前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

速報(307)『日本のメルトダウン』★『原発事故の東電の責任』●『国会事故調での清水前社長の2時間半の全証言』

      2015/01/01

速報(307)『日本のメルトダウン』
 
『原発事故についての東電の責任について』
『国会事故調での清水前社長の2時間半の全証言
の紹介(6月8日
 
                                                   前坂 俊之(ジャーナリスト)
 
 
9日、知り合いから次のようなメールが入っていた。

「政治(家)とは国土と国民の生活を守ること(人)」です。そして、国民の生活とは「一生懸命頑張っている人がまっとうな評価を受けること(生活が出来るような)が出来るような世の中にしていくこと」です。
今の日本はどんどんおかしな方向に行っていると思います。国土を守るという点では、福島原発の事故により、国土を汚した責任を取るべきであり、平穏な日常を奪った責任も取るべきであり、原発推進した政治家は、少なくとも表舞台からは消えるべきです。
良心があるならば、財産を提供し、避難した住民にお詫びし、ボランティア活動に汗を流すべきです。まともな口をきけるのは、みんなの生活が元に戻ってからでしょう。

東電も、責任企業として、一度倒産するべきです。その後、給料を4割ほどカットして、別会社として再雇用する。ただし、現場で実際に汗を流して働く職員の給料はある程度のカットにとどめる。また、公務員も原発を推進した職員についてはその責任を追及すべきです」
 
このメールは8日の国会事故調での東電の清水前社長の証言を取材して、疲れて帰った翌日に入っていた。この友人は私が清水前社長の証言を取材にいっていたことは知らない。政治に関係していた家柄の人物だけに、その家訓によって原発に対する政治家の身の処し方、東電の態度を強く批判した内容である。私も共感を覚えた。
前日の清水前社長の証言にひどく失望していただけに、この友人のメールには心を打たれた。

以下で、清水正孝前社長の2時間半に及ぶ全証言を紹介する。

これは国会の東京電力福島第一原発事故調査委員会は6月8日、事故当時の東電社長の清水正孝氏に参考人聴取した2時間全部のビデオである。
このやり取りを各参考人の時系列的な証言と事実関係を検証しながら、その信ぴょう性を判断して原発事故メディアリテラシーを養うことが必要である。

菅元首相、官邸側が主張する原発からの「全員撤退」問題で、清水氏は海江田経産相(当時)らに電話した際に「全員とか撤退という言葉は使っていない。一部という言葉を言っ­たかはあいまいさが残る」と述べ、必要な人員を残すと、数字を上げて明言しなかったことを認めた。(東京新聞6月9日朝刊) 

『死ぬか、生きるか』のギリギリの最悪の事態が中で、忘れようがないと思われる肝心な部分に関しては、清水氏は「記憶にない」「はっきり覚えていない」「認識がなかった」­などを連発して、自らと東電の責任回避の姿勢に終始した。
 菅首相、海江田氏、枝野官房長官(当時)らが、清水氏からの何度も電話によって「全員撤退」「全員退避」と受け止め東電や保安院への不信感を募らせたことへの対応にも、清­水氏は東電のトップリーダーとして断固たる事故対応の意思表示をせず、最悪の場合には何人残すという数字さえ官邸に告げなかったなどというのは不思議である。大いに疑問の­残る証言である。

事故調では①清水氏のあいまいな説明によりミスコミュニケーションが拡大した。吉田昌郎(まさお)原発所長らへの聞き取りなどから、現場は全員撤退を考えていなかったこと­は明らかだと結論している。

しかし、菅首相らは吉田所長と直接話したことで、「吉田氏は信頼できる男だ」とコミュニケーションが築けたのに対して、清水氏や東電本店の対応には最後まで不信感を増幅し­、コミュニケーションギャップが生じた。清水氏は「全員撤退」「全員退避」を否定しているが、そのような発言があったのではないのか。 

この日の事故調では福島第一原発の現場と東電本店の間で交わされたテレビ会議のやりとりでー14日午後8時前後に、「全員の(福島第一原発の)サイトからの退避というのは­何時ごろになるか」 「みんな2F(福島第二原発)のビジターホールに避難するんですよね」との発言があったことが明らかになり、これに対して「清水氏が「まだ最終避難を決定しているわけでは­ない」 「しかるべきところと確認作業を進めている」と述べていた。(朝日朝刊、6月9日3面)

清水氏の証言は明らかに矛盾している。

さらに(朝日朝刊、6月9日3面)の木村英昭記者の署名記事『原発放棄事件』によると『(朝日)取材では、元警視総監の伊藤哲朗内閣危機管理監(同)が15日午前3時前、­総理応接室で東電幹部から福島第一は「放棄」、第二は「いずれ撤退」と聞かされたこともわかっている。

 事故調は、昨年3月14日に清水氏が「最悪のシナリオ」作りを指示していたことや、現場が最悪の場合は10人程度を残すと検射していたとの新事実も明らかにした。福島第一­原発には6基の原発がある。とても制御できない人数だ」と清水氏や勝俣会長の証言を否定している。

私は2時間の清水氏の証言を聞きながら、以上のように東電本社の対応が2転3転して、これが官邸側の不信を招き、菅首相の過剰といわれる介入となり混乱に輪をかけてしまっ­たとの印象を強くした。(前坂俊之)

●「全員撤退」問題 一部残留明言せず 国会事故調

東京新聞2012年6月9日 朝刊

 これで国民が納得するだろうか。国会の事故調査委員会が原発事故当時の東京電力社長、清水正孝氏を参考人聴取した。自己弁護のような受け答えに終始し、事故の総括ができる­のか大いに疑問だ。
 
 

 - 現代史研究 , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本メルトダウン脱出法(683)「橋下徹が「引退」できない3つの理由 」 「社説:日本経済に自信を取り戻させる方法 」(英FT紙)

  日本メルトダウン脱出法(683) 橋下徹が「引退」できない3つの理由 都構想 …

no image
速報(58)『日本のメルトダウン』『放射能汚染水(殺人水)の海への流出を防げー梅雨と台風で困難な状況が続く』

速報(58)『日本のメルトダウン』 ●「放射能汚染水(殺人水)の海への流出を防げ …

no image
オンライン講座/『終戦70年・日本敗戦史(135)』★『昭和史の大誤算を振り返る』★「国を焦土と化しても」と国際連盟脱退した荒木陸相、森恪、松岡洋右のコンビと、それを一致協力して支持した新聞の敗北』★『日本は諸外国との間で最も重要な橋を自ら焼き捨すてた」とグルー米駐日大使は批判』

      2015/08/17&nbs …

no image
国難日本史『江戸城無血開城』●日本世界史の奇跡ー話合いで150万江戸住民を戦火から守った西郷隆盛、勝海舟のリーダーシップ

<国難日本史>『江戸城無血開城』   ●◎日本世界史の奇跡―「江戸城無 …

『オンライン/日本ジャーナリズム講義①』★『トランプフェイクニュースと全面対決する米メディア、一方、習近平礼賛、共産党の「喉と舌」(プロパガンダ)の中国メディアと日本のジャーナリズムを比較検討する』★『言論死して日本ついに亡ぶ-「言論弾圧以上に新聞が自己規制(萎縮)した新聞の死んだ日』

●『言論死して国ついに亡ぶ-戦争と新聞1936-1945」(前坂俊之著、社会思想 …

『オンライン米大統領講座/トランプ米大統領の狂乱/断末魔、トランプ支持者が米議事堂に乱入、暴動!』★『1月20日以後はトランプ氏は反逆罪、脱税容疑など10数件の容疑で逮捕か?』★『トランプドタバタC級劇場の終焉』★『バイデン民主主義/修復劇場の幕開け!』

  時代は急テンポで変化する。 後世の人々は「トランプ米大統領の暴走、 …

no image
日本メルトダウン脱出法(774)「パリ同時テロは文明の衝突を浮き彫りにしたのかーー多文化主義はナイーブな願望ではなく、現代世界の現実」●「日本メディア触れず!憲法学者の小林教授が記者会見で安倍政権を支配している「日本会議」について言及!エコノミスト紙や仏誌もその存在を指摘!」

  日本メルトダウン脱出法(774) ISISには経済を破壊する力はないーーイス …

no image
クイズ『坂の上の雲』ーベルツの『日本・中国・韓国』五百年の三国志①<日露戦争はなぜ起こったのか>

クイズ『坂の上の雲』   アジアの観察者・ベルツの『日中韓』三国志の5 …

no image
日本メディア(出版、新聞、映画など)への検閲実態史➀『世界、日本の検閲史』★『徳川時代の検閲制度』★『「明治初期の言論恐怖時代″』★『大正の大阪朝日新聞「白虹事件」』★『出版警察の核心・検閲は発売頒布禁止で』 

日本メディア(出版、新聞、映画など)の検閲史 ➀    20 …

no image
日中北朝鮮150年戦争史(14)日清戦争の発端ー陸奥宗光の『蹇々録』で読む。日本最強の陸奥外交力⑦『朝鮮農民の置かれた状態はどうだったのか?』→『貪官汚吏の苛欽誅求(きびしく、容赦ない取り立て)な税金の取り立てにより「骨髄を剥ぐ」悲惨、過酷な惨状だった。

 日中北朝鮮150年戦争史(14)  日清戦争前『農民たちの置かれた状態はどうだ …