前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『ぶらり散歩』『観光立国日本のシンボル都市―岡山県倉敷市の歴史美観地区」<和と洋、レトロとモダンな町並み>

   

『日本<歴史絶景の町>ぶらりぶらり散歩』
 
観光立国日本のシンボル都市岡山県倉敷市の
歴史美観地区」和と洋、レトロとモダンな町並み>
 
前坂 俊之(ジャーナリスト)
 
 
数百億円以上を社会貢献した大原孫三郎①
 
 
2012年12月末に、郷里の岡山市に帰り、久しぶりに倉敷をぶらぶら半日散歩しました。「倉敷美観歴史地区」。ここは世界的な街並みと比較してそん色ないと感じましたね。パリやスペインやヨーロッパの街並みとね。結構広くて、美術館、文化設備が多いのでここをかけ足で見て最近,建った倉敷駅北口には陸橋でつながったショッピングモールの「アリオ倉敷」(Ario)から、三井アウトレットパークを見てまわった。
今回は時間がなかったので、イオンショッピングセンターまで行けなかったが、この3つの商業施設を合わせると西日本最大のショッピングセンターであるというからスゴイ。
自らの特徴を活かし新しい街づくりの倉敷ケースだが、全国の自治体にとって、大変参考になると思いましたので、ビデオ紹介します。

 倉敷は倉敷紡績によって発展した町である。その倉敷を明治、大正に地方の一企業からわが国を代表する企業に成長させたのが大原孫三郎(1880-1943)である。孫三郎はやり手の実業家であると同時に社会事業家・石井十次と出会い、キリスト教を信仰し、聖書に親しみ理想主義的な労務管理を実践、社会事業にも情熱を燃やした。

倉敷歴史文化街ぶらぶら散歩ー徳川時代の蔵屋敷のステキな美観の街並

 倉敷中央病院、倉敷労働科学研究所、大原農業研究所、大原奨農会などのほか、西洋の一流絵画を集めた大原美術館、労働問題を調査、研究する大原社会問題研究所まで独力で作った日本一の「フィランソロピー」「社会貢献の第一人者」である。

大原社研には高野岩三郎のもと、大内兵衛、向坂逸郎らわが国を代表する社会経済学者が集まった。明治、大正、昭和初期に企業のワクを破り、社会的、文化的事業にこれほど熱心に取り組み、『全財産を社会に還元すること』を実践した実業家は数少ない。孫三郎の息子総一郎もその意志をついで文化活動に熱心に取り組み、大原二代にわたる情熱が倉敷を日本を代表する文化的蓄積ゾーンに育て上げた。

 

いま、全国的に著名な「倉敷美観地区」は江戸時代の雰囲気を色濃く残す美しい町として知られるがもともと倉敷の歴史的ななりたちに由来している。倉敷川沿いにたたずむ蔵屋敷群は江戸時代に入って、特に寛永19年(1642年)幕府直轄地である「天領」となって以来、栄えていった。

新田開発による農地増加、綿花の栽培による商工業の発展で、高瀬舟を使った水運によって備中地方の特産物が集まり、その中心である倉敷川畔には、綿花問屋、米穀・肥料問屋、商人の町家や白壁の土蔵が立ち並び荷車が往来した石畳の路地も白壁の土蔵と相まって懐かしい風景を今に伝えている。

 
「倉敷美観地区」は同市本町全域、中央1丁目北部、東町・阿知2丁目・鶴形2丁目などの21.0ヘクタール。うち伝統的建造物群保存地区が15.0ヘクタール、伝統美観保存地区が6.0ヘクタール。倉敷川畔伝統的建造物群保存地区は重要伝統的建造物群保存地区になっている。

 
この地域の中心的な建物が大原美術館は昭和5年、大原孫三郎が設立したもので、西洋美術、近代美術を展示する私立美術館としては日本最初のもの。ギリシャ神殿風の本館の中には世界画壇の巨匠作品が多数展示されており、ツタにおおわれた石垣、門を入るとロダンの彫刻「洗礼者ヨハネ」「カレーの市民」の像が迎えてくれる。

また、井上家は倉敷では最古の町屋で約300年を経ており、。「倉敷窓」といわれる窓に防火用の土塗りの扉をもっている市内で唯一の町屋。重要文化財「井上家住宅」は、平成24年12月より6ヵ年の予定で保存・修理工事を行うため、平成24年9月より暫定公開を中止となっている。「大原家住宅」は倉敷窓や倉敷格子、白壁など独特の意匠を備え、倉敷の典型的な町家として往時の姿をとどめ国指定重要文化財に指定、非公開だが外観は楽しめる。

 倉敷アイビースクエアはもともと倉敷紡績の工場であった。工場の外壁の赤レンガは昔のまま残され、竣工当時の壁画や建物はそっくり活して、内部を全く新しくホテルや各施設に造りかえた。昭和49年5月、倉敷アイビースクエアは誕生したが、新しいタイプの文化スクエア、ホテルとして注目されている。
 アイビースクエアを一歩出ると、倉敷川に沿って大原美術館、民芸館、考古館、郷土玩具館などの土蔵と白壁の民家が並ぶ。江戸や明治の面影がどんどん姿を消す中で、倉敷の町の歴史的な価値は今後高まることがあっても低くなることはない。
 ゆっくりアイビースクエアに座って永遠の時間と対話したい・そんな思い
があとから何度もわいてきた。不思議になごむ空間である。
 

 - 湘南海山ぶらぶら日記 , , , , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

世界文化遺産級の岡山の後楽園・鳥城・旭川の歴史面的景観は素晴らしい②』★『この世界的な名園に外国人観光客の人気は高まるばかり』

世界文化遺産をめざせ・岡山の後楽園・鳥城・旭川の歴史面的景観を⑪ 日本の川は山紫 …

no image
平田カヤッキストの『アメリカ・ヨット・ツーリング・スペシャル』「カナダバン クーバー島北部の無人島をアドベンチャー⑤

  <『葉山海』の平田カヤッキスト(カメラマン)の 『アメリ …

『オンライン動画/ 瀬戸内海ぶらり/海を眺めながらの呉線車窓旅がお勧め』 ★『三原駅からゆっくり須波駅へ』★『須波駅から瀬戸内海の島々たっぷり楽める5分間』★『海ながめて堪能して忠海駅へ5分間』

「海を眺める鈍行鉄道旅をしたい人におすすめコース」 日本の鉄道で私が乗った東海道 …

『Z世代のための  百歳学入門』★『日本超高齢者社会の過去から現在の歴史③』★『徳川幕府歴代将の年齢、実力調べ』★『家康・秀忠・家光の三代将軍の指南役 の天海大僧正107歳?こそ徳川幕府の盤石な体制を築いた<黒衣の将軍>です』

  2010/01/27   百歳学入門(15)記事再録 < …

no image
『美しい古寺と自然の鎌倉』スペシャル!『秋深し。紅葉の鎌倉古刹をら散歩すればいつも新たな感動があるよ。

<『美しい古寺と自然の鎌倉』スペシャル!> 『秋深し。紅葉の鎌倉古刹をぶらぶら散 …

no image
★『世界を襲う地球温暖化による異常気象』-『“ヒートドーム”に閉じ込められた北半球、史上最高気温続出』★『世界人口は2055年には100億人を突破。燃え上がる地球で人類は絶滅種族に向かう』

『青い地球は誰のもの、 青い地球は子どものもの、 青い地球はみんなのもの、 人類 …

『MF・ワールド・カメラ・ウオッチ(17)』「フィレンチェぶらり、ふらり散歩(4/19-4/28)

『MF・ワールド・カメラ・ウオッチ(17)』 「フィレンチェぶらり、ふらり散歩( …

no image
鎌倉カヤック釣れないバカ日記『鎌倉材木座沖のシロキスは激減、絶滅種(アオギス)の運命をたどるのか』

  <鎌倉カヤック釣れないバカ日記>   『ゴールデン・キス …

no image
鎌倉カヤック釣りバカ日記(12/10)湘南は海のワンダーランドーカヤック釣りで1石❹長(筋肉貯金、リラックス、魚のおみやげ、地産地消

   <鎌倉カヤック釣りバカ日記(12/10)   …

no image
●『鎌倉ハッピー「キス」ライフー5/11早朝の材木座沖、小坪港沖で20センチ以上のキスがよく釣れたよ

 ★『鎌倉シーカヤック/釣りバカ日記(5/11)』―  『鎌 …