『百歳学入門』(222)佐藤一斎(86歳)の『少(しよう)にして学べば、則(すなわ)ち 壮にして為(な)すこと有り。 壮(そう)にして学べば、則ち老いて衰えず。 老(お)いて学べば、則ち死して朽ちず』
2018/04/15
『百歳学入門』(222)
「学びつづけること」が心も身体も健康にする。
「学ぶ人」は老いても衰えない
仕事と長寿との関係でいえば、芸術家でも僧侶でも学者でも文字どおり、息の長い″仕事をする人が多いように思われる。
江戸後期の儒者・佐藤一斎(86)は、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%B8%80%E6%96%8E
数え年で八十八歳の長寿を得た高名な学者です。彼は当時としては隠居の年齢である六十歳を過ぎてから、語録『言志四録』に取組んでいる。
彼が、六十七歳から七十八歳までの十二年間に執筆した語録『言志晩録』(『言志四録(げんししろく)』の第三部)で、
『少(しよう)にして学べば、則(すなわ)ち
壮にして為(な) すこと有り
壮(そう)にして学べば、則ち老いて衰えず
老(お)いて学べば、則ち死して朽ちず
と記している。
この最後の「老いて学べば、則ち死して朽ちず」は、紀元前六世紀の中国の思想家・老子の「死して亡びざる者を寿という」や、一斎が私淑(ししゅく)した中国十二世紀の儒学の権威・朱喜の「壮にして学ばざれば、則ち老いて衰う」といった言葉が出典と言われる。(松原泰道「戒語、早起きすべし」三笠書房、1998年 43P)
この『言志晩録』のこの語録を現代訳すれば
「人は少年のときに学んでおくと、壮年になって必ずそれが役に立ち、なにかをなすことができる。
壮年のときに学んでおくと、老年になっても、気力が衰えることはない。
老年になっても学ぶなら、それが人や社会の役に立つから、死んでもその名は朽ちることなく残る」
つまり、「若くして学べば、成人して何事か成し遂げるであろう、壮年にして学べば、年をとっても老いない、老いて学べば死んでも、その志は受け継がれていく」という意味ですが、まさに、このとおりではないでしょうか。
私は50歳になった頃、この語録を読み、心にスイッチが入りこれを座右銘にして壁に掲げました。
思い立ったら吉日、 何か物事を始めようと思ったら、日を選ばずにただちに着手する、それが啐啄(そったく)の機である。求めている自分の気持ちと語録がピッタリ共鳴し心にスイッチオンが入り、「この道を行こう」と未来が明るくなりました。
50歳、60歳、70歳からでも一条の光(強い志)を持ってコツコツ学び、修行を続ければ、老いても衰えることなく、自分の人生をしっかりと歩むことが出来る。自力本願を確信したのです。
八十八歳まで勉強し続けた佐藤一斎の生涯
佐藤一斎は、江戸幕府が設立した儒学を中心に教える江戸湯島の昌平校(学校)の教授である。『言志四録』の第一部は 『言志録』で、彼が四十二歳から五十二歳までの約十年間の思索を綴っている。
第二部の『言志後録』は、一斎が五十七歳から約十年にわたって記した語録で、第三部は『言志晩録』で六十七歳から七十八歳にかけての十二年間に書きつづけた語録で、その晩年の人生論、養生訓、政治から経済、生活まで幅広くエッセイ風に書いたもので『講談社学術文庫』に全巻収録されています。
四部作の最終は八十歳のときに筆を起こし三年後の八十三歳のときに刊行された、いわば絶筆ともいうべき『言志耋録(てつろく)』 です。「耋」(てつ)とは「このうえない年齢までいった年寄り」といった意味の解説があります。具体的には八十歳の高齢者のことを指している。
102歳「忙しいよ」現役で畑仕事 沖縄・名護の新崎康信さん
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180415-00235813-okinawat-oki
夢に年齢制限なし! 79歳の新入生、胸に秘めてきた美容師の夢へ一歩
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/164379?yahoo=y&utm_source=yahoo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=related
関連記事
-
-
『オンライン/ウクライナ戦争講座⑨』★『ウクライナ戦争勃発―第3次世界「見える化」SNS大戦へ(上)』★『植民地時代の恫喝・武力外交を相変わらず強行するロシアの無法』★『テレビ戦争からYoutube・SNS戦争へ』★『無差別都市攻撃・ジェノサイドの見える化」の衝撃』』
ウクライナ戦争―第3次世界「見える化」SNS大戦へ(上) 前坂俊之 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(741)「安倍内閣“新3本の矢”はー経済政策失敗の目くらましだ」●「「積極的平和主義」で戦死者を出し、ー安倍首相が窮地に立たされる日」
日本メルトダウン脱出法(741) 安倍内閣“新3本の矢”はー経済政 …
-
-
『Z世代のための<禅の悟り>超人力の研究①』『江戸を戦火から守った <勝海舟、山岡鉄舟と共に幕末三舟の一人として知られた高橋泥舟の国難突破力②-泥舟の槍・淋瑞の禅の対決』★『道に迷う者には、迷わぬ道を教えねばならぬ。迷わぬ道とは即ち悟りの道であり、本来迷わぬ者には悟りという名すらない筈である。そこにはただ大道あるのみ。<大道元来迷悟無し>』
ーム > 人物研究 > …
-
-
Z世代へのオープン歴史講座・なぜ延々と日韓衝突は続くのかルーツ研究⑧』★『1894(明治27)年7月13日付『英国タイムズ』★『(日清戦争2週間前)「朝鮮を占領したら、面倒を背負い込むだけ』★『日本が朝鮮を征服すれば,この国が厄介きわまりない獲物であることを思い知らされる一方,中国にはいつまでも敵意を抱かれることになる』
2014/09/06 /現代史の復習問題/「延々と続く日韓衝突のルー …
-
-
日本リーダーパワー史(595)「昭和戦後の高度経済成長を築いた男たち」ー「世界最強の新幹線の生みの親・三木忠直ー零戦の機体で世界最高水準の「夢の超特急」を作る
日本リーダーパワー史(595) 昭和戦後の高度経済成長を築いた男たち …
-
-
日本メルトダウン脱出法(730) 「 2000年後もソクラテスを嘆息させる強行採決―民主主義と衆愚政治を混同していませんか」●「中国経済、見極めが難しい本物と偽物-本当に7%成長なのか? GDP統計に疑いの目」(英FT紙)
日本メルトダウン脱出法(730) 2000年後もソクラテスを嘆息させる強行採決 …
-
-
『リーダーシップの世界日本近現代史』(287)/★『F国際ビジネスマンのリタイア後の世界ぶらり散歩「パリ/オルセー美術館編』★『オルセー美術館は終日延々と続く入場者の列。毎月第一日曜日は無料、ちなみに日本の美術館で無料は聞いたことがない』
2015/05/18 &nbs …
-
-
百歳学入門(191)『京都清水寺の貫主・大西良慶(107歳)』★『人生は諸行無常や。いつまでも若いと思うてると大まちがい。年寄りとは意見が合わんというてる間に、自分自身がその年寄りになるのじゃ』
百歳学入門(191) 人生は諸行無常や。いつまでも若いと思うてると大まちがい。 …
-
-
『池田知隆の原発事故ウオッチ⑮』ー『最悪のシナリオから考えるー福島でのがん発症予測』
『池田知隆の原発事故ウオッチ⑮』 『最悪のシナリオから考えるー福島 …
-
-
★日本の最先端技術「見える化」チャンネル/「今、最も注目される<未来のメガネ>ウエアラブル「b.g」がよくわかる動画」『ウエアラブルEXPO2019』(1/16)ーメガネスーパーの無限の可能性を秘めた未来のメガネウエアラブル「b.g」
日本の最先端技術『見える化」チャンネル 『ウエアラブルEXPO2019』(1/1 …
