知的巨人の百歳学(116)ー『三浦雄一郎氏(85)のエベレスト登頂法②』★『老人への固定観念を自ら打ち破る』★『両足に10キロの重りを付け、これに25キロのリュックを常に背負うトレーニング開始』★『「可能性の遺伝子」のスイッチを決して切らない』●『運動をはじめるのに「遅すぎる年齢」はない』
2018/12/06
-『三浦雄一郎氏(85)のエベレスト登頂法』
三浦雄一郎氏、エベレストに登頂、史上最高齢80歳の夢実現
http://www.sankei.com/life/news/130523/lif1305230020-n1.html
三浦雄一郎氏 世界最年長登頂し8201m滑降へ
[2018年1月30日
https://www.nikkansports.com/sports/news/201801300000276.html
三浦雄一郎さんが世界七大陸の最高峰でスキー滑降を成し遂げたのが1985年、53歳の時。
そのあと、達成感から気が抜けてしまったのか運動をやめた。近くの「飲み放題食べ放題」の焼き肉店で腹いっぱい食い飲む不摂生な生活が続き、気がついたら体重は九〇キロ近くも増え、生活習慣病的な「おデブちゃん」となり果てた。
六十代になった頃、狭心症の発作に襲われ入院し、本人は死ぬかとおもった、という。
65歳の時の健康診断では身長164センチ、体重85キロ、血圧95~155、体脂肪率39・5パーセントの完全な肥満型となっていた。
そのころ、一緒に生活していた90歳を過ぎた父・敬三さんはまだまだ夢を追って、挑戦を続けていた。
スーパーおじいちゃん″の異名をとっていた敬三さんは、77歳の喜寿を迎えた際にキリマンジャロ登頂に成功、88歳の米寿ではヨーロッパ屈指のオートルート(山岳スキールート、全長120キロ)完全踏破に成功していた。
三浦さんが65歳になった1998年ごろには、敬三さんは5年後の白寿(99歳)でモンブラン山系最長のバレーブランシュ氷河(全長24キロ)をスキーで滑降する計画に挑戦するとして、日々トレーニングにはげんでいた。
三浦さんは父の100歳を前にしての衰えることのないチャレンジ精神に心を打たれ,自らの不甲斐なさを悔いた。
ちなみに敬三さんはこの後、モンブランスキー滑降にも成功し、100歳を過ぎても、まだまだ年間120日以上もスキーを滑っていた。
2004年7月には、トレ-ニング中に転倒して、鎖骨を折ったが、これまた1から出直トレーニングをはじめた。この時の敬三さんの足の骨密度はなんと60代だった、というから驚く。
三浦さんは父親と比べて我が身を深く反省した。「おれも病気を治して、世界一の山一エベレストを70歳で挑戦してみよう」とやる気にスイッチが入った。
早速、トレーニングのつもりで家のそばの藻岩山(500m)に上ったが、足は痙攣するし、息切れ不整脈で脂汗が出るわで登れなかった。
「六十五歳で五〇〇メートルの山を登れなかったじいさんが8848メートルのエベレストを登れ走ら、こんな面白いことはない」と、生来楽天家の三浦さんは「プラス思考」で走り出した。
当時のエベレスト登頂者の死亡率は14%で、これは20-40代のベテランの登山家での数字で、70歳でのエベレスト登頂の死亡率はどのくらいになるのか、70歳の挑戦は初めてで、大きなニュースになった。
三浦さんは片足5キロ、両方10キロ、これに25キロのリュックサックを背負って歩くトレーニングから始めた。
人間は何歳になっても筋力や体力を向上させることができる。いくら歳をとっていても運動するのに遅すぎることはない。
「人は1日寝たきりでいると筋力が3パーセント低下し、1か月何もしないと30パーセントもの筋肉が落ちる。逆に効果的な運動を半年続けると、5歳若返る。1年続けると、10歳若返る」と三浦さんは言う。
三浦さんは当初は25キロほどの荷物を背負って登れなかった藻岩山にも、半年後には1時間ほどでのぼるようになった。めきめき体力、筋力は回復し、そして1年後には血糖値などのすべての数値もよくなってきた。
狭心症など全部直った。ひざは人工関節にしなさいというのが、足首に重りをつけて歩いているうちに、筋肉がついて半月板も復活して痛みも完全に取れた。エベレスト登頂ごろの骨密度はなんと23歳となっていた。
長寿学入門(217)-『三浦雄一郎氏(85)のエベレスト登頂法②』★『老人への固定観念を自ら打ち破る』★『両足に10キロの重りを付け、これに25キロのリュックを常に背負うトレーニング開始』★『「可能性の遺伝子」のスイッチを決して切らない』●『運動をはじめるのに「遅すぎる年齢」はない』
老人への固定観念を自ら打ち破れ
➀ 60歳を過ぎたら「定年」「引退する歳」「老人ホームの心配をするような歳」という固定観念に縛られて、自分の年齢を考えて、消極的になってはいけない。
②70歳でエベレスト登頂に成功することができたのは、こうした老人のイメージ・固定観念を打ちやぶる精神的なスイッチをオンにして、肉体的なアクション、トレーニングに取り組んだのです。
③65歳で5年後の70歳でエベレスト登頂を果たすという目標を立て、外出時には常に両足に重りを付け足5キロ、両方10キロ、これに25キロ20 kg近いリュックを常に背負うというトレーニングを再開しました。
④このチャレンジのスイッチをいれたのは父親と息子です。父・敬三は、77歳の喜寿でキリマンジャロ登頂を成し遂げ、88歳の米寿でヨーロッパ屈指のオートルート・全長120キロ)完全踏破に成功し、〝スーパーおじいちゃんとして有名でした。
⑤三浦さんが65歳になった1998年には、5年後の白寿(99歳)での目標をモンブラン山系最長のバレーブランシュ氷河(全長24キロ)のスキー滑降の挑戦を目標に、日々トレーニングにはげんでいたのです。このオヤジの頑張りを見て、私の心にスイッチが入りました。
⑥ また、次男の豪太はそのころ、日本モーグル界のパイオニアとしてワールドカップを転戦。日本代表として94年にはリレハンメル・オリンピックに、98年には長野オリンピックにも出場して、トップスキーヤーとして世界を飛び回っていました。身近な人を格好の〝ライバル″にして、頑張ったのです。
2003年5月世界最高峰のエベレストに世界最高齢(ギネスブックに掲載)となる70歳7か月での登頂を果たすことができ、同時に二男・豪太との日本人初の親子同時登頂も達成したのです。
⑦「可能性の遺伝子」のスイッチを決して切らない
父の敬三は100歳を過ぎても、年間120日以上もスキーを滑っていた。
「101歳という年齢の三浦敬三」が生きているのではなく、「三浦敬三という男がたまたま101歳になっただけだ」と考えているからです。
⑧「60歳が引退する年だなんて、人生を勝手に決めつけるんじゃない」と私は決意し、自分の「可能性の遺伝子」のスイッチを1つずっ入れたのです。
➈運動をはじめるのに「遅すぎる年齢」はない。
スポーツ医学の研究結果によると、人は1日寝たきりでいると筋力が3パーセント低下し、1か月何もしないと30パーセントもの筋肉が落ちてしまうそうです。逆に効果的な運動を半年続けると、5歳若返るといわれています。
86歳三浦雄一郎さんの次なる挑戦は・・・・南米最高峰登頂・滑降へ
https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20181203-OYT1T50069.html
関連記事
-
-
世界/ 日本メルトダウン(915)『EU離脱,イギリスはどうなる?数日後、数カ月後、数年後のシナリオ』●『英「EU離脱」まとめ…国際情勢や世界経済に不安』●『今度は「Regrexit」、EU離脱を「後悔」』●『EU離脱決定後、イギリスの人たちは「EUって何?」と検索していた』●『英国のEU離脱は中国に有利、経済専門家ら』
世界/ 日本メルトダウン(915) EU離脱、イギリスはどうなる? 数日後、 …
-
-
『Z世代のための生き方死に方講座』★『生死一如ー 鈴木大拙師(96歳)の老生学』★『今日から明日へ、今年から来年へと、将来に希望をかけることが私の九十三歳の健康法だ』●『特別に健康のことを考えて暮らすわけではないが、過去のことは考えんな。いつも未来のことを考えておる。あれをしなくてはならぬ、これをしなくてはならぬとな』
2017/03/30 百歳学入門(171)-「 …
-
-
『わがビッグファイト・フィッシング回想録②』鎌倉カヤック釣りバカ・筋トレ日記(2016/10/22)約1ゕ月ぶりに材木座海岸を午前7時過ぎにスタート。『さかなクンと遊ぼうよーぶつぶつ,ボケボケ解説中継だよ②』
●『いきなり竿をひったくり、ソーダカツオにぶち切られる。 残念、あとはカモメと遊 …
-
-
『Z世代のためのオープン自由講座』★『超高齢少子人口減少日本』★『センテナリアン(百寿者)は9万4526人、2047年には50万人を突破する」★『日野原重明(105歳)先生の生き方に学ぶ』
センテナリアン(百寿者)―9万4526人、2047年には50万人を …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(157)再録/『日本一『見事な引き際・伊庭貞剛の晩晴学②『「事業の進歩発達を最も害するものは、青年の過失ではなく、老人の跋扈である。老人は少壮者の邪魔をしないことが一番必要である」』
2010/10/25   …
-
-
日本メルトダウン(966)『小池氏猛攻で石原兄弟“落選危機” 豊洲疑惑直撃 慎太郎氏、公開聴取ならブランドに傷』●『豊洲問題「盛り土せず」8人に責任 現職副知事ら関与、東京都が11月1日に公表』●『パリピも黙る!「池袋ハロウィン」の超絶進化―小池百合子知事も登場、今年のコスプレは?』●『ハロウィンの何が日本人を夢中にさせるのかー外国人も目を見張る衝撃的な熱狂ぶり』●『「130万円の壁」放置が若者を下流老人予備軍にする』
日本メルトダウン(966) 小池氏猛攻で石原兄弟“落選危機” 豊洲疑惑直撃 慎 …
-
-
『オンライン/新型コロナパンデミックの研究』ー『世界は6月、新型コロナウイルスと共生するニューノーマル(新日常生活)に恐る恐る一歩踏み出した』★『新型コロナ後の世界政治地図はどうなるのか』
新型コロナ後の世界政治地図はどうなるか。 …
-
-
知的巨人の百歳学(119)-『元祖スローライフの達人・超俗の画家/熊谷守一(97歳)』★『文化勲章もきらいだが、ハカマも大きらい。正月もきらいだという。かしこまること、あらたまること、晴れがましいことは一切きらい』
知的巨人の百歳学(119)- 『元祖スローライフの達人・超俗の画家/熊谷守一(9 …
-
-
日本リーダーパワー史(760)―『北朝鮮の金正男暗殺事件がまた起きた』● 『北朝鮮』(旧李朝)の歴史は血で血を洗う権力闘争、粛清の歴史である』★『 日清戦争勃発は親日派の「朝鮮独立党」首領の金玉均暗殺が発火点となった』
日本リーダーパワー史(760) 北朝鮮の金正男暗殺事件がまた起きた。 『北朝鮮 …
