前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

<鎌倉古寺巡礼> 花の美しい瑞泉寺へ紅葉を見に行く―暖かくて今秋のモミジは今ひとつ、しかし何と言っても★5

      2015/01/01

<鎌倉古寺巡礼>
 
花の美しい瑞泉寺へ紅葉を見に行く―暖かくて今秋の
モミジは今ひとつ、しかし何と言っても★5つ
 
 
前坂俊之(ジャーナリスト)
 
 
鎌倉の名庭園・花の美寺である瑞泉寺へー
 
 
 
瑞泉寺(ずいせんじ)(鎌倉市二階堂710)
 
 
 京都では西芳寺・天竜寺・竜安寺・妙心寺など数多くの名園をもつ禅刹があるが、鎌倉の場合、名庭園を残すのは、建長寺・円覚寺・瑞泉寺の三寺だけといってよい。このうち、梅・水仙・紅葉など、四季折々の変化に富む境内のせいもあって、多くの人びとに親しまれているのが瑞泉寺である。
 ヤマザクラ・ハナノキ・カへデなどの種類は多い。庭園の梅と水仙とが名高く、紅葉もみごとである。本堂前のオウハイ(黄梅)は市指定の天然記念物。

 
 瑞泉寺(ずいせんじ)は臨済宗円覚寺派。山号は錦屏山。開基は幕府の有力な御家人であった二階堂道薀、本尊は地蔵菩薩。嘉暦二年(1327)の創建である。。開山は夢窓疎石、中興の開基は足利基氏。紅葉ヶ谷は紅葉の名所であり、山号もそれにちなんでつけられたという。はじめは瑞泉院といった。
 嘉暦元年(1326)、永福寺傍らの南芳院に寓居していた夢窓疎石は翌年の「瑞泉院」創建に伴い移住して、同三年には観音殿、山頂に循界一覧亭を造り、庭園もこの頃、作られたと見られる。
疎石が幼年期を過ごした甲斐(山梨)は二階堂道薀の領地であり、そんな関係から疎石のために寺を建立したと考えられる。
 

 
 同寺の説明では「紅葉ケ谷を囲む三方の山が天然の垣根の、わずかに開けた西の空に富士山を仰ぐこの地に、天台山、錦屏山を背景として、夢窓国師は庭園を作られました。
鎌倉石の岩盤に巧みな彫刻をほどこした。北の一隅の岩壁の正面に大きな洞(天女洞)を彫り、東側には坐禅のための窟(坐禅窟・藻光窟)をうがった。
天女洞の前には貯清池、池の中央には島をつくり、水流を東側に辿れば滝壷に、垂直の岩壁は滝、その上方には貯水槽があり、要に応じて流水する」とある。
 このように岩盤を彫刻的手法によって造園した。「岩庭」とも呼ぶこの庭園は、書院庭園のさきがけであり、鎌倉に残る鎌倉時代唯一の庭園である。

 
鎌倉幕府滅亡後も足利氏が厚く保護し、鎌倉御所基氏は遺命で塔所とした。院を寺と改め、規模もととのったのはその頃とみられる。鎌倉幕府滅亡後も疎石は足利氏の帰依をえて、当寺も貞治六年(1367))4月に足利基氏が瑞泉寺に葬られてからは、足利氏菩提寺の一つとして、夢窓派の関東における拠点の一つとして発展した。

至徳三年(1386)には関東十刹の第一に列せられた。盛時には足利尊氏の母の塔所・果証院や同持氏の塔所長寺院以下、南芳庵・保寿院・勝光院・祥雲庵・羅漢院・三聖院等々の塔頭があったが、すべて廃絶された。 
現在は総門・三門・仏殿・開山堂・地蔵堂・客殿・庫裡などが伽藍を形作っており、昭和三十八年に横浜金蔵院から移築した江戸前期の客殿以外は新しい。背後の山頂には一覧亭がある。

 

最初建てられたのは嘉暦三年(1328)であり、五山僧たちがここでしばしば詩会を催した。江戸時代には徳川光園が復興、木造千手観音畜産坐像を本尊として寄進している。その堂も滅び、いまの建物は新しいが、像は伝蔵され、本堂にまつられている。
境内全域が国指定史跡。裏山には「お塔やぐら」「瑞泉寺やぐら群」がある。
 

 - 湘南海山ぶらぶら日記 , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『鎌倉カヤック釣りバカ日記』回想録『人生とは重荷を負うて、遠き道を行くが如し』=「半筆半漁」「晴釣雨読」の「鉄オモリ」のカヌーフィッシング暮らし』★『15年後の今、海水温の1,5度上昇で、磯焼けし藻場も海藻もほぼ全滅、魚は移住してしまったよ!』

2011/07/07記事再編集 前坂俊之(ジャーナリスト) 「半筆半漁」「晴釣雨 …

百歳学入門(151)元祖ス-ローライフの達人「超俗の画家」熊谷守一(97歳)●『貧乏など平気の平左』で『昭和42年、文化勲章受章を断わった。「小さいときから勲章はきらいだったんですわ。よく軍人が勲章をぶらさげているのみて、変に思ったもんです」

百歳学入門(151)   元祖ス-ローライフの達人・「超俗の画家」の熊谷守一(9 …

no image
<約700年前の「鎌倉やぐら」巡礼>中世の迷宮都市・鎌倉の歴史絶景スポット☆鎌倉やぐらを散索しようよ』

  <約700年前の「鎌倉やぐら」巡礼>   中世の迷宮都市 …

『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(121)』プラハ(チェコ)の旧市街地をぶらり散歩、民族の歴史と伝統文化に魅了される(5/8)④

  『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(121)』 プラ …

no image
鎌倉シーパワースポット・サーフィン百選>『朝は古寺で蓮の花を眺めて修行、午後はサーフィン・海水浴で鍛錬せよ』

<鎌倉シーパワースポット・サーフィン百選!>   『鎌倉の魅力は海と山 …

『2021年新春/新型コロナを吹き飛ばせ!稲村ケ崎サーフィンで滑ろう』★『 大晦日、滑りおさめの鎌倉稲村ケ崎サーフィン(2020/12/31 /am10)-稲村付近で約50人のサーファーが富士山、江の島をバック今年最後の滑りを楽しんでいたよ、ここは湘南第一の富士山ビューポイントだよ』

 大晦日、滑りおさめの鎌倉稲村ケ崎サーフィン(2020/12/31 / …

no image
『百歳学入門』(230)『わが鎌倉30年カヤック釣りバカ日記』懺悔録-海には毎回、大自然のドラマがあり、サプライズがあるよ!

 2013/06/21の記事の再録 『鎌倉30年カヤック釣りバカ日記』懺悔録- …

no image
『新幹線「ひかり』で品川駅→岡山駅の車窓風景全中継』①(12/23)文豪内田百閒【阿呆列車】を まねてHDビデオで全撮影、一挙公開①

       『新幹線「ひかり …

no image
<鎌倉古寺巡礼>『竹庭、石庭が有名で「竹の寺」の報国寺はスパイシー・スペースじゃ☆4』

<鎌倉古寺巡礼>   『竹庭、石庭が有名で「竹の寺」の報国寺は癒しスペ …

no image
★若者たちの<サーファーズパラダイス鎌倉>』スペシャル!台風21号で3m以上のビッグウエーブが襲来、スゲー

『美しい海と山、歴史文化の鎌倉』― ★若者たちの<サーファーズパラダイス鎌倉>』 …