<新刊紹介・中国・辛亥革命百年の歴史ガイドブック>蘇るオールド上海の記憶・『上海時間旅行』(山川出版社 1800円)
2015/01/02
蘇るオールド上海の記憶・『上海時間旅行』(山川出版社 1800円)
前坂 俊之(ジャーナリスト)
本書は私は執筆していないが、親しい編集者・萩原宙氏が担当し、知り合いの記者たち、佐野真一氏、平塚柾緒氏の昭和史研究家の両ベテランが執筆しており、良質の上海日本関係史、上海歴史ガイドブックに仕上がっている。巻頭のグラビアで上海の今と100年前のカラ―絵ハガキ、写真が満載の大特集を組んでおり、見応え、読み応えがありますよ。上海万博への旅行客にはぜひ1冊携えて行ってもらいたい格好の歴史ガイドブックです。
本の帯に「上海万博の2010年から過去へのタイムスリップ。オールド上海の魅力が写真とともに蘇るー」とうたっているビジアル上海歴史物語。当時のから―絵ハガキではバンド(外灘、ガーデンブリッジと英国総領事館、ブロードウエイ・パブリック・ガーデン・イマンション。横浜正金銀行、南京路、福州路など16Pぶっちぎりでカラーで100年前と、現在の世界一の爆発都市の最新写真とを並べて比較できるように掲載しており、、武田泰淳、堀田善衛らの文学者の紹介文と共に魅力あるビジュアルガイドブックにもなっている。
記事もそれぞれ専門家の味わい深い文章が載っているが、私のお勧めは
梶原英之氏(元毎日新聞編集委員、経済ジャーナリスト)の『日本海海戦を勝利に導いた三井物産上海支店長「山本条太郎」一代記』です。山本は政治家となって政友会幹事長として大正、昭和初期に大陸政策で最も活躍した人物だが、これまで本格的な山本条太郎はないだけに注目の論考と、一押しです。
<出版社 / 著者からの内容紹介>
高杉晋作、李香蘭、ゾルゲ、里見甫…。魔都と呼ばれた街に生きた人間達の10のドラマ。“オールド上海”の魅力が写真とともに蘇る。上海に暮らした、幅舘卓哉氏、荘魯迅氏の談話も収録。
内容(「BOOK」データベースより)
魔都と呼ばれた街に生きた人間達の10のドラマ。“オールド上海”を知れば今の上海も見えてくる。
本書の内容
巻頭 当時のカラー絵葉書で見る上海今昔物語…………………
上海育ちが語る我が青春のクオールド上海″…………………語り手・幅舘卓哉
「筆紙をもってつくすべからず」幕末の志士も驚嘆した上海…・・日高恒太朗
文士達の感性が捉えた「上海」の風貌 和田桂子
オールド上海写真紀行① 日本租界
「中国のハリウッド」を疾走した川喜多長政と李香蘭………………… 鈴木義昭
数々の日中人間ドラすを生んだサロン「内山書店」………………… 太田尚樹
日本海海戦を勝利に導いた三井物産上海支店長「山本条太郎」一代記 梶原英之
それからの阿Qたち-2010年「在上海読書日録」より-… 中村原
オールド上海写真紀行②バンドの変貌
上海の夜と霧-『阿片王・里見甫』を振り返って-…………………… 佐野眞一
二十世紀最大のスパイ事件「ゾルゲ」上海へ潜行す………………… 太田尚樹
上海の夜に羽ばたいた悲劇の王女「川島芳子」 平塚柾緒
南進諭の入り口は上海だった 梶原英之
オールド上海写真紀行③バンドの変貌街の風景と人々
終章 私と上海
一家三代の上海百年物語 語り手・荘魯迅
コラム
上海蟹は風流な食べ物
「上海」はどう描かれてきたか
上海に行くならク浴池〟へどうぞ
上海娯楽の象徴だった大世界
· 単行本: 203ページ
· 出版社: 山川出版社
· 発売日: 2010/07
関連記事
-
-
速報(320)『国会事故調報告書会見』―『事故は人災』で政・官・財・学会・マスコミの総癒着『虜(とりこ)』の国家破綻構造を解体せよ
速報(320)『日本のメルトダウン』 ●『国会原発事故調査委員会の …
-
-
トラン大統領は全く知らない/『世界の人になぜ日中韓/北朝鮮は150年前から戦争、対立の歴史を繰り返しているかがよくわかる連載⑶』ー(まとめ記事再録)日中韓異文化理解の歴史学(3)日中韓異文化理解の歴史学(3) 『日中韓150年戦争史の原因を読み解く』 (連載70回中、37-50回まで)
日中韓異文化理解の歴史学(3) 『日中韓150年戦争史の原因を読み解く』 ( …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(155)』『とうとうホンハイの傘下入り。世界市場の有為転変に眼を瞑り、過去の成功体験に浸り続けると地獄が待っているという典型です』●『英紙が報じた「アベノミクスの末期症状」ステルス増税が日本にとどめを刺す』
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(155)』 焦点:シャ …
-
-
世界史の中の『日露戦争』⑮米国「ニューヨーク・タイムズ」の『日露戦争―日本軍の侵攻』<開戦10日目>
世界史の中の『日露戦争』⑮ 英 …
-
-
★『オンライン/新型コロナパンデミックの世界』(2020年12月―21年1月15日)★『 コロナ第3波に襲われた世』★「トランプ大統領の最後の悪あがき、支持者が米議事堂に乱入!』★『バイデン新大統領の就任式(1/20日)★『中国の強権、戦狼外交が続く』★『今年7月に中国共産党は結党100年を迎える』(下)
「トランプ大統領の最後の悪あがき、支持者が米議事堂に乱入!」 前坂 …
-
-
記事再録/知的巨人たちの百歳学(135)-勝海舟(76歳)の国難突破力―『政治家の秘訣は正心誠意、何事でもすべて知行合一』★『すべて金が土台じゃ、借金をするな、こしらえるな』(これこそ今の1千兆円を越える債務をふくらませた政治を一喝、直ぐ取り組めという厳命)
2012/12/04 /日本リーダーパワー史(350) ◎明治維新から150年- …
-
-
『オンライン/新型コロナパンデミックの研究』-『時代は、時代に後れる者を罰する』(ゴルバチョフ)ー今、冷戦崩壊に次ぐ、2020年の「withコロナ」時代、「地球温暖化・第3次デジタル世界大戦」に突入した。この時代の大変革に乗り遅れた国家、企業、個人は,明日の世界で生き残れないだろう。
『時代は、時代に後れる者を罰する』ー …
-
-
明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変⑧』-服部宇之吉著『北京龍城日記』(大正15年)より④』★『服部の目からウロコの中国論』●『科学的知識は皆無で迷信/虚説を盲信して夜郎自大となった清国。一方、西洋人は支那を未開の野蛮国として、暴虐をくわえて義和団の乱、北清事変に爆発した』
明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変⑧』 ここにおいて、また例の …
-
-
日米野球史「ベーブ・ルースを超えた二投流・大谷翔平」と「日本の野球の神様・川上哲治監督の「巨人9連覇達成」
エンゼルスの大谷翔平選手のペースがますます上がってきた。6月は月間 …
