前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

知的巨人の百歳学(144)ー「玄米食提唱の東大教授・二木謙三(93歳)の長寿法『1日玄米、菜食、1食。食はねば、人間は長生きする』

   

 

  2015/03/28/百歳学入門(54)記事転載

 

 玄米食提唱の東大教授・二木謙三(93歳)の健康長寿10訓

 
1日玄米、菜食、1食のみ。食はねば、人間長生きする
『その病気のもとを探して、その根を絶つことに努めるならば、
病気は必ずなおる』
『身体と精神の健康は第一に欲を制するにあり、食べなければ
頭がより働く』
「饗を絶ち、欲を拾てよ」(聖徳太子)
美食を戒め、肉食はダメ、菜食をすすめる。(曲直瀬道三)
研究の忙しい時は、食量は非常に少なくせよ(エジソン)
「発明は寝ずに、食べ物を少なくすればできる」(エジソン)
 
前坂俊之(ジャーナリスト)
 

1日玄米、菜食、1食のみ、食はねば、人間長生きする
 
93歳 玄米食提唱の東大教授 二木謙三(1873年1月10日― 1966年4月27日)
 
ウイキペディア二木謙三
 
 
二木謙三先生は、東京帝国大学医学部の教授で、二木式健康法の創始者。日本医学界の重鎮であり、ノーベル医学賞候補になったとも言われています。
二木は明治6年、秋田の漢方医の八人兄弟の三番目に生まれた。生まれた時から病弱で一年もつまいといわれた。
慢性皮膚病、不眠症、胃腸病、腎臓病などに次々に襲われた。中学校では急性健忘症になって落第した。高校に入って
すべて1からやり直す覚悟をきめて、教科書も最初から百篇よむ『万年初歩』を実行し、健康も人並みになりたいと腹式呼吸、
冷水摩擦、玄米食とあらゆる方法を試した。
 
 東大へ入ってからも、胃酸過多症でいつも青な顔をしているので「青ぶくれ」とからかわれた。東大医学部卒業後は
東大教授、都立駒込病院長などを歴任。明治38年、ドイツに留学して、天然免疫性に関する医学界における世界最高
の業績を残した。その後も伝染病と栄養学の研究を続けながら、玄米菜食と腹式呼吸の実践で、48歳になって長年の
虚弱体質をついに克服した。
 
この時、毎日玄米2食だったのを1食に減らしたところ万年の胃酸過多症がすっかり直り、病気知らずに変わった。六十歳のときから合気道を始めた。毎朝四時に起きて、みそぎをしてから道場へ行って稽古して、六時ごろ帰ってから朝食をとるという元気人間に変身した。
 
二木は朝食で玄米を1合(180cc)、2合ほどに野菜の2分間煮たもの(無塩無糖)と、果物だけで1日中活動する。塩なし、油なし、火食なし、肉なしの食事によって、病気なしの、健康生活をおくれるという二木理論を確立した。自著『健康への道』(致知出版社、平成15年刊)に詳しく述べられている。
『その病気のもとを探して、その根を絶つことに努めるならば、病気は必ずなおる』
 
 
 
 
身体と精神の健康は第一に欲を制するにあり、食べなければ頭がより働く
 
 
 聖徳太子は憲法の中に「饗を絶ち、欲を拾てよ」と言っている。饗とは、宴会やごちそうのことで、「己に克って粗食に安ぜよ」という意味である。
 
徳川家康には曲直瀬道三(まなせどうざん)が侍医をしていたが、家康は曲直瀬の説に従って、常に粗食少食、玄米食で、よく真の養生法を守った。曲直瀬道三は、美食を戒め精進をすすめて、肉食はいけないと、菜食をすすめている。
 
世界の発明王・エジソンは九昼夜も不眠不休で働いており、門人六人も若いにもかかわらずみなエジソンと同様の生活をしていた、という。
研究の忙しい時には、食量は非常に少なく、パンと野菜と果実と、たまに小魚もイワシの油づけなどを食べる程度。肉などほとんど食べなかった。
 
かつて「製薬王」星一がエジソンを訪ね「あなたはどうしてそんなに発明かできるのですか?」と質問すると、エジソンは「考えればだれだってできる」と答えた。星がさらに「考える時間をどうして生み出すのか」と聞くと「寝なければ八時間はあるじやないか」「どうして寝ないことができるのか」「食べ物を少なくすればできる」と答えた。
 
つまり、食べないほうが健康になり、脳の活動もより活発になるというわけ。二木自身がこれと同じ方法を実践しており、忙しい時には寝ずに、食べずに働いた。したがって寝る時間は一定していない。要するに人間は、食べなければならないというものではない。少なく食べておれば寝る時間も少なくてすむのである。
 
(以上は二木の自著『『健康への道』より』
 

二木謙三博士の健康十訓

1.食べること少なくし、噛むことを多くせよ。
2.車に乗ること少なくし、歩くことを多くせよ。
3.着ること少なくし、浴びることを多くせよ。
4.悶(もだ)えること少なくし、働くことを多くせよ。
5.怠けること少なくし、学ぶことを多くせよ。
6.語ること少なくし、聞くことを多くせよ。
7.怒ること少なくし、笑うことを多くせよ。
8.言うこと少なくし、行うことを多くせよ。
9.取ること少なくし、与えることを多くせよ。
10.責めること少なくし、褒(ほめ)ることを多くせよ。

 
 

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究 , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『ガラパゴス国家・日本敗戦史』㉝総理大臣を入れない「大本営」、決断力ゼロの「最高戦争指導会議」の無責任体制➁

『ガラパゴス国家・日本敗戦史』㉝ 『来年は太平洋戦争敗戦から70年目― 『アジア …

no image
日本リーダーパワー史(224)<明治の新聞報道から見た大久保利通 ③ >『明治政府の基礎を作った男』

 日本リーダーパワー史(224)   <明治の新聞報道から見 …

no image
日本リーダーパワー史 ⑯ 日本のケネディー王朝・鳩山家のルーツ・鳩山和夫の研究③

日本リーダーパワー史 ⑯  日本のケネディー王朝・鳩山家のルーツ・鳩山和夫の研究 …

no image
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 世界、日本メルトダウン(1046)>『トランプ氏ロシア疑惑捜査、特別検察官にミュラー元FBI長官』★『「多動性つぶやき症候群」のトランプがウオッチドック(権力の番犬)に追いかけられて、毎日のように問題発言を起こす』●『共和党はなぜトランプを見限らないのか』

 ★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 世界、日本メルトダウン(1046 …

no image
日本リーダーパワー史(889)-NHKの『西郷どん』への視点<自国の正しい歴史認識が なければ他国の歴史認識も間違う>●『今、日中韓の相互の歴史認識ギャップが広がる一方だが、明治維新、西郷隆盛、福沢諭吉への日本人の誤認識がそれに一層の拍車をかけている』

日本リーダーパワー史(889)- NHKの『西郷どん』―自国の正しい歴史認識が …

no image
日本メルトダウン脱出法(726)「スズキとVWの離婚騒動に学べ! 生き残れる自動車提携の条件」●「“イケア帝国”を一代で築いた男 イングヴァル・カンプラードとその経営哲学」

   日本メルトダウン脱出法(726)   池上彰が斬る!「朝日より読売、産経が …

新刊出版『世界史を変えた「明治の奇跡」(インテリジェンスの父・川上操六のスパイ大作戦)』★『150年前の明治維新で世界にデビューした極東アジアの<弱小貧乏島国国家・日本>はどのように西欧列強、中国/韓国と立ち向かい、「世界史の奇跡」』(日清・日露戦争勝利の方程式)を解いていったのか。』★『空前絶後の名将・川上操六の戦略を解明する!』

  世界史を変えた「明治の奇跡」 インテリジェンスの父・川上操六のスパ …

no image
日本メルトダウン脱出法(790) 「 COP21パリ協定、何が画期的な成果なのか?」●「なぜアベノミクスで不況になったのか 問題は「GDP600兆円」ではなく社会保障だ」●「 加山雄三 数十億円あった借金を完済するまでの道のりを語る」

    日本メルトダウン脱出法(790) COP21パリ協定、何が画期的な成果な …

no image
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 東アジア・メルトダウン(1069)>★『北朝鮮の暴発はあるのか』第2次朝鮮戦争勃発の危機が高まる!?(8/25→8/29)

★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < 東アジア・メルトダウン(10 …

no image
日本リーダーパワー史(791)ー 「日清、日露戦争に勝利」 した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、インテリジェンス➈』●『明治36年4月、日露戦争開戦9ヵ月前にロシア・クロパトキン陸相が日本を敵前視察に乗り込んできた』★『クロパトキンの「日本陸軍秘密研究書」による日本軍の欠点『西欧的機関を表面的しか理解していない、無能な老将校が存在し、部隊長の決断が遅く変化に対応できない』

 日本リーダーパワー史(790)ー 「国難日本史の歴史復習問題」 ★「日清、日露 …