『日中歴史張本人の 「目からウロコの<日中歴史認識><中国戦狼外交>の研究⑥』★『「100年前の清国(中国)の農民,商人の悲惨な環境」★『農民商人の窮状-でたらめな税金取立て、軍隊のピンはね横行』★『憂うべき思想の変化―教育の遅れ』
2025/11/23
2015/01/01/の記事再編集
以下は坂西利八郎が1927年(昭和二)二月十八日に「大阪毎日新聞社講堂」
で行った講演の全文。<「日中友好の捨石、秘録 土肥原賢二」芙蓉書房
昭和47年」に収録>
●農民商人の窮状-でたらめな税金取立て、軍隊のピンはね横行
そうして見れば、支那のこの動乱はなお暫く続くのですが、その結果はどうなりますか。1言にして尽せば商売が出来ないのであります。折角、品物を持って行っても奥地に入られない。鉄道もない。船舶もない。ラクダの背中、ラバの背中によるか、大きな大八車によるか、小さな舟で行くか、何れにしても奥地まで行くことがますます不便になって来ます。同時に、先方の農民がこしらえたものをこっちへ出すことが出来ないのです。
もっとも特例がありまして、綿の安いのが買えた、米の安い売物があるということも聞きますが、それはあの広い支那のことでありますから、値段が安いものもありましょう。まことにこの節は兵隊が商売をするということがあります。それは鉄道で品物を運ぶというよりは、もっと手数のかからない貨車を奪ってしまうことです。
例えば甲の地点から、乙の地点まで鉄道がかかっている。この間には兵隊がいくつも駐在している。ここからこっちは奉天軍、ここから向うは山東軍が駐屯している。そしてその同じ奉天軍の中で、やはり甲の師団、乙の師団があり、こちらにも、甲の師団、乙の師団があり、こちらにも甲の師団、乙の師団がある。また独立の長官がある。
これらの長官たちは自分が守備している鉄道の範囲内では、その貨車の融通を自分の部下にやらせる。仮りにある商人がこの地点から彼の地点まで貨物を運びますには、その間に独立した軍隊が四つあるとするとその四つの独立した軍隊に、それぞれかけ合わなければ品物が目的地に行かないのであります。
現に北京から北、張家口の方にまいりまして、それから西に折れて山西の大同を経て綏遠城、包頭という黄河の縁まで行きます。鉄道の如き、以前は天津まで貨物を出すのに、一貨車がわずか三百円足らずでしたが今日ではその十倍を払わなければならない。三千円払わなければならんのみならず、三千円払っても完全に運べるかどうか判らぬのであります。
しかし奥地には物が欠乏しているから、マッチが十銭、二十銭にしても、競って買う。また例えば甘草、牛の皮とか馬の皮というようなものを出せば、その貨車に満載して持って来れば、三千円かかっても、それだけの取返しはつくのでありますが、それを運ぶ道中で、ここでも税を取られ、かしこでも税を絞られ、それがしかもその税額がちゃんときまっていない、隊長のその時のフトコロ工合で運賃をきめられる(笑声)それを出さないと貨車を停める。
二日も三日も放って置く。商売人は堪らないから不当と思っても金を出すというわけであります。甚しきは、こちらの奉天軍から一車両の貨車を送る時には先方の山西軍からも一両の貨車を取らねば、貨車は通さないというようなことをやります。そのために交通は殆んど出来ない。
騒乱を続けている結果は、交通が十分に出来ない。産業は止まる。商業も止まる。工業も止まる。すベて止まってしまう。更に困ることは、百姓が農作をやれなくなってしまうことであります。
百姓は仮に農作をしたところで外へ出せないから、耕作がやれないのみならず、軍隊が百姓に向って要求するところの税が非常に高いのである。山東の地方の例を申しますと、以前1両、わが国の一円四十銭ばかりの税を納めるものは、今日は八元を納めわはならぬ。六倍を納めなければいけない。ところが、それを取る県知事の役所のものは、納税には元の銀貨ではいけない、銅銭を持って来いという。
銀の代りに銅銭を持って来いというと大変いいようでありますが決していいのではない。毎日相場は遣いますが、銀貨が一銭銅貨三百六十位に当る、それを自分等の手数料を加えて五百持って来いという。そうすると、これも何割かの増税になるわけであります。しかし単に十倍ならまだ忍べるのですがお前は、今年分の税は納めたが、俺の方ではまだ金が要るから来年の民国十六年分の税も持って来い。
それでもまだ足りないから、十七年度も納めろ。十八年度も持って来い。まだ足らぬから十九年度、二十年度の分までも持って来いというので、昨年十月の話でありますが山東では丁度その頃までに民国二十年度まで、すなわち四年先の分の税金まで百姓は取られているということであります。
その後、聞くところによると、最近には、もう前のは帳消しだ新たに今年度の税を納めろといっているということであります。借金の棒引ということはありますが、租税の先取の棒引ということは余程珍らしい。
そういう風に税を取られるから、農作を試みようとすると小作人の賃銀が非常に高い。それは高いはずです。着物を着るにも外から材料が来ない、土地からは物が余計出来ない、食うものも着るものも高い。以前は支那の小作人というものは年に十両、高いのは二十両一年すなわち十五元から三十元位のものでありました。
その小作人が、今日では1日1元でなければ働かなくなったのだから、算盤をとってやる百姓は、どうしても小作人を使う農作はしない。自分がただ食うを以て足れりとして、自分等だけで小さくやって、その日を暮すということになりましたが、これは自然の成行でありましょう。農民はかくの如く窮している。
●憂うべき思想の変化―教育の遅れ
この農民の窮状は無論気の毒でありますが、さらに他の恐るべき一つの現象は、思想の変化であります。人心みな不安、この不安のために商業も振わわは、工業も振わない。農業も振わない。すなわち産業が一向振わない。夕陽の沈む如く、だんだんにすべてのことが凋落して行くのであります。
人間が非常に悲観的になり、精神に異状を呈して来る。そこで、何等か慰安の道を求めようとして、昨今では或は仏教を研究し、或は道教を研究し、或は霊魂学を研究するものがふえてまいりました。
一体、支那には、あまり仏教が盛でない、支那の坊さんは、ただお経を上げて商売にしているのであります。
ことに北方の支那僧侶はそういうもので、仏教を研究するものは居士と唱える学者であります。ところが近来はその居士について、数は少いが、坊さんのうちの偉いのが仏教の研究をやり、読経の研究をやり出した。或は霊魂学、日本で昔申しましたコックリさんというのと同じようなことが非常にはやることになってまいりました。これすなわち何等かの方法によって自分の精神に慰安を求めようとする反証でありましょう。
つぎに、思想の変化のみならず、われわれが将来に向って最も憂慮すべきは、教育が停滞していることであります。
これは丁度、ヨーロッパ戦争に、食うものがなくなったため、ドイツの子供等の体格を悪うしたと同じように、教育をされない不健全な国民が沢山に出来るということは、将来の支那のために最も憂うべきことであります。たまたま教育されても、その中に赤がまじるとか、青がまじるとか、黒がまじるとかいうようなことになって、正しい真っ白な教育というものが行われないということが、最も憂うべきであると思うのであります。
ただ赤の教育をやる、青の教育をやると申すとちょっとお解りにならんだろうと思いますが「青」の教育ということは、青すなわち支那語の「緑」すなわち緑林、緑林即ち馬賊、-馬賊上りを赤に対して青というのであります。いかに支那と申しても、まさか馬賊の教育をする学校もあるまいけれども、とに角そういう俗な言葉が支那にはあります。
それは一場の笑話としまして、とに角真面目でない教育が行われて、正しい教育が停滞しているために、自然、支那の子弟等は、横道に走るというのが今日の状態であります。
現に北京にある国立学校の九つは経費が一文も出ませんから、みな門を鎖している。金があると門を開く。従って中流階級の、ことに知識階級の人は、自分の子弟を学校にやることを非常に考える。しかも、その政府の学校が、時としては赤になり、青になる。
それでなくても、支那には国民の教育の主義とか、方針とかいうものは何にもなく、国民にも主義がない。昔から支那の書物には、天下は一人の天下にあらず、天下の天下なりということを書いている撃攘の歌にも、目出而作、日入而息、鑿井而飲、耕田而食、帝力何看於我哉というような、極くのんびりと気楽な趣はあるが、国民が一の中心をいただいて団結し、しかして国家民族を強くしようというような考えも、また組織も、今日まで出来ていない。従って教育もどっちかといえば散漫である。これすなわち赤(共産主義)のつけ込み易いゆえんであります。
関連記事
-
-
知的巨人の百歳学(127)ー禅の達人・鈴木大拙(95歳)④『1945年8月『日本敗戦』の混乱をみて <言葉を言い換えて事実の本質忘れて、無責任となる感情的な行動(センチメンタリズム)を脱せよ。感傷的でなく、もっと合理的、論理的に考なければならぬーと警告した。。
日本リーダーパワー史(279) 『日本沈没・崩壊は不可避なのか』- …
-
-
『鎌倉カヤック釣りバカ快楽日記』★『釣った魚のおいしい食べ方「ワカシのカレー粉オーブン焼」★『忍者「カワハギ君はこうして御用じゃ」-釣り仙人の教え(稲村ケ崎沖)』★『35㎝巨大カワハギとの決闘!ー大地を釣ったズシン!重い感じ、ガツガツ、・グイ-グイー!そう暴れるな、細竿が折れるよ!』
鎌倉カヤック釣りバカ日記ー釣った魚のおいしい食べ方「ワカシのカレー粉オーブン焼」 …
-
-
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑲『開戦3ゕ月前の『英タイムズ』の報道-『満州撤退の最終期限10月8日が過ぎたが,ロシアは過去3年間と 変わらず満州に居座り続けた』●『ロシアは満州全体をおさえ、その前進運動をさらに朝鮮に拡大、竜岩浦に軍事基地をつくった。』●『日本は平和的な措置をとり.難局において,また紛争の長期化を通じ,日本は自制を保ち続けてきたが,これは日本が大国になって以来の最も称賛すべき特徴だ。』
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑲ 1903(明治36) …
-
-
『リモート/京都の祇園ぶらり散歩>動画』★『祇園も春爛漫ー多くの外国人観光客がぶらり散歩、建仁寺を参観へ』★『 cherry tree is in full bloom. Kyoto 京都で最高の桜スポットー祇園白川の大和橋付近』』
京都祇園も春爛漫ー多くの外国人観光客がぶらり散歩を楽し …
-
-
『リーダーシップの日本世界近現代史』(298)★『東京オリンピック開催はどうなる②』『 WHOは「パンデミックの可能性がある」とはじめて言及』★『27日のニューヨーク株式相場は、1190.95ドルと過去最大の暴落』★『新型コロナウイルスの封じ込めは不可能。世界人口の4~7割が感染する」との予測』
「新型コロナウイルスの封じ込めは不可能。世界人口の4~7割が感染する …
-
-
湘南海山ぶらぶら日記ー「外国人観光客への鎌倉古寺一番おすすめは「妙法寺」ー京都の「苔寺」より上だよ」
湘南海山ぶらぶら日記 「外国人観光客への鎌倉古寺の一番おすすめは「妙法寺」ー京 …
-
-
『オンライン講座/百歳学入門(54)』★『玄米食提唱の東大教授・二木謙三(93歳)の長寿法『1日玄米、菜食、1食のみで、食はねば、人間は長生きする』★『二木謙三博士の健康十訓ー①食べること少なくし、噛むことを多くせよ。②怒ること少なくし、笑うことを多くせよ③言うこと少なくし、行うことを多くせよ④取ること少なくし、与えることを多くせよ⑤責めること少なくし、ほめることを多くせよ 』
2012/11/05 …
-
-
知的巨人たちの百歳学(123)「生保の父」第一生命創業者・矢野恒太(84歳)「年を忘れることは年をとらない一番の法である」
知的巨人たちの百歳学(123) 「生保の父」第一生命創業者・矢野恒太(84歳) …
-
-
日中韓近代史の復習問題/『現在の米中・米朝・日韓の対立のルーツとしての中国・韓国の外交詐術は変わらない』★『記事再録/日本リーダーパワー史(705) 『日清戦争の引き金の1つとなった防穀令事件 <1889年(明治22)>』★『最後の最後の最後まで、引き延ばし、拒否戦術で相手をじらし土壇場にならないと妥協しないのは中国/朝鮮側の常套手段』
2016/04/24 /日本リーダ …
-
-
ジョーク日本史(3) 宮武外骨こそ日本最高のジョークの天才、パロディトだよ★ 『宮武外骨・予は時代の罪人なり』は超オモロイで
ジョーク日本史(3) 宮武外骨こそ日本最高のジョークの天才、パロディトだよ、 …
