『リーダーシップの日本近現代史』(202)ー『COP25と<脱石炭の行動を起こせない>」大災害国日本の沈没①』★『2018年の気象災害被害が最悪国だった日本』★『100年に一度の想定外の災害が毎年のように襲ってくる「巨大災害多発時代」に突入した日本』★『それなのにCOP25で2度目の化石賞でダメ出しされた日本は51位 石炭大国の中国は30位』★『安倍政権下で環境問題後進国へ転落、世界との差は2周遅れで信用失墜へ!』
2019/12/16
●「今やらねば、いつできる.何よりダメな日本の衰退』
COP25で2度目の化石賞 ダメ出しされた日本51位 石炭大国の中国は30位と上位
前坂 俊之(ジヤ-ナリスㇳ)
12月2日から13日までの予定でスペイン・マドリードで開催されていた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の会場で6日「気象災害の被害が2018年、最悪国だった日本」とドイツの環境NGO「ジャーマンウオッチ」が報告書を公表した。
同NGOは気象災害による死者数や損害額など4項目で各国の被害状況を分析したが、2017年は36位だった日本が1位となり、2位はフィリピン、3位はドイツが続いた。18年に日本で被害が甚大だった原因は、西日本豪雨、猛暑、台風21号を挙げた。西日本豪雨では200人以上が死亡、7月から8月は猛暑となり、全国で熱中症の死者が相次ぎ、埼玉県熊谷市では国内観測史上最高の41.1度を記録。9月の台風21号は、関西空港の滑走路やビルが広範囲に浸水、各地でも大きな被害が出たのが要因。
同報告書は「過去20年に異常気象によって世界中で50万人近くが亡くなり、経済的な損失は日本円で385兆円を超える」として、温暖化の被害を抑える対策を早急に取りように呼びかけた。
-
100年に一度の災害、想定外の災害が毎年のように襲ってくる「災害最大多発時代」に日本は突入
台風19号の甚大な被害
今年の場合も10月12に日本を襲った台風19号による強風、豪雨による水害などの被災範囲は去年の「西日本豪雨」を超えたほか、土砂災害も1つの台風によるものでは最大となった。土砂災害も884件と1つの台風としては1982年以降の最多。
台風19号による死者は全国で93人、5人が行方不明。11月12日時点で長野、福島、宮城、長野、栃木県など16都県で阿武隈川など国管理の7河川を含む301河川が堤防の決壊などで氾濫し、浸水面積は2万5000ヘクタールに及んだ。
日経の記事では千曲川の堤防が決壊して多数の家屋が浸水被害を受けた長野など全国での被災件数は住宅1万1千棟以上が全半壊し、床上浸水も3万1千棟を超えた。消防庁の調べでは住宅被害は9万棟を超え、企業活動や農業も大きな損害を受けた。中小企業関係の被害額は14都県で総額4767億円。農林水産業の被害はの合計が3100億円(台風15号、19号を含む)を超え、2018年の西日本豪雨以来の被害規模となっている。
-
都市リスクランキング」では東京が第1位、大阪が第6位
-
英エコノミスト誌の発表する安全都市指数という調査では2019年版では、3年連続で東京が「世界で最も安全な都市」に輝いている 。「サイバーセキュリティ」で1位、「医療・健康環境」で2位、「インフラの安全性」で4位、「個人の安全性」で4位、総合スコアで第1位である。大阪も第3位に入っており「日本は安全な国」とのイメージだが、英保険組織のロイズなどによる「紛争や災害の脅威による都市リスクランキング」では東京が第1位、大阪が第6位となっている。
日本損害保険協会による「風水害等による保険金支払い支払い歴代ランキングでは
1. 2018年台風21号 大阪・京都・兵庫など 1兆0678億円
2. 1991年台風19号 全国 5680億
6. 2018年台風24号 東京・神奈川・静岡など 3061億円
7. 2018年7月豪雨 岡山・広島・愛媛など 1956億円
地震の頻度も増えているが「地震保険による保険金支払いも次のように増えている。
1. 2011年東日本大震災 1兆2833億円
2. 2016年熊本地震 3859億円
3. 2018年大阪北部地震 1072億円
4. 1995年阪神淡路大震災 783億円
5. 2018年北海道胆振東部地震 387億円
東日本大震災を別にすれば、2016年、18年の直近の発生だ。首都圏直下地震も南海トラフ大地震(津波)も今後30年内に70%の確率で起こるという予測も出ている。
このため、今年度の補正予算案を決定し、新たな経済対策のうち、台風19号など一連の災害からの復旧・復興、国民の安全・安心の確保には、2兆3086億円が計上している。「災害列島日本」にとって今後の温暖対策費用、災害対策費は増える一方となるだろう。
「地球の記録、アース・カタストロフ・レビュー」
地球温暖化の影響は地球全体への拡大化、巨大化はスピードアップしており、どこが襲われるかはわからない。世界中の温暖化、気象変化についてカバーしている「地球の記録、アース・カタストロフ・レビュー」(https://earthreview.net/)から、ここ半年の異常気象についてのニュースをピックアップすると
- 穏やかな気候の冬のアイスランドを前代未聞の爆弾サイクロンが直撃し、「雪のカオス状態」に。全土で停電と交通の閉鎖が続く(12月14日)
- 発生から1ヵ月以上経っても終息の気配がないオーストラリア史上最悪の山火事。これによりコアラが絶滅に向かう可能性も(12/7)
- 温暖な米サンフランシスコを「超寒波」が襲い、123年前の最低気温記録が更新される(12/2)
- カンヌやニースなど名だたる観光地や保養地が広がる南フランスの海岸沿いの地域であるコートダジュールを中心に、12月1日に100年に1度の規模の大水害が発生しこれまでに11人が死亡(AFP)
- ロシアで11月の観測史上最低気温となる -48℃の場所が出現。一方で、南半球のオーストラリアでは各地で +40℃超の観測史上最高気温を記録する場所が続出(11/19)
- スペインやイタリアで記録的な豪雨による壊滅的な洪水被害が発生(10月25日)
- インドのモンスーンの洪水被害は死者数が1600人を突破。総雨量は過去25年間で最大に(10/02)
- 異常気象が続くアフリカのスーダンで「1日に3ヵ月分の雨」が降り大洪水に。少なくとも50人が死亡(08/19)
- ロシア・シベリアの山火事が壊滅的な状況に。山林の火災面積は東京ドーム150万個以上に相当する400万ヘクタールに達し、制御不能の状態に(7/31)
つづく
関連記事
-
-
『オンライン/日本宰相論/講座』★『大宰相・原敬の「観光立国論」-『観光政策の根本的誤解/『観光』の意味とは・『皇太子(昭和天皇)を欧州観光に旅立たせた原敬の見識と決断力』★『日本帝王学の要諦は ①可愛い子には旅をさせよ ②獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす ③昔の武士の子は元服(14、15歳)で武者修行に出した』
2017/09/23 日本リーダーパワー史(221)記事再録 。前坂 …
-
-
日本リーダーパワー史(861)ー記事再録『リーダーをどうやって子供の時から育てるかー 福沢諭吉の教えー『英才教育は必要なし』(下)『西欧の三千年の歴史の中で天才の学校生活を調べると、天才、トップリーダーは学校教育ではつくれないことを証明している』
日本リーダーパワー史(861) 『天才の通信簿』では西欧の3千年の歴史の中での …
-
-
『Z世代のための<日本安全保障史>講座②」★『1888年(明治21)の末広鉄腸の『安全保障論②』★『1888年(明治21)、優勝劣敗の世界に立って、 外交をどう展開すべきか』★『西洋への開化主義、『鹿鳴館」の猿まね外交で、同文同種の中国 を排斥し、日中外交に障害を及ぼすのは外交戦略の失敗である』
2019/08/26 日本リーダ …
-
-
人気記事再録/日本天才奇人伝①「国会開設、議会主義の理論を紹介した日本最初の民主主義者・中江兆民ハチャメチャ人生とジョーク①
2012/11/25 /日本天才奇人伝① …
-
-
日本メルトダウン脱出法(683)「橋下徹が「引退」できない3つの理由 」 「社説:日本経済に自信を取り戻させる方法 」(英FT紙)
日本メルトダウン脱出法(683) 橋下徹が「引退」できない3つの理由 都構想 …
-
-
『オンライン憲法講座/憲法第9条(戦争・戦力放棄)の発案者は一体誰か④』★「マッカーサーによって押し付けられたもの」、「GHQだ」「いや,幣原喜重郎首相だ」「昭和天皇によるもの」―と最初の発案者をめぐっても長年論争が続き、決着はいまだついていない』★『憲法問題の核心解説動画【永久保存】 2013.02.12 衆議院予算委員会 石原慎太郎 日本維新の会』(100分動画)
2006年8月15日/『憲法第9条と昭和天皇』記事再録 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(828)『コラム:中国からの制裁警告、米国は新常態に備えよ』●『日本で広がる「JKカフェ」 暗い側面』●『日本で「中年童貞」が増加 その背景は』●『ISISによる処刑者総数は計3895人、「国」樹立宣言後』
日本メルトダウン脱出法(828) コラム:中国からの制裁警告、米国は新常態に備え …
-
-
『MF・ワールド・カメラ・ウオッチ(11)』「フィレンチェぶらり、ふらり散歩(4/19-4/28)「ウフィッツィ美術館」、「「パラティーナ美術館」を見て回る⑥
2015/06/10 『MF・ワールド・カ …
-
-
日本メルトダウン脱出法(894)【日米首脳会談】海外メディアはどう報じた? 安倍首相の抗議を「驚くほどの強い言葉遣い」と米紙』●『アングル:オバマ大統領の広島訪問、核なき世界への一歩か』●『サミット:世界経済「クライシス」の認識に異論、表現を最終調整へ』●『オピニオン:伊勢志摩サミット成否の分かれ目=竹中平蔵氏』
日本メルトダウン脱出法(894) 【日米首脳会談】海外メディアは …
-
-
『オンライン/日本恋愛史講座』★『今年は日米戦争から80年目』★『1941年12月、真珠湾攻撃を指揮した山本五十六連合艦隊司令長官が1日千秋の思い出まっていた手紙は愛人・河合千代子からのラブレターであった』
日本リーダーパワー史(60) 真珠湾攻撃と山本五十六の『提督の恋』 …
- PREV
- 『リーダーシップの日本近現代史』(201)-記事再録/『世界を魅了した最初の日本女性―世界のプリマドンナ・三浦環―アメリカ、ヨーロッパが熱狂した「蝶々夫人」です』★『 1918年11月、第一次世界大戦の休戦条約の祝賀の凱旋式がニューヨークのマディソン広場で開催、ウィルソン大統領の演説の後に三浦環が歌い、大喝采を浴びた。』★『十五年間の米国滞在中、ウィルソン、ハーディング、クーリツジと三代大統領の前で歌い、ホワイトハウスに何度も招待された』
- NEXT
- 『リーダーシップの日本近現代史』(203)/記事再録ー明治150年「戦略思想不在の歴史⒁」―『明治維新を点火した草莽の革命家・吉田松陰⑵』松下村塾で行われた教育実践は「暗記ではなく議論と行動」★『160年前に西欧によって軒並み植民地にされていたアジア、中東、アフリカの有色人種各国の中で、唯一、近代日本を切り開くことに成功した最初の革命家・吉田松陰の実践教育である』
