前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

知的巨人の百歳学(162 )記事再録/「昆虫記を完成したファーブル(92歳)は遅咲き晩年長寿の達人-海、山を観察すれば楽しみいっぱい

   

 

  2013/07/30 / 2015/01/01 百歳学入門(79

▼「昆虫記(全10巻)を完成したファーブル(92歳)は遅咲きの晩年長寿の達人-庭、海、山を観察すれば楽しみいっぱい

 
前坂 俊之(ジャーナリスト)

「学者は長生き」といわれる。好きな研究を個人でストレスなくできる。-好きな研究に情熱を傾けて時間をわすれて没頭するのが脳を活性化して、長寿になるのであろう。そんな独創的な長期の研究者、コレクターは長生きする例が多いが、その世界的な代表例の一人がファーブルといえよう。日本でも植物学者・牧野富太郎(96)や採集で野原を歩きまわる足腰の筋肉を使う昆虫学者なども長生きするのであろう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E
3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%8
3%BC%E3%83%96%E3%83%AB

 

晩年長寿の達人である『昆虫記』を書いた世界一の昆虫学者だが、五十六歳でその第一巻が刊行され、生活苦と無名の中で全10巻をやっと完成、80代でやっとフランス国内で認められ、数々の栄誉を獲得92歳まで長生きしたという晩年長寿の達人である。

 

彼はもともとは小学校教員となり、その後、中学校教師になり三十歳でアヴィニョン中学校に転任、四十歳からはアヴィニョン自然誌博物館の管理員に任命され、その兼職で教職をつづけた。

 

一八七一年、四十八歳のときに決断する。同中学校をやめて、そこから二十キロほど離れたオランジユの町にひきこもって、ライフワークの「昆虫記」の観察と執筆に本格的に取り組んだ。しかし、生活が苦しく『農業化学』『基礎化学』『基礎天文学』、などの科学書、教科書を執筆して、生活費としていた。

やっと「昆虫記」は一八七九年、五十六歳で第一巻が刊行され、これ以降、ほぼ二年に一巻ずつのペースで『昆虫記』を書きつづけた。60歳ごろに、最初の妻が亡くなり、六十四歳で、四十一歳も年下の女性と再婚して、『昆虫記』の完成を目指した。しかし、「昆虫記」は余り売れず家族の生活は苦しくなる一方だという。

一九〇七年、ファーブルが八十四歳の時になって、やっと『昆虫記』は認められ、その地道な研究に対して、フランスの代表的な賞を次々に獲得した。

そして1910年、盛大な「『昆虫記』五十周年祝賀会」がもよおされた。

1915年十月、92歳でなくなるが、ちょうど第一次世界大戦の最中で注目されなかった。という。 

三文作家の書斎の窓からーわが夏のエンターテーナー/ミンミンゼミ君が桜の古木で発啼きじゃ

(以上の参考文献は稲永和豊「知的巨人たちの晩年」講談社 1997年)

 – 健康長寿 92歳セミセンテナリア

 - 人物研究, 健康長寿, 湘南海山ぶらぶら日記

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
★人気リクエスト記事再録『百歳学入門(201)』<知的巨人たちの往生術から学ぶ③>『一怒一老 一笑一若 少肉多菜 少塩多酢 少糖多果 少食多岨(たそ) 少衣多浴 少車多歩 少煩多眠 少念多笑 少言多行 少欲多施』<渋沢秀雄(90歳)>

『知的巨人たちの往生術から学ぶ』③ 朝日の[天声人語]の名コラムニストの荒垣秀雄 …

no image
●「鎌倉アジサイ(紫陽花)チャンネル① 」ー 長谷寺、明月院、御霊神社は3、4分咲き(6/8-6/9)

   鎌倉アジサイ(紫陽花)チャンネル①  &nb …

『湘南(鎌倉・逗子)海山ぶらぶら日記』★『鎌倉小町通り』★『バラエティーに富んだレストラン、トトロの店、柴犬カフェ、そば、すし屋が並び、外国人観光客でラッシュなみのにぎわいぶり』
『Z世代のための日本政治がなぜダメか、の講義』①<日本議会政治の父・尾崎咢堂が政治家を叱るー『売り家と唐模様で書く三代目』①『自民党の裏金問題の無責任・C級コメディーの末期症状!」 

   2019/04/21日本リーダーパワー史(2 …

『鎌倉釣りバカ人生30年/回想動画録⑫『10年前の鎌倉沖は豊饒の海だった』★『鎌倉は春だよ!カヤックフィッシングー春告魚(メバル)、大アジ、 カワハギ、キューセンと遊んだよ』<鎌倉海を丸かじりする方法は>

 2012/04/20  <鎌倉釣りバカ・アホ日記 …

「Z世代のためのウクライナ戦争講座」★「ウクライナ戦争は120年前の日露戦争と全く同じというニュース➂」『開戦2週間前の『ノース・チャイナ・ヘラルド』(1904年1月8日付) 』★『ロシアは極東全体の侵略を狙っており、日本はロシアの熊をアムール川の向こうの自分のすみかに送り返して,極東の平和と安全を,中国人、朝鮮人,日本人のために望んでいるだけだ』

 2019/11/22  『日本戦争外交史の研究』 …

『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(118)』プラハ(チェコ)の美しい旧市街と「歴史的大事件の舞台」広場をぶらり散歩する(‏5/7,8)③

『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(118)』  プラハ(チェコ共 …

no image
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(229)/『坂の上の雲の真実!』ー「日本海海戦を勝利に導いた天才参謀・秋山真之のスゴサは?ー山梨勝之進大将の証言』★『敵艦見ゆの発見電文の戦略内容に付けくわえた』★「マハンから「米海軍大学校へ入らんでもよい。お前は戦史を読んで、ひとりで考えれば、海軍大学校にはいる以上だ。それで日本大使館にある万巻の書をすべて読破した』★『 ロシアで極秘中の極秘の一等戦艦の図面を見せられたが、1,2分の間にすべてを頭に叩き込み、出てきてトイレに入りその設計図のすべての寸法を見事に再現した』

 2011/01/04  クイズ『坂の上の雲』記事 …

★『Z世代への遺言・日本ベストリーダーパワー史(2)ライオン宰相・浜口雄幸物語②』★『歴代宰相の中で、最も責任感の強い首相で、軍縮・行政改革・公務員給与減俸』など10大改革国難打開に決死の覚悟で臨み、右翼に暗殺された』

  2013/02/15  日本リーダーパワー史( …

『六十、七十,洟たれ小僧の湘南海山ぶらぶら日記』/『つり竿さげて、鎌倉海をカヤックフィシングでさかな君と遊べば楽しいよ』★『「半筆半漁」「晴釣雨読」「鉄オモリをぶら下げて」鎌倉古寺を散歩すれば、悠々自適!』

以下は2011年7月7日に書いた「湘南海山ぶらぶ日記」の再録である。約10年前は …