『リーダーシップの日本近現代史』(306)★『国難リテラシーの養い方②『関東大震災復興計画はどうなったのかー <約100年前の仏詩人・クロ―デルや海外の知識人の警告は取り入れられたのか』★『失敗病の日本』
2020/03/06
日本リーダーパワー史(141)記事再録
大変な日本通で、1921(大正10)年に駐日フランス大使として来日し、大正12年9月1日正午の関東大震災を体験、必死で逃げのび、在日フランス人の救援を行い、1927(昭和2)年2月まで約7年間も滞在した。
能、歌舞伎などの日本芸能に親しみ舞踊詩劇『女と影』を書き、帝国劇場で上演されたこともある。(以上、Wiki)。渋沢栄一と協力し、京都の日仏学館の創
設にもかかわった。
そのクローデル大使は大正12年9月1日正午に東京神田にあったフランス大使館で被災したのだ。
地震では持ちこたえたが、続いて起こった火災で全滅し、大使館員と共に車で横浜に逃げた。フランス人居住区、フランス関係施設も横浜にあったからだ。川崎まで行くと、橋が落ちており、あとは歩いて逃げた。
安全対策はなぜ払われなかったのか。
その人数は
数週間のうちに広島で14万人、長崎で7万人。
第2次大戦では日本の兵士、230万人、一般市民80万人、http://www.max.hi-ho.ne.jp/nvcc/TR7.HTM >
問題② 日本は地震列島、津波列島
ー東京は江戸時代から世界一の『危険都市』
『外国記者の見た関東大震災―正午二分前』(ノエル・ブッシュ著、早川書房、一九六三年刊)によると、ヨーロッパと比べて、石造りの建物と、
木造、紙が中心の日本家屋の違いをあげながら、
『日本では、ほとんどの大地震が、大火災の原因となっているが、
それどころか、日本の大都市では、いろいろな原因から大火災が起る危険性があると次のように指摘している
そのなかの100件以上が、3千戸以上を焼失しており、同時代に西欧諸国に起った火災の最大のものに匹敵するという1666年の江戸大火を、焼失面積においても、死傷者においても遥かに上回る規模のものが、五十件をくだらないのである。
江戸の最大の火事は一六五七年の大火事だったが、北西の強風にあおられて、繁華街の24平方キロをなめつくし、海岸までいってやっと消えるまでに、十万人の死者を出した』。
「困難を堪え忍ぶということは、厳格で誇り高いサムライ精神のひとつの表れでもあり、それはスパルタ精神をはるかにしのぐものであった」と「正午2分前」は指摘している。
ークローデルの疑問と驚き!?
『貴重品を新聞の切れはしにくるんで、うかつにそこらにおきっぱなしにする人はいない。みな安全な金庫にしまっておく。それなのに、国家の命運にかかわる、重要で貴重な、国の頭脳である首都の機構を、安全な場所におかずに、災害に最もさらされている場所においておくのは、矛盾しているではないか」
① 内的要因としては、慎重さに欠け、知識のない建築家たちが、安普請で外国式の建物を建築した。とくに横浜における被害の原因がこれ。横浜ではロシア銀行、三井倉庫ビル、中央電話局などの鉄筋コンクリートの建物を除き、(外人居留地)に建つ建物が、まるでトランプでできた城のように瞬時にして崩壊した。
② また、通りの道幅の狭さが災害を大きくした。
③ 東京や横浜は都市というよりは巨大な村というべきで、乾燥した木造の掘っ建て小屋が密集して際限なく広がっていた。災害の広がりをくい止める準備は全くできていなかった。
④ しかし、将来なにが起こるか、誰に予測できるでしょうか。一九二三年の地震は、人々の予想をはるかに超えるものでした。私は今、地質学者テルミエの書いた『アトランティスの崩壊』をひもといています。この本には、多くを教えられ考えさせられます。
問題④<後藤新平の大計画は10分の1に削減される結果をクローデルは予見、
日本人は船底1枚下は地獄の漁民の一生懸命(一所県命、一生懸命)精神と分析する>
関連記事
-
-
速報(464)『日本のメルトダウン』ビデオ座談会●『米英仏のシリア攻撃で9/8日、東京五輪開催決定はどう影響するか?』
速報(464)『日本のメルトダ …
-
-
速報(234)●『【4号機倒壊で放出する放射性物質の量】最大の場合10倍を超える 』小出裕章(MBS)』ほか3本
速報(234)『日本のメルトダウン』 ●『【4号機倒壊で放出する放射性物質の量】 …
-
-
百歳学入門(248)-動画で認知症予防法『鎌倉カヤック釣りバカ日記』/『ビッグ・フイッシュ、開高健に捧ぐ』★『10年前は豊饒の海・鎌倉海は、今や<死の海>と化しつつある』
2011/09/24 ブログ再録『鎌倉カヤック釣りバカ日記』 &n …
-
-
片野勧の衝撃レポート(82)原発と国家―封印された核の真実⑭(1997~2011) 核抑止力と脱原発 ■東海再処理工場で火災・爆発事故発生ー三谷太一郎氏 (政治学者、東大法学部長、 文化勲章受章者)の証言➀昭和20年6月の岡山大空襲を9歳で体験、 九死に一生を得た。『原発事故は近代日本の挫折である』
片野勧の衝撃レポート(82) 原発と国家―― 封印された核の真実⑭(1997 …
-
-
明治150年「戦略思想不在の歴史⑾」ー 『ペリー黒船来航情報に対応できず、徳川幕府崩壊へ』★『「オランダからの来航予告にまともに対応せず、 猜疑心と怯惰のために,あたら時間を無駄 にすごした」(勝海舟)』
(ペリー黒船来航情報に対応できず、徳川幕府崩壊へ 「オランダからの来航予告にま …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ⑰』◎『社説:安倍首相の次のステップ』◎『アベノミクスよりすごい景気対策がある』
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ⑰』 ◎『社 …
-
-
<再録>世界が尊敬した日本人(38) 柔道を世界的なスポーツにした嘉納治五郎
<再録>世界が尊敬した日本人(38) 柔道を世界的なスポーツにした嘉納治 …
-
-
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑳『開戦3ゕ月前の「英ノース・チャイナ・ヘラルド」の報道』★『パーセプションギャップ(思い違い)、エスノセントイズム(自民族優先主義)による憎悪・敵意がメディア(プロパガンダ)で増幅されて戦争を起こす記事の1つ』●『日本と朝鮮、日本の恐怖、ロシアの方針、日本について付け加えるべきこと、日本人の外国人憎悪の程度、日本の孤立』
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑳ 『開戦3ゕ月前の「英ノー …
-
-
日本リーダーパワー史(329)空前絶後の参謀総長・川上操六(43)鉄道敷設による兵站戦略こそ日清戦争必勝の戦略であった
日本リーダーパワー史(329) 「坂の上の雲」の真の主人公「日本を救った男」 空 …
- PREV
- 『リーダーシップの日本近現代史』(305)★『3・11国難リテラシー⑩「糸川英夫いわく」★『➀なぜ事故は起きたのか(WHY)ではなく「事故収束」「復興・再生」の「HOW TO」ばかりの大合唱で、これが第2,3の敗戦につながる』②『すべての生物は逆境の時だけに成長する』③『過去と未来をつなげるのが哲学であり、新しい科学(応用や改良ではなく基礎科学)だとすれば、 それをもたない民族には未来がない』
- NEXT
- 『リーダーシップの日本近現代史』(307)★『国難リテラシーの養い方③/ 辛亥革命百年⑬/『インド独立運動革命家の中村屋・ボースをわしが牢獄に入っても匿うといった頭山満』★『ラス・ビバリ・ポースの頭山満論』
