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冬の鎌倉・最後の紅葉ー鎌倉駅東口から約10分の妙本寺は知られざる名刹、落葉の絶景ピークは正月まで(12/22)

   

 

 

◎≪冬の鎌倉・最後の紅葉鎌倉駅東口から約10

妙本寺は知られざる名刹、モミジ・イチョウ

落葉の絶景ピークは正月までも(12/22)

 
                                                           
     前坂 俊之(ジャーナリスト)

 

長興山妙本寺(日蓮宗 248-0007 神奈川県鎌倉市大町1151)は、比企大学三郎能本(比企能員の末子という)を開基­とし、日蓮の直弟子日朝を開山として文応元(1260)年創建と伝えられるが、一説に日蓮が佐渡配流を赦免されて鎌倉に帰ってきた文永111274­)年に比企能本が私邸を喜捨した時に始まるともいう。

山号の長輿は能本の父能員、寺号の妙本は母の法号にちなむといわれる。昭和22年まで­は住持が池上本門寺と当寺とを兼務するのを例として両山兼帯と称していた格式を持つ寺­である。


 総門を入るとやがて参道の両側には鬱蒼と木々が茂り、石段の手前で二天門を仰ぐあたり­の景観はすばらしい。比企ガ谷の一帯は鎌倉時代も「山水納涼」の地とされ、弘安二(1­279)年十月、鎌倉に下った阿仏尼(あぶつに)も翌年の四月に自分の住む月影の谷で­開くことのできなかった「時鳥(ほととぎす)の初(はつね)」を「比企の谷という所に­あまた声鳴きける」さまを人づてに聞いて「忍び音は比企の谷なる時鳥 雲井に高くいつか名乗らん」との歌を「十六夜日記に記している。

四季折々の風情があっていつ訪れても心が静かにいやされるが、時鳥の初音はともかく、­できれば線と陽光の溢れる季節に訪れたい地である。

石段を上ると朱塗りの二天門<向かって右側に持国天(じこくてん)左に多聞天(たもんてん)=毘沙門天(びしゃもんてん)の二天を安置しており、一見の­価値がある。
幕末の嘉永元年(1848)年頃の建築といわれる。欄間にある翼のついた飛竜や木鼻の­一角獅子・象などの彫刻も印象的である。

 

 正面に見えるのが祖師堂で、桁行(間口)五間、梁行(奥行)六間、さらに堂の周囲に幅­二・七mの回廊をめぐらし、正面に一段高くなった三・六m幅の吹放外陣を設けている堂­々たる建物である。
天保年間(183044)の再建といわれている。向拝柱の上には象、獅子、龍や菊な­どの籠掘りの技法で彫刻されているのが吹放外陣から観察できる。
堂内のきらびやかな御宮殿(現在は別棟のま宝殿)に安置されている木造日蓮聖人坐像は
­日蓮在世中に弟子日法が容貌を写して造立したもの(「新編相模風土記」が伝える。

 また、身延山、池上本門寺の像とともに一本の木から刻まれ、世に「一木三体の像」とし­て知られる。十三~十四世紀頃の作とされ、日蓮肖像の古い例として貴重という。

 


 祖師堂右手前の山すそに比企氏一族の墓(供養塔)がある。能本は日蓮に帰依して法名日­学と称したといわれるが、一族墓と並んで日学の基塔もある。四基の五輪塔が並んでいる­が、その右端から日学夫妻・比企能員夫妻の墓塔(供養塔)である。

 さらに二天門寄りの右手の低い竹垣に囲まれた一画に一幡の袖塚がある。比企氏の乱のあ­と、小御所の焼け跡から見つかった亡骸に一幡着衣の小袖の文様がわずかに焦げ残ってい­るのが認められ、その遺骨を拾い供養した話に由来する。またその後の一段高いところの­大きなイチョウの木の根元に若狭の局の墓といわれるものもある。

 

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