日本リーダーパワー史(308)『日本大使公用車襲撃事件を考える』 『戦わずして勝つ』剣道奥義・塚原卜伝の無手勝流の4戦法
『日本大使公用車襲撃事件を考える』
長崎市のデパートでの日中友好協会長崎支部主催の「中国切手展覧会」会場の五星紅旗(中国の国旗)を右翼青年(28)が引きずり下ろした事件。中国側は当時の岸信介首相(安倍元首相の曾祖父)を厳しく批判し、一方的に「日本貿易を中止」の声明を発表し、対中鉄鋼輸出の契約も破棄し、その後、約2年半に渡って貿易停止に陥った。あきらかに中国側の過剰反応であった。
卜伝は静かに両刀を船頭に渡し預けたのち、棒を取ってさて、崖に飛び上るのかと思いきや、グイと一突きその棒を突っ張って、船を島からさっと、離れるとともに「船頭、早く船を漕げッ」
しかし取ったらそれを役に立てよ。お前方が役に立つことに使ってくれたら、金も衣類も本望だろう」といい終わると、また依然として坐禅を続けた。
ただし酒は飲むなよ。酒を飲むと気が荒くなって、また悪いことをする。家の坊やに何か買って行ってやれ。まだ余ったら、それを元手に何か仕事をせよ。他人様に迷惑をかけるな。それが役に立つということだ」とかんで含めるように話した。二人は何もとらず、お礼を述べて帰って行ったという。
「ロンドン・タイムス」のスティード記者の外はみな着席、「スティードももう見えるでしょう」などと話しているところへ、スティードが荒々しく入って来て遅刻を謝罪して、「実はビッグニュースが入って、仕事が手放せなかったのです。それは日本がロシアのバルチック艦隊を日本海で全滅した大ニュースです」といった。
これを聞いた一同は大感激して『素晴らしい』と叫びながら、一斉に牧野の方を見た。ベルギー公使から「今お聞きでしょうが、お手許に公報はありましたか」と尋ねられたので、「ありました。先刻入電しました」と答えると、公使は近寄って来て自分の肩をゆすり、「何という男だ」といった。
なぜこのような大ニュースニュースをわれわれに披露しなかったのだ、非難するような仕草である。他の人も同様の感想で、代わるがわるやって来ては「おめでとう」と言った。牧野は戦争中は、得意の時も、失意の時も一切表面に現わさないことを信条にしており、この日に限って特に沈黙を守ったわけではなかった。実際は胸中に包みきれぬほどの快心を覚えながら午餐に来たのであった。(牧野伸顕 『回顧録』)
関連記事
-
-
日中韓異文化理解の歴史学(2)(まとめ記事再録)『日中韓150年戦争史の原因を読み解く』(連載70回中、21ー35回分)★『申報、英タイムズ、ルー・タン、ノース・チャイナ・ヘラルドなどの外国新聞の報道から読み解く』●『朝鮮半島をめぐる150年間続く紛争のルーツがここにある』★『「 日本か朝鮮を狙うのは有害無益な ことを論ず」(申報)』●『 西欧列強下の『中国,日本,朝鮮の対立と戦争』(英タイムズ)』●『 長崎事件を語る」 (日本は国力、軍事力で中国には全くかなわない)申報』
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』 ㉑「 日本か朝鮮を狙うのは有害 …
-
-
日本風狂人伝⑩ 尾崎士郎-「人生劇場」を書いた男の中の男
日本風狂人伝⑩ 2009,6、29 尾崎士 …
-
-
★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」- 「日本側が伝えた日英同盟の分析」⑤『機密日露戦史』谷寿夫著より』日露協商か、または日英同盟か』★『桂太郎首相の意見は、ロシアは満州の占領のみで最終とするものではない。満洲が手に入れば韓国にもその手を伸ばす、結局、日本が手を出す余地がなくなるまで、その侵略はやまないであろう』
★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」- 「日本側が伝えた日英同盟の分析」⑤ …
-
-
「日本スタートアップ・ユニコーン史」★『アメリカ流の経営学を翻訳・マネする前に、明治のスタートアップ起業者のスゴサに学ぶ』★『「資源もない」「金もない」「情報もない」「技術もない」「学歴もない」「ないないづくし」の地方、過疎村で、独創力で真珠養殖に成功した不屈の御木本幸吉(97歳)』★『エジソンも「私もできなかった」と真珠発明を激賞した』
2019/03/22/ 日本リーダーパワー史(972) …
-
-
★(まとめ記事再録)『現代史の復習問題』★『ガラパゴス国家・日本敗戦史③』150回連載の31回~40回まで』●『『アジア・太平洋戦争全面敗北に至る終戦時の決定力、決断力ゼロは「最高戦争指導会議」「大本営」の機能不全、無責任体制にあるー現在も「この統治システム不全は引き続いている』★『『日本近代最大の知識人・徳富蘇峰(「百敗院泡沫頑蘇居士」)が語る『なぜ日本は敗れたのか・その原因』
★(まとめ記事再録)『現代史の復習問題』★ 『ガラパゴス国家・日本敗戦史③ 』1 …
-
-
『リモート京都観光動画』/初春の京都・大原三千院をぶらり散歩(2019/2/23)-大原バスターミナルから茶店の並ぶ参道をゆっくり歩きながら三千院山門までの風情を楽しむ』★『-御殿門を入り、客殿の庭園「聚碧園」、宸殿、有清園、往生極楽院など、青苔の庭園の幽玄の世界に浸る』★『京都大原の来迎寺(2/23)三千院より呂川沿いの山道をしばらく登ると来迎寺はある。』
初春の京都・大原三千院をぶらり散歩(2/23)-大原バ …
-
-
『オンライン講座・ウクライナ戦争前史・「ロシア新聞」からみた「日中韓150年戦争史」の研究』(66)『(日清戦争開戦2ヵ月後―「新たな世界的強国(日本)の誕生」と『ノーヴォエ・ヴレーミャ』が報道
2014/09/29 …
-
-
記事再録/日本リーダーパワー史(68) 勝海舟の外交コミュニケーション術・「至誠と断固たる気骨で当たれ』★『勝海舟は幕府とか、藩とか小さなことには全くこだわっていなかった。日本の行く末が第一であった。「オレは、(幕府)瓦解の際、日本国のことを思って徳川三百年の歴史も振り返らなかった」(勝海舟直話『氷川清話』』
2010/07/10 /日本リーダーパワー …
-
-
(再録)世界が尊敬した日本人【3】日本・トルコ友好の父・山田寅次郎ートルコを世界で最も親日国にした男
(再録)世界が尊敬した日本人【3】 2006年8月 日本・トルコ友好の父・山田寅 …
-
-
日本リーダーパワー史(120) 明治の2大国家参謀とは誰でしょうか!?・驚くなかれ、杉山茂丸と秋山定輔だね
日本リーダーパワー史(120) 明治の2大国家参謀とは誰か・杉山茂丸 …