日本に負けるわけがないという内容である。『英タイムズ』「ニューヨークタイムズ」の分析記事は日清両国の軍備、戦力、武器、兵隊の戦闘能力
までも客観的、科学的、具体的に数字も上げて比較検討しているのと大違いである。

  120年前の日清戦争の時代に、近代科学、合理的な思考力を備えていた西欧列強に一歩でも近づこう

とした日本と、1000年にわたる封建的、儒教精神の旧弊で風水の迷信的思考「中華思想」、メンツの行動から一歩

も近代化していない清国(中国)がいざ、戦端を開いてみれば、どんな結果になったか

ー『申報』のバックナンバーを読むとよくわかる。(前坂俊之)

 

戦いに及んでは持久戦とすべきを論ず』

アジアの国においては,中国と日本が強大である。中国は.領土も広く,物資も豊かだ。土地の広大さでは,漠にまさり,唐を超え.はるかに明をしのぎ,ただ元代の国境の至る範囲のみが括抗し得る。

日本は地勢に利を得,西洋のやり方をまねて以来,思いをこらし遠謀を立て,なんと島国の雄として西へ進み天下と戦おうとしている。このアジアの大局を深く理解すれば.中日両国は和するべきで,戦うべきではない。

もとより車の両輪,唇と歯のように助けあう関係なのだ。そのようであって初めてアジアの興隆を切望できるのだ。日本はこの点が特にわかっていない。でたらめな話を深く信じて,1人が唱えれば皆がそれに和し,専ら中国を困らせるのを喜んでいる。わが中国を侮り,虐げることは甚だしい。

 

それでも戦わないでどうしようというのか。兵を用いるにあたっては,わが中国はやむを得ず出兵したのだ。ぐずぐずとしてしまったのは,万全の策を十分に検討しようとしたからだ。

大いに懲らしめてやらなければ.どうして日本は無礼で倣慢な態度を悔い改めようか。初戦ではささやかな勝利で喜んだり.ささやかな敗北を憂いてはいけない。

この戦いでは軍の優劣より理の曲直が優先するのだ。また.この戦いは道理によるのであって.勢力によるのではなく,戦わずに相手を屈服させるには,国の門戸を閉ざして使節の往来を断ち,貿易を停止するに及ぶものはない。日本は土地は狭く.財は乏しく.国民は皆貧しい。国内ではすべて紙幣を用いている。欧米諸国と通商する際は,物品を銀と交換するが.わが国の商人が手にするのは皆通用している紙幣で,1度国境を出ると使えないのでやむを得ずまた物品を買わざるを得ない。

 

日本との通商は薬.ナマコ.アワビ,コンプなどで,中国でさばけるだけで,欧米では貴ばれていない。1年で中国の物品の輸出入で納める関税は専ら巨額となる。つまり中日両国の通商で.日本の益が大きく,中国は全く日本を育ててやっていることになる。今日のこのような事態に至った原因は日本にある。

 

仮にこれでもなお,われわれが隠忍し.容認するならば,それは日本の振舞いを了解しているからではなく,かえってわれわれが日本を恐れているからだと思われ,ますます跋扈して制止できなくなるだろう。

わが国は今日,まず文書によって当方の考えを示し,その後に軍隊によって武威を示せばよい。使節を遣わして折衝にあたらせ,道理を説き明かす。日本がこれに従えば中日両国は共にその福を受けるだろう。もし日本が戦端を開いた場合には,直ちに駐日公使を召還し,通商を停止するべきだ。

 

わが台湾県,琉球を侵した20年の間,日本は適当な機会をとらえては.

武力で干渉してきた。われわれに罪を犯したのは1度にとどまらない。今またわが藩屏を侵し,離間を図っている。自立させると言い,その実占拠するのには先例がある。

 

朝鮮の都は完全に日本軍に占領され,その意図は計り知れず,どうして尋ねたりできるだろう。その昔,明代.官官が権力をほしいままにしていた時代.秀吉が朝鮮に打ち入り,平壌を占拠してからさらに軍を起こし援軍を派遣したが,敗戦を喫しても,後悔しなかった。

 

輝かしき清朝の威徳が盛んなとき,ちっぽけな日本の横暴を軽視できるだろうか。まして朝鮮は中国に属し,恭順を示している。数千年間独立し,300年間朝貢してきた国だと聞いている。

平時は貢ぎを受けながら,今日内外に危機が迫り,焦眉の急を告げているのを座視し,救援を送らずに手をこまねいて軍を撤退させ,甘んじて保護を取りやめて,朝鮮側の思いに応えられないのはつらいことであり,それを世界にさらせば,恥ずかしさを感ぜずにはいられない。

 

朝鮮の地は遼東を挟んで北海と連なり,どっしりと東三省の門となっているので,わが属国を備えとすれば防備は堅くなる。

 

わが属国と辺境の安否の関係は浅くないのであり,朝鮮を救うことは東方を固めることでもある。したがってこの戦役は,戦いあるのみで和睦はなく,進攻あるのみで退却はなく,道理を問い勝敗は問わず,是非を問い強弱を問わないものだ。

天地と皇帝の祖先の霊はこの戦争にかかっており,まことに普天率土億兆

の臣民の憤りはこの戦争と共にあるのだ。もし本当にそうだとすれば.戦えばどうして勝たないことがあろうか。今,局外で日本について考える者は,次のように言う。

 

日本は近く東海にあり,地形は長い蛇のようで,地勢のすぐれていることから願っているに過ぎない,と。広さは中国の23省に過ぎず,西洋のやり方をまねても表面的なものに過ぎない。以来莫大な国費を使い,日々欠乏し,列強の中で上下共に力尽き,国も個人も窮するのでは国を治めることはできない。

 

海軍を訓練しても1万に満たず,陸軍も3万に満たない。しかし最近,西洋の民間予備軍の方法をまねたので.海外に派遣されるものは比較的多くなった。しかし一般人を駆りたてて戦わせても全く役に立たない。蒸気軍艦は24隻に過ぎず,今購入や製造によってそれを増やしたとしても32隻,それにも誇張が免れず,全く見かけ倒しだ。

 

中国が10倍の領土と100倍の国民をもってぶつかれば.どうして耐えられようか。したがって今朝鮮に関しては,一方で速戦,一方で長期戦,戦わないことだけは絶対にいけない。何を速戦と言うのか。雷鳴やはやてのようにすばやく日本の備えのできる前に朝鮮で戦い,日本兵をことごとく国境の外へ追い出し,一兵たりととどまることを許さないことだ。

 

事態が決まってから.国交を断ち,その後の様子を静観するのだ。何を長期戦と言うか。炎暑には暫時手を緩めて手薄な軍備を補って,海防を固め.軍政を徹底し,軍隊を励まし,軍艦を整え.まず不敗の地歩を築き,いったんにわかに戦となれば,勝敗を決することだ。日本人の野望は拡大し.満っている。

 

このように大きな行動を起こした以上.1度負けたからといって,急にしっぽを巻いて講和をすることはない。第1戦でやまねば必ず第2戦,第2戦でやまねば必ず第3戦を戦い.必ず心服させてこそ,おとなしく服従し,わが版図に入ろうとするだろう。

 

したがって戦争が1度起これば,結果を予測することはできないものの,戦わなければ日本を懲らしめるのに十分ではない。今いたずらに雷同していれば遠からぬ将来.言いがかりをつけ、ごたごたを起こすだろう。

貪欲で狂暴な日本の突撃は広い度量目に見ることはできない。現在わが国では海軍も訓練し,軍艦も備え,鉄鋼で覆った軍艦は洋上縦横無尽に.風輪や煙突は波涛を尽き進んでいき,まして30年余りも罪を糾弾する軍隊を準備してきた以上,どうして国境に行けないことがあろうか。

 – 人物研究戦争報

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

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